49 / 161
マリーベル編〜楽しく長生きしたい私
新学期と僻み
しおりを挟む
入学式の後、新入生だけが教室に移動する。一学年30人のクラスが、5クラスあるようだ。私達Aクラスはそのうち10名が、聖女子出身者が占めているので嬉しかった。初等部からいる女子が3人。そして17名は男子。高位の貴族令息の割合が多く、それ故に他の貴族女子達から僻まれることになる。
私達が編入した事で、初等部でAクラスだった令嬢達がBクラスに降格してしまったので、その事を逆恨みする人もいるようだが……、入学式の時点で、私達を見てヒソヒソしている他のクラスの令嬢達。好意的でないのはすぐに分かった。そのうち、何かありそうね。ちょうどいいから、悪役令嬢になりたくない私の代わりに、誰かに悪役令嬢になってもらおうかしら。ふふっ、楽しみね。
しかし、そんなくだらない逆恨みや僻みよりも、聖女子出身の友人達の報復の方が何倍も恐ろしいものだと、私はすぐに気付く事になるのだった。頭が切れる人達を怒らせてはいけないということに。
担任の先生が教室にやって来た。あれっ?あのイケメン先生は……、ルーベンス先生?
担任の先生が自己紹介をする。外国語担当だし、名前も同じだし、やっぱりルーベンス先生ね。イケメン先生にクラスの令嬢達はみんな喜んでいるわね。
そして、先生の自己紹介の後は私達生徒が一人ひとり、自己紹介をする。まだ席が指定されていなかったので、私達聖女組は窓側に座っていたのだが、新しく編入してきたあなた達から、お願いしますと言われ、レジーナから順番に自己紹介をし、私も無難に自己紹介をした。そして、私達の後に、同じクラスの貴族が自己紹介をするのだが、私と同じ家名の貴族令息がいた。というか、忘れていたが私には義兄がいましたね。クラスの自己紹介で初めて顔を見るというね…。
目が合うのが怖いので、あまり顔を見れないがチラ見してみると、ストロベリーブロンドに緑の瞳の、キレイな顔立ちの令息が見える。お母様の侯爵家の顔立ちね。お母様の息子に見えるから養子には見えないわ。でも、極力関わらないようにしよう。怖いから。
今日はクラスの顔合わせと、学園生活の説明で終わった。教室に長い時間いるのは危険なので、さっさと寮に帰って、お茶でもしようかとレジーナ達と話して帰ろうとした時に、
「マリーベル様、お久しぶりですね。」
ルーベンス先生が話しかけてくれた。イケメンの笑顔が眩しいぞ。
「ルーベンス先生、ご無沙汰しております。ご挨拶が遅れまして申し訳ありませんでした。お元気でしたか?」
「ええ、少し前に帰国して、縁あってこちらにお世話になることになったのです。マリーベル様は、すっかり素敵な御令嬢になられましたね。私が家庭教師を辞める時に涙を流していた、小さなお嬢様だったのが信じられないくらい。」
「お恥ずかしいですわ。でも先生が大好きだったので、お別れが寂しかったのです。また先生の授業を受けられるなんて、とても嬉しいですわ。どうぞよろしくお願い致します。」
ルーベンス先生は優しく微笑んで、去っていった。見慣れているつもりであったけど、イケメン先生って、存在が危険よね。もしかして、ルーベンス先生も攻略対象者だったりするのかしら。あまり馴れ馴れしくするのはやめよう。…ん?親しくルーベンス先生と話していたからか、クラスメイト達の視線を感じるわね。さっさと、帰ろう。
聖女子メンバー、みんなでお茶しようとなったので、私の寮の無駄に広い部屋に10人集合。異世界で女子会しちゃおう。
寮の部屋は、広いダイニング兼リビングの部屋と机とベッドが置いてある寝室と、衣装部屋と、お付きの侍女用の部屋があって、とても広いので、友人を呼びやすい。アリーはテキパキとお茶の用意をしてくれた。急に連れてきてごめんねーと言ったら、何となく予想してましたよ、だって。ありがとう。
聖女子のメンバーは、他のクラスの一部の令嬢達の敵意剥き出しの視線に気が付いていて、いくらでもやる気でいるようだ。レディースかよ!!しかも、絶対に何か仕掛けてくる令嬢はもうチェック済みらしい。すごいな!心強い友人達で嬉しいわ。
それと、ルーベンス先生とどうなの?みたいな女子トークがあったが、子供の頃の家庭教師で、優しい先生だったから好きだったのと話をしたら、子供の頃なのねーとつまらなそうだった。
義兄の事もみんな気にしてくれていて、跡目争いしたくないから、あまり揉めないように気をつけている事を話した。跡目争いで揉める家は珍しくないし、女でも爵位が継げるからね。みんな理解してくれたようだった。
私達が編入した事で、初等部でAクラスだった令嬢達がBクラスに降格してしまったので、その事を逆恨みする人もいるようだが……、入学式の時点で、私達を見てヒソヒソしている他のクラスの令嬢達。好意的でないのはすぐに分かった。そのうち、何かありそうね。ちょうどいいから、悪役令嬢になりたくない私の代わりに、誰かに悪役令嬢になってもらおうかしら。ふふっ、楽しみね。
しかし、そんなくだらない逆恨みや僻みよりも、聖女子出身の友人達の報復の方が何倍も恐ろしいものだと、私はすぐに気付く事になるのだった。頭が切れる人達を怒らせてはいけないということに。
担任の先生が教室にやって来た。あれっ?あのイケメン先生は……、ルーベンス先生?
