元アラサー転生令嬢と拗らせた貴公子たち

せいめ

文字の大きさ
48 / 161
マリーベル編〜楽しく長生きしたい私

卒業と入学

しおりを挟む
 休暇を終えて、またいつもの忙しい生活に戻る。ガリ勉しつつ、刺繍で副業、休日は慰問、剣の鍛練とやっているうちに、もうすぐ初等部の卒業が近づいている。

 そこで、また問題が!お父様たちは、私は貴族学園にはタウンハウスから通うと思っているのだ。そんなの絶対に嫌だ!どうしようと悩んでると…。
 なんと、ミッシェルは飛び級と早期の卒業を目指すので、勉強に集中する為に、寮で生活するらしい。また、レジーナも卒業後はすぐに実家を継ぐのではなく、どこかの騎士団で修行してから継ぐので、寮生活に慣れておく為に、貴族学園でも寮を使うんだって。
 うん!私も早期卒業する為に、勉強に集中したいから、寮に入りたいと頼む事にした。その事を手紙に書き、それだけでは説得が難しいような気がしたので、早期で卒業出来たら、お父様やお母様と一緒に過ごす時間をつくりたい、卒業出来たらお父様たちと旅行に行ってみたいとか、ごますりの内容満載で書いてみた。
 そして、お父様とお母様からの手紙の返事には、残念だけど、そこまでの目標があるなら応援すると書いてあった。そのかわり、タウンハウスは貴族学園から馬車で10分くらいなので、休みの日には顔を見せるようにと書いてある。お父様とお母様は何だかんだで私には甘いのだ。ありがとう!私、死なない様に頑張るからねー!

 そして、ついに卒業の日を迎えた。卒業と言っても、私達、貴族の令嬢だけが、貴族学園に編入する為に抜けるだけなので、特別な卒業式はないのだが、最後の授業が終わった後、学園長室に呼ばれて初等教育の修了証を頂く。貴族学園に編入するのは全員で10名いる。レジーナ達、親友以外の令嬢もみんなそれなりに会話したことあるし、みんないい子達だから、一緒で心強い。10人でこれからも、頑張ろうってなった。
 学園長室を出ると、廊下にはクラスメイトや在校生達が並んで待っていた。おめでとうございますと、それぞれ声をかけてくれる。嬉しいよね、こういうのは。クラスメイト達とは、いつかまた会いたいねと声を掛け合って別れた。
 そして、学園の入り口のところでは、恩師の先生方が待っていてくれた。先生方は、胸を張って頑張りなさいと声を掛けてくれた。その中には治癒魔法でお世話になったシスターもいる。シスターには、3年間、まるで生き急いでいるように、忙しく勉強と魔法と頑張ってきたけど、そんなに焦らないでやりなさいと言われた。あなたなら大丈夫だから、仲間も沢山いるのだし、自信を持ってやりなさい。どうしてもつらい時は、ここはあなたの家でもあるのだから、いつでも帰って来なさいと、有難い言葉に涙が出てきた。はい、頑張ってきますと返事をするので精一杯だったが、シスターは笑顔で見送ってくれた。よし、断罪されて行き場を無くしたら、シスターのお世話になっちゃうからね。


 中等部の入学式まで、そんなに日がないので、聖女子学園の寮から、直接、貴族学園の寮に向かう。貴族学園の寮には侍女を連れて行けるので、アリーが来てくれるようだ。アリーとレンと護衛達が馬車で迎えに来てくれ、私はアウェーの王都へドナドナされていくのであった。

 貴族学園の寮に着く。うん、聖女子学園の寮とは違って、ゴージャスね。貴族の階級ごとに部屋が違うらしく、王族で侯爵家の私は広くて、豪華な部屋を与えられたのであった。アリーやレン達が荷物を運んでいると、廊下から、数人くらいの足音がする。コンコンと部屋がノックされ、アリーがドアを開けるとそこには……、お父様とお母様が満面の笑みで立っていたのだった。後ろに荷物を沢山持ったメイドと騎士達を連れて。
 直接会うのは、2年ぶりくらいかな?お互い忙しくて会えなかったのよ。お父様とお母様が、ギュッと抱きしめてくる。久しぶりだもんね。私も嬉しくて笑みが溢れる。
 お父様は、聖女子学園で首席争いをしてきた私を褒めてくれた。それと、辺境伯領でのことも、おじ様から色々と報告が来ていたようで、自慢の娘だよーとデレデレしていた。何の報告か知らないけど、辺境伯領は大好きだから、まぁいいっか。
 お母様は、刺繍とピアノを褒めてくれた。どこで噂になってるんだ?お母様が喜んでいるから、いいよね。細かい事は気にしてられないわ。
 で、これからは令嬢として、ある程度の品位が必要になるからと沢山のドレスやアクセサリー、化粧品などを持ってきたらしい。聖女子学園時代は着飾る文化は無かったから、お母様はやっとお洒落させられると、アリーと気合いを入れていた。そして、その日から、全身をアリーに磨かれることになるのであった。

