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第10章 未来へ繋ぐ想い
第84話ー① お父さんとお母さん
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『水蓮、すごいじゃない! 上手にクッキー焼けたね』
そう言って微笑む女性。
『ほら、水蓮! 高いだろ~』
肩車をしながらそう言う男性。
『水蓮! いつもありがとう。大好きだよ』
声を揃えて微笑みながらそう言う先ほどの女性と男性。
その視線の先にいるのは、幼い水蓮だった。
『パパ、ママ! スイもパパとママが大好きだよ!』
そう言って両手を伸ばす水蓮。
しかしその手は届くことなかった――水蓮の目の前で2人は石化し、ぼろぼろと崩れ去ったからだった。
『パパ、ママ……?』
水蓮は大粒の涙をこぼし、崩れ去った両親に呼びかけ続ける。
『――パパ、ママ!!!』
「――れん! 水蓮!!」
その声にはっとして目を開ける水蓮。
「せん、せい?」
「大丈夫か? 悪い夢でも見たのか?」
心配そうな顔で水蓮を見つめる暁。
「スイの、パパとママの夢……」
目にいっぱいの涙を浮かべてそう言う水蓮。
「そうか。悲しい夢を見たんだな」
そう言って暁は水蓮をそっと抱きしめる。
先生はいつも優しい。パパみたいだな――
そんなことを思いながら、その胸で涙を流す水蓮だった。
――数分後。
「落ち着いたか?」
「先生、ありがとう!」
目を真っ赤にしながら、水蓮はそう言って微笑んだ。
「そうか」
そう言って優しく微笑む暁。
「じゃあお着替えして、ご飯食べに行こう! 今日もお勉強頑張らなくちゃ!」
そう言ってベッドを降りると、水蓮はクローゼットを開けて着替えを探す。
スイはもう子供じゃないんだ。だからいつまでも赤ちゃんみたいに泣いちゃダメ。パパとママの分まで、スイが元気に生きなくちゃ――
「……水蓮」
「なあに?」
水蓮はそう言って暁の方を向く。
「もっと俺に甘えてくれてもいいんだからな? 確かに、水蓮のパパにはなってやれないけど、でもパパの代わりはできるからさ」
スイ、先生に心配かけちゃったんだ。もっとしっかりしないと――
「――うん! 先生はスイのパパだって思ってるよ!」
そう言って微笑み、水蓮は再び着替えを探した。
――教室にて。
朝食を終えた水蓮たちはいつものように学習ノルマをこなしていた。
あれ、ここの問題……うーん――
そう思いながら首を傾げる水蓮。
すると、
「水蓮、どうした? わからないところでもあったか?」
暁はそう言って水蓮の傍に寄る。
「先生さー。水蓮ちゃんに過保護すぎじゃない? あんまりしつこくすると、反抗期の時に嫌われるよ~」
実来がニヤニヤしながらそう言うと暁ははっとして、
「え!? それは困る」
困惑した表情になる。
「先生。大丈夫です! スイは先生のこと嫌いにならないよ!」
そう言って微笑む水蓮。
「おおお! 水蓮は優しいな」
暁はそう言って水蓮の頭を撫でる。
「水蓮ちゃん、先生の扱いわかってるねー。さすが娘!」
実来は親指を立ててそう言った。
「あははは」
「実来、私語は謹んでくれませんか? 気が散ります。そして後から勉強が分からないと泣きついてきても知りませんよ」
「ええ、それは困る~!」
そう言って実来はタブレットに視線を移したのだった。
「それで、水蓮。大丈夫か?」
「はい! 花丸満点です!」
そう言って水蓮は問題を解いた画面を暁に見せる。
「偉いぞ、水蓮!!」
「えへへへ」
水蓮は嬉しそうに微笑んだ。
それから生徒たちはそれぞれのノルマを終え、教室を出て行ったのだった。
――授業後、暁の自室。
「ミケさーん?」
水蓮がそう言うと、「にゃーん」と言いながらベッドの下から顔を出すミケ。
「あーそーぼー!」
それから水蓮はミケと遊んでいた。
水蓮と同年代の子供がいないこの施設では、ミケだけが唯一の遊び相手だった。
寂しいと感じつつも、水蓮は仕方がないのだと割り切り、文句の一つも言わずに毎日ミケと過ごしていた。
職員室に行けば、暁がいることはわかっていた水蓮だったが、仕事の邪魔をしてはいけないと思い、授業後はなるべく自室から出ないようにしていた。
「ミケさんがお話できたらよかったのにな……」
水蓮はふとそんな言葉を呟いた。
「にゃーん」
ミケはそう鳴きながら、水蓮にすり寄る。
「ミケさんはスイの言っていることがわかるのにね」
そう言って頭を撫でる水蓮。
「……パパは休みの日にいつもスイを肩車してくれて、お外でたくさん遊んでくれたの」
「にゃーん?」
「ママはスイが幼稚園から帰ってくると、一緒にクッキーを焼いてくれたんだよ」
「にゃー」
「先生は優しい。でもスイのパパにはなれないんだって。スイ、このままずっと一人なのかな……」
そう言って膝を抱える水蓮。
「にゃーん」
ミケは鳴きながら水蓮に頬擦りをした。
「ミケさんが一緒に居てくれるって言ったの?」
「にゃん!」
「そっか。ありがとう、ミケさん!」
そう言って水蓮はミケをぎゅっと抱きしめる。
パパとママはいなくても、ここには先生もミケさんもいる。だからスイは1人じゃないよね――
そう言って微笑む女性。
『ほら、水蓮! 高いだろ~』
肩車をしながらそう言う男性。
『水蓮! いつもありがとう。大好きだよ』
声を揃えて微笑みながらそう言う先ほどの女性と男性。
その視線の先にいるのは、幼い水蓮だった。
『パパ、ママ! スイもパパとママが大好きだよ!』
そう言って両手を伸ばす水蓮。
しかしその手は届くことなかった――水蓮の目の前で2人は石化し、ぼろぼろと崩れ去ったからだった。
『パパ、ママ……?』
水蓮は大粒の涙をこぼし、崩れ去った両親に呼びかけ続ける。
『――パパ、ママ!!!』
「――れん! 水蓮!!」
その声にはっとして目を開ける水蓮。
「せん、せい?」
「大丈夫か? 悪い夢でも見たのか?」
心配そうな顔で水蓮を見つめる暁。
「スイの、パパとママの夢……」
目にいっぱいの涙を浮かべてそう言う水蓮。
「そうか。悲しい夢を見たんだな」
そう言って暁は水蓮をそっと抱きしめる。
先生はいつも優しい。パパみたいだな――
そんなことを思いながら、その胸で涙を流す水蓮だった。
――数分後。
「落ち着いたか?」
「先生、ありがとう!」
目を真っ赤にしながら、水蓮はそう言って微笑んだ。
「そうか」
そう言って優しく微笑む暁。
「じゃあお着替えして、ご飯食べに行こう! 今日もお勉強頑張らなくちゃ!」
そう言ってベッドを降りると、水蓮はクローゼットを開けて着替えを探す。
スイはもう子供じゃないんだ。だからいつまでも赤ちゃんみたいに泣いちゃダメ。パパとママの分まで、スイが元気に生きなくちゃ――
「……水蓮」
「なあに?」
水蓮はそう言って暁の方を向く。
「もっと俺に甘えてくれてもいいんだからな? 確かに、水蓮のパパにはなってやれないけど、でもパパの代わりはできるからさ」
スイ、先生に心配かけちゃったんだ。もっとしっかりしないと――
「――うん! 先生はスイのパパだって思ってるよ!」
そう言って微笑み、水蓮は再び着替えを探した。
――教室にて。
朝食を終えた水蓮たちはいつものように学習ノルマをこなしていた。
あれ、ここの問題……うーん――
そう思いながら首を傾げる水蓮。
すると、
「水蓮、どうした? わからないところでもあったか?」
暁はそう言って水蓮の傍に寄る。
「先生さー。水蓮ちゃんに過保護すぎじゃない? あんまりしつこくすると、反抗期の時に嫌われるよ~」
実来がニヤニヤしながらそう言うと暁ははっとして、
「え!? それは困る」
困惑した表情になる。
「先生。大丈夫です! スイは先生のこと嫌いにならないよ!」
そう言って微笑む水蓮。
「おおお! 水蓮は優しいな」
暁はそう言って水蓮の頭を撫でる。
「水蓮ちゃん、先生の扱いわかってるねー。さすが娘!」
実来は親指を立ててそう言った。
「あははは」
「実来、私語は謹んでくれませんか? 気が散ります。そして後から勉強が分からないと泣きついてきても知りませんよ」
「ええ、それは困る~!」
そう言って実来はタブレットに視線を移したのだった。
「それで、水蓮。大丈夫か?」
「はい! 花丸満点です!」
そう言って水蓮は問題を解いた画面を暁に見せる。
「偉いぞ、水蓮!!」
「えへへへ」
水蓮は嬉しそうに微笑んだ。
それから生徒たちはそれぞれのノルマを終え、教室を出て行ったのだった。
――授業後、暁の自室。
「ミケさーん?」
水蓮がそう言うと、「にゃーん」と言いながらベッドの下から顔を出すミケ。
「あーそーぼー!」
それから水蓮はミケと遊んでいた。
水蓮と同年代の子供がいないこの施設では、ミケだけが唯一の遊び相手だった。
寂しいと感じつつも、水蓮は仕方がないのだと割り切り、文句の一つも言わずに毎日ミケと過ごしていた。
職員室に行けば、暁がいることはわかっていた水蓮だったが、仕事の邪魔をしてはいけないと思い、授業後はなるべく自室から出ないようにしていた。
「ミケさんがお話できたらよかったのにな……」
水蓮はふとそんな言葉を呟いた。
「にゃーん」
ミケはそう鳴きながら、水蓮にすり寄る。
「ミケさんはスイの言っていることがわかるのにね」
そう言って頭を撫でる水蓮。
「……パパは休みの日にいつもスイを肩車してくれて、お外でたくさん遊んでくれたの」
「にゃーん?」
「ママはスイが幼稚園から帰ってくると、一緒にクッキーを焼いてくれたんだよ」
「にゃー」
「先生は優しい。でもスイのパパにはなれないんだって。スイ、このままずっと一人なのかな……」
そう言って膝を抱える水蓮。
「にゃーん」
ミケは鳴きながら水蓮に頬擦りをした。
「ミケさんが一緒に居てくれるって言ったの?」
「にゃん!」
「そっか。ありがとう、ミケさん!」
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