担任の先生が自己紹介をする。外国語担当だし、名前も同じだし、やっぱりルーベンス先生ね。イケメン先生にクラスの令嬢達はみんな喜んでいるわね。
そして、先生の自己紹介の後は私達生徒が一人ひとり、自己紹介をする。まだ席が指定されていなかったので、私達聖女組は窓側に座っていたのだが、新しく編入してきたあなた達から、お願いしますと言われ、レジーナから順番に自己紹介をし、私も無難に自己紹介をした。そして、私達の後に、同じクラスの貴族が自己紹介をするのだが、私と同じ家名の貴族令息がいた。というか、忘れていたが私には義兄がいましたね。クラスの自己紹介で初めて顔を見るというね…。
目が合うのが怖いので、あまり顔を見れないがチラ見してみると、ストロベリーブロンドに緑の瞳の、キレイな顔立ちの令息が見える。お母様の侯爵家の顔立ちね。お母様の息子に見えるから養子には見えないわ。でも、極力関わらないようにしよう。怖いから。
今日はクラスの顔合わせと、学園生活の説明で終わった。教室に長い時間いるのは危険なので、さっさと寮に帰って、お茶でもしようかとレジーナ達と話して帰ろうとした時に、
「マリーベル様、お久しぶりですね。」
ルーベンス先生が話しかけてくれた。イケメンの笑顔が眩しいぞ。
「ルーベンス先生、ご無沙汰しております。ご挨拶が遅れまして申し訳ありませんでした。お元気でしたか?」
「ええ、少し前に帰国して、縁あってこちらにお世話になることになったのです。マリーベル様は、すっかり素敵な御令嬢になられましたね。私が家庭教師を辞める時に涙を流していた、小さなお嬢様だったのが信じられないくらい。」
「お恥ずかしいですわ。でも先生が大好きだったので、お別れが寂しかったのです。また先生の授業を受けられるなんて、とても嬉しいですわ。どうぞよろしくお願い致します。」
ルーベンス先生は優しく微笑んで、去っていった。見慣れているつもりであったけど、イケメン先生って、存在が危険よね。もしかして、ルーベンス先生も攻略対象者だったりするのかしら。あまり馴れ馴れしくするのはやめよう。…ん?親しくルーベンス先生と話していたからか、クラスメイト達の視線を感じるわね。さっさと、帰ろう。
聖女子メンバー、みんなでお茶しようとなったので、私の寮の無駄に広い部屋に10人集合。異世界で女子会しちゃおう。
寮の部屋は、広いダイニング兼リビングの部屋と机とベッドが置いてある寝室と、衣装部屋と、お付きの侍女用の部屋があって、とても広いので、友人を呼びやすい。アリーはテキパキとお茶の用意をしてくれた。急に連れてきてごめんねーと言ったら、何となく予想してましたよ、だって。ありがとう。
聖女子のメンバーは、他のクラスの一部の令嬢達の敵意剥き出しの視線に気が付いていて、いくらでもやる気でいるようだ。レディースかよ!!しかも、絶対に何か仕掛けてくる令嬢はもうチェック済みらしい。すごいな!心強い友人達で嬉しいわ。
それと、ルーベンス先生とどうなの?みたいな女子トークがあったが、子供の頃の家庭教師で、優しい先生だったから好きだったのと話をしたら、子供の頃なのねーとつまらなそうだった。
義兄の事もみんな気にしてくれていて、跡目争いしたくないから、あまり揉めないように気をつけている事を話した。跡目争いで揉める家は珍しくないし、女でも爵位が継げるからね。みんな理解してくれたようだった。
180
あなたにおすすめの小説
全てを捨てて、わたしらしく生きていきます。
彩華(あやはな)
恋愛
3年前にリゼッタお姉様が風邪で死んだ後、お姉様の婚約者であるバルト様と結婚したわたし、サリーナ。バルト様はお姉様の事を愛していたため、わたしに愛情を向けることはなかった。じっと耐えた3年間。でも、人との出会いはわたしを変えていく。自由になるために全てを捨てる覚悟を決め、わたしはわたしらしく生きる事を決意する。
何年も相手にしてくれなかったのに…今更迫られても困ります
Karamimi
恋愛
侯爵令嬢のアンジュは、子供の頃から大好きだった幼馴染のデイビッドに5度目の婚約を申し込むものの、断られてしまう。さすがに5度目という事もあり、父親からも諦める様言われてしまった。
自分でも分かっている、もう潮時なのだと。そんな中父親から、留学の話を持ち掛けられた。環境を変えれば、気持ちも落ち着くのではないかと。
彼のいない場所に行けば、彼を忘れられるかもしれない。でも、王都から出た事のない自分が、誰も知らない異国でうまくやっていけるのか…そんな不安から、返事をする事が出来なかった。