 そしてお父様に言われたのが、久しぶりに会った私は、若くして亡くなった従姉妹のスペンサー家の令嬢にとても似ているから、彼女を知る人が見たらビックリするかもしれないけど、気にせずにやりなさいと話していた。そんなに似てるの?気にしないけどね。
 2人は中等部の入学式にまた来るねと言って、帰って行った。この両親が、今後何か理由をつけて度々、寮に遊びに来るようになることを、その時の私はまだ気付かないのであった。
 

 そして、ついに入学の日を迎える私。何となく見覚えのあるセーラー服風の制服に着替え、アリーがナチュラルにメイクし、髪もサラ艶に仕上げ、控えめなダイヤモンドの髪飾りを着けてくれた。鏡をチェックすると、何となく見覚えのある美少女が映っている。うーん!心配なことは沢山あるが、魔法も剣も勉強も頑張ってきたし、仲間も沢山いるから、私、負けない!死なないからねー!

 侍女は基本的に寮で待機なので、1人で校舎に向かって歩いていくと、入学式の会場ホールには、すでに半分くらいは新入生と保護者がきていた。入学式の直前にクラス分けのテストを受けていたので、すでにクラスごとに名前が張り出されている。クラスは、学力順なので、ガリ勉をしてきた私達、聖女子から来たメンバーは勿論、みんなAクラスだ。みんな一緒で嬉しいわ。Aクラスの席の所へ行くと、レジーナ達はもう来ていたので、隣に座って始まるのを待つ。保護者席には、お父様とお母様がすでに座っていて、手を振ってくれたので、私もニコニコして振り返しておいた。そうしているうちに、時間になり、式が開始される。
 学園長や理事長、そして王太子殿下の挨拶の後、新入生の挨拶が来る。これはクラス分けテストで1位の生徒がするのだが、……それを私がやるなんて。テスト、張り切りすぎたわね。まぁしょうがない。前世、大企業のバリキャリだったから、大勢の前で喋るのなんて余裕よ。

「新入生の挨拶。マリーベル・フォーレス侯爵令嬢」

 呼ばれたわね。優雅に立ち上がり、ステージの上へ行く。カーテシーをして、学園で用意してくれた原稿を上品に読み上げる。ふふっ、元引き篭もり令嬢だけど、上手く出来たでしょ。顔を上げると、親バカなうちの両親が目をキラキラさせているのが見えて、思わず微笑んでしまったが別にいいよね。最後にまた、カーテシーをして席に戻った。私も、やれば出来るのよ。


 入学式を終えて、それぞれのクラスに移動する中、ザワザワしていたので、その小さな声に気付かなかった。


「……アンネマリー様」
 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】公爵家の秘密の愛娘 

ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝グラント公爵家は王家に仕える名門の家柄。 過去の事情により、今だに独身の当主ダリウス。国王から懇願され、ようやく伯爵未亡人との婚姻を決める。 そんな時、グラント公爵ダリウスの元へと現れたのは1人の少女アンジェラ。 「パパ……私はあなたの娘です」 名乗り出るアンジェラ。 ◇ アンジェラが現れたことにより、グラント公爵家は一変。伯爵未亡人との再婚もあやふや。しかも、アンジェラが道中に出逢った人物はまさかの王族。 この時からアンジェラの世界も一変。華やかに色付き出す。 初めはよそよそしいグラント公爵ダリウス(パパ)だが、次第に娘アンジェラを気に掛けるように……。 母娘2代のハッピーライフ&淑女達と貴公子達の恋模様💞  🔶設定などは独自の世界観でご都合主義となります。ハピエン💞 🔶稚拙ながらもHOTランキング(最高20位)に入れて頂き(2025.5.9)、ありがとうございます🙇‍♀️

「君以外を愛する気は無い」と婚約者様が溺愛し始めたので、異世界から聖女が来ても大丈夫なようです。

海空里和
恋愛
婚約者のアシュリー第二王子にべた惚れなステラは、彼のために努力を重ね、剣も魔法もトップクラス。彼にも隠すことなく、重い恋心をぶつけてきた。 アシュリーも、そんなステラの愛を静かに受け止めていた。 しかし、この国は20年に一度聖女を召喚し、皇太子と結婚をする。アシュリーは、この国の皇太子。 「たとえ聖女様にだって、アシュリー様は渡さない!」 聖女と勝負してでも彼を渡さないと思う一方、ステラはアシュリーに切り捨てられる覚悟をしていた。そんなステラに、彼が告げたのは意外な言葉で………。 ※本編は全7話で完結します。 ※こんなお話が書いてみたくて、勢いで書き上げたので、設定が緩めです。

有能女官の赴任先は辺境伯領

たぬきち25番
恋愛
お気に入り1000ありがとうございます!! お礼SS追加決定のため終了取下げいたします。 皆様、お気に入り登録ありがとうございました。 現在、お礼SSの準備中です。少々お待ちください。 辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26) ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。 そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。 そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。   だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。 仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!? そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく…… ※お待たせしました。 ※他サイト様にも掲載中

【完結】記憶にありませんが、責任は取りましょう

楽歩
恋愛
階段から落ちて三日後、アイラは目を覚ました。そして、自分の人生から十年分の記憶が消えていることを知らされる。 目の前で知らない男が号泣し、知らない子どもが「お母様!」としがみついてくる。 「状況を確認いたします。あなたは伯爵、こちらは私たちの息子。なお、私たちはまだ正式な夫婦ではない、という理解でよろしいですね?」 さらに残されていたのは鍵付き箱いっぱいの十年分の日記帳。中身は、乙女ゲームに転生したと信じ、攻略対象を順位付けして暴走していた“過去のアイラ”の黒歴史だった。 アイラは一冊の日記を最後の一行まで読み終えると、無言で日記を暖炉へ投げ入れる。 「これは、焼却処分が妥当ですわね」 だいぶ騒がしい人生の再スタートが今、始まる。

婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました

Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。 順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。 特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。 そんなアメリアに対し、オスカーは… とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。

【電子書籍化進行中】声を失った令嬢は、次期公爵の義理のお兄さまに恋をしました

八重
恋愛
※発売日少し前を目安に作品を引き下げます 修道院で生まれ育ったローゼマリーは、14歳の時火事に巻き込まれる。 その火事の唯一の生き残りとなった彼女は、領主であるヴィルフェルト公爵に拾われ、彼の養子になる。 彼には息子が一人おり、名をラルス・ヴィルフェルトといった。 ラルスは容姿端麗で文武両道の次期公爵として申し分なく、社交界でも評価されていた。 一方、怠惰なシスターが文字を教えなかったため、ローゼマリーは読み書きができなかった。 必死になんとか義理の父や兄に身振り手振りで伝えようとも、なかなか伝わらない。 なぜなら、彼女は火事で声を失ってしまっていたからだ── そして次第に優しく文字を教えてくれたり、面倒を見てくれるラルスに恋をしてしまって……。 これは、義理の家族の役に立ちたくて頑張りながら、言えない「好き」を内に秘める、そんな物語。 ※小説家になろうが先行公開です

魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました【完結】

iru
恋愛
第19回 恋愛小説大賞エントリーしています。ぜひ1票お願いします。 小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。 両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。 両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。 しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。 魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。 自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。 一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。 初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。 恋人になりたいが、年上で雇い主。 もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。 そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。 そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。 レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか? 両片思いのすれ違いのお話です。

行動あるのみです!

恋愛
※一部タイトル修正しました。 シェリ・オーンジュ公爵令嬢は、長年の婚約者レーヴが想いを寄せる名高い【聖女】と結ばれる為に身を引く決意をする。 自身の我儘のせいで好きでもない相手と婚約させられていたレーヴの為と思った行動。 これが実は勘違いだと、シェリは知らない。

処理中です...