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#17
しおりを挟むいつも通りの朝がきた
昨日のことを
考えすぎたせいで
浅い眠りで
物凄く眠たかった
通勤も仕事も
ボーッとしていて
覚えていない
連絡すると言っていたが
千春に何を言えば・・
考え事は
こればっかりだ
仕事中
全く集中していなかったせいで
仕事でミスをしてしまった
その報告書を制作するため
バイトには
遅れることとなった
パソコンで
報告書を制作する僕
基本、現場仕事のため
事務的なことは
ほとんど皆無だった
一時間ほど格闘して
やっと報告書を提出することができた
僕は急いで
バイトへ向かった
遅れた分を取り戻すために
バイト先に到着し
現場へ着いた
するとそこには
笑顔で待ってる君が居た
周りを見渡す
製品が何もない
「皆で頑張って終わらせたので、ありがたく思ってくださいね!」
寄り添いながら
君は言ってきた
「助かった!ありがとう!」
僕と君は
息が合ったかのように
ハイタッチをした
今、思うと
恥ずかしかった
嬉しかった
バイトが終わり
僕は君と話ながら
車へと向かっていた
僕は君に
その日、何がしたいか
何を食べたいかなどを聞いた
昨日、メールで
送り損ねたからだ
君は笑顔で
「お祝いできるなら何処でもいいですよ!」
眩しい笑顔
僕には勿体無い
お互い時間が許すかぎり
色んなことを話した
好きなこと
好きなもの
お互いのことが
良く分かり
良く知ることができ
僕と君との距離は
だんだん近くになる
(背筋が凍る・・僕は何をしている?)
さりげなく時計を見る
「明日も仕事だから帰ろっか?」
一時間は話したと思う
あっという間の時間だった
君は寂しそうに
首を縦に振る
僕は君の頭を優しく撫でた
「また明後日、バイトでね?」
ニコッと笑う君
僕も笑う
車まで君を送り
さよならと手を振る
見えなくなるまで
手を振った
僕も車に乗り
走り出した
そして
スマホを手に取り
電話をかける
「・・もしもし・・」
千春は寝ていたみたいだ
それもそのはず
夜の11時を過ぎていた
「遅くにごめんね?大丈夫?」
千春は怒った口調で
「大丈夫じゃない」
どうしたものかと
考えながら運転する僕
「ずるいよ、お兄ちゃん」
千春は一人で話をし始めた
僕は静かに聞くことにした
「久しぶりにこっちに帰って来て
色んなとこが変わってて
同級生も仕事したり結婚したりで
色々変わってて
私のことを忘れてる友達も居て
私が住んでた家も失くなってて
私がここに居たっていう
環境や空気も失くなってて
孤独だった
私には何もかも失くなってて・・
・・けどお兄ちゃんに会えた
あのとき
お兄ちゃんと行ってたスーパーがあって
たまたま行ったら
お兄ちゃんに奇跡的に会えて
そして私を覚えててくれた
私は全然、気づかなかったのに
お兄ちゃんは私だと気づいてくれて
話しかけてきてくれて
昔のまま
お兄ちゃんは優しい顔優しい声で
何も変わらないでいてくれて
嬉しくて嬉しくて泣きそうだった
抱きつきたかった・・甘え・たかった・・」
千春は
泣きながら話す
ハザードをつけ
道の端に車を止め
無言でただただ聞くだけの僕
心の中で謝るしかなかった
「ごめんね?お兄ちゃん・・」
千春が謝ってきた
最悪だ僕は
悲しい寂しい思いばっかりさせている
「いいんだ・・俺こそ、ごめんな」
昔みたいに
一緒に歩いて話し
一緒に食べたり笑ったり
けど
もうあの時へは
もう戻れない
「お兄ちゃんごめんね!
バイトだったんでしょ?
早く帰って寝てね?
気をつけて帰ってね!
おやすみなさい・・またね・」
一方的に話され
電話を切られてしまった
僕は本当に最悪な人間だ
アパートに着き
風呂に入り
いつものイスに座った
「また・・ね・・かぁ・・」
千春の最後の言葉
僕に会いたいってことが
心の底から伝わっていた
僕は疲れていたのか
眠っていた
この暗いくてフワフワした感じは
夢だと分かった
夢の中・・僕の好きな空間
けどその空間に
人がいる・・誰だ?
微笑む口元しか分からない
そして空間も夢の意識も消えていった
僕には秘密がある
君には言えない秘密がある。
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