そんな中、侯爵令嬢のラミネスから、自分とデイビッドは愛し合っている。彼が騎士団長になる事が決まった暁には、自分と婚約をする事が決まっていると聞かされたのだ。
大きなショックを受けたアンジュは、ついに留学をする事を決意。専属メイドのカリアを連れ、1人留学の先のミラージュ王国に向かったのだが…
嘘つくつもりはなかったんです!お願いだから忘れて欲しいのにもう遅い。王子様は異世界転生娘を溺愛しているみたいだけどちょっと勘弁して欲しい。
季邑 えり
恋愛
異世界転生した記憶をもつリアリム伯爵令嬢は、自他ともに認めるイザベラ公爵令嬢の腰ぎんちゃく。
今日もイザベラ嬢をよいしょするつもりが、うっかりして「王子様は理想的な結婚相手だ」と言ってしまった。それを偶然に聞いた王子は、早速リアリムを婚約者候補に入れてしまう。
王子様狙いのイザベラ嬢に睨まれたらたまらない。何とかして婚約者になることから逃れたいリアリムと、そんなリアリムにロックオンして何とかして婚約者にしたい王子。
婚約者候補から逃れるために、偽りの恋人役を知り合いの騎士にお願いすることにしたのだけど…なんとこの騎士も一筋縄ではいかなかった!
おとぼけ転生娘と、麗しい王子様の恋愛ラブコメディー…のはず。
イラストはベアしゅう様に描いていただきました。
笑い方を忘れた令嬢
Blue
恋愛
お母様が天国へと旅立ってから10年の月日が流れた。大好きなお父様と二人で過ごす日々に突然終止符が打たれる。突然やって来た新しい家族。病で倒れてしまったお父様。私を嫌な目つきで見てくる伯父様。どうしたらいいの?誰か、助けて。
愛すべきマリア
志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。
学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。
家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。
早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。
頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。
その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。
体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。
しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。
他サイトでも掲載しています。
表紙は写真ACより転載しました。
【完結】魔女令嬢はただ静かに生きていたいだけ
⚪︎
恋愛
公爵家の令嬢として傲慢に育った十歳の少女、エマ・ルソーネは、ちょっとした事故により前世の記憶を思い出し、今世が乙女ゲームの世界であることに気付く。しかも自分は、魔女の血を引く最低最悪の悪役令嬢だった。
待っているのはオールデスエンド。回避すべく動くも、何故だが攻略対象たちとの接点は増えるばかりで、あれよあれよという間に物語の筋書き通り、魔法研究機関に入所することになってしまう。
ひたすら静かに過ごすことに努めるエマを、研究所に集った癖のある者たちの脅威が襲う。日々の苦悩に、エマの胃痛はとどまる所を知らない……
病めるときも健やかなるときも、お前だけは絶対許さないからなマジで
あだち
恋愛
ペルラ伯爵家の跡取り娘・フェリータの婚約者が、王女様に横取りされた。どうやら、伯爵家の天敵たるカヴァリエリ家の当主にして王女の側近・ロレンツィオが、裏で糸を引いたという。
怒り狂うフェリータは、大事な婚約者を取り返したい一心で、祝祭の日に捨て身の行動に出た。
……それが結果的に、にっくきロレンツィオ本人と結婚することに結びつくとも知らず。
***
『……いやホントに許せん。今更言えるか、実は前から好きだったなんて』
「結婚しよう」
まひる
恋愛
私はメルシャ。16歳。黒茶髪、赤茶の瞳。153㎝。マヌサワの貧乏農村出身。朝から夜まで食事処で働いていた特別特徴も特長もない女の子です。でもある日、無駄に見目の良い男性に求婚されました。何でしょうか、これ。
一人の男性との出会いを切っ掛けに、彼女を取り巻く世界が動き出します。様々な体験を経て、彼女達は何処へ辿り着くのでしょうか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる