元アラサー転生令嬢と拗らせた貴公子たち

せいめ

文字の大きさ
83 / 161
マリーベル編〜楽しく長生きしたい私

学園に復帰します

 今日は久しぶりに学園に復帰する日。友人達と沢山おしゃべりしたいなー。朝からフィーネが気合いを入れて、私を磨いている。髪型とメイクが済んでから、久しぶりの制服を着る。フィーネは、おば様を呼んでくる。

「マリー、制服が似合っているわね。うちのマリーが1番可愛いわ。」

 着飾ると、おば様は私よりも喜んでくれる。従姉妹が亡くなって、女の子がいなかったのが寂しかったのかな。フィーネも目を輝かせている。

 出発する為に、玄関ホールまで降りていくと、おじ様とフィル兄様が待っていてくれた。おじ様は、王宮に出発まで少し時間があるから、見送ってくれるようだ。優しいおじ様なのよね。

「マリー、今日から学園だけど、気をつけて行って来るんだよ。」
「フィルも、マリーを頼んだぞ。」

 えっ?フィル兄様も一緒に行くの?今日は騎士団だって言ってたよね。騎士服着ているし。騎士服カッコいいから、眼福だけど。

「分かっています。マリー、行こうか。」

 そう言って、私の手を引くフィル兄様。一緒に行くのね。

「行ってきます。」

 馬車に乗り込む私達。えっ?フィル兄様は隣に座るの?しかもピタッとくっついてるような?

「フィル兄様、騎士団に出勤する時間は大丈夫なのでしょうか?」

「ああ、学園から近いし、時間も丁度いいから、マリーを学園に送ってから行くよ。あっ、マリー!危ないから、もっとこっちにおいで。」

 そう言って、フィル兄様は私の腰を抱く。えっ?朝から、カッコいいフィル兄様にそんなことされたら、鼻血が出ちゃうかも。ていうか、デビュタント過ぎたあたりから、フィル兄様が私に甘くない?アラサーだって勘違いもするんだから、やめてー!
 学園に着くとフィル兄様は、わざわざ先に馬車から降りて、私が馬車から降りる為に手を貸してくれる。カッコいいフィル兄様はとにかく目立つ。みんなこっち見てるわ。

「マリー、勉強頑張ってね。」

 一歩前に踏み出し、前屈みになったフィル兄様は、チュッと私の額にキスをした!えー!何なの?顔が赤くなる私。その時、恐ろしい声が聞こえる。

「朝から、こんなところで何をしているのです?」

 サーっと血の気が引く。この声は…

「アルベルトか。今日からマリーが学園に復帰するけど、義兄らしく、妹に対応してくれよ。」

「言われなくても、分かってます。うちのマリーを送って下さってありがとうございました。」
「さあマリー、一緒に行こうか?」

 義兄の笑顔は、今日も恐ろしいわね。そして相変わらず、恋人繋ぎするのね。ああ、もう疲れたわ。

「フィル兄様も、お仕事頑張ってくださいね。行ってまいります。」

「ああ。マリー、またね。」

 素敵過ぎるフィル兄様は、馬車に乗って行ってしまった。

「マリー、フィリップ兄様と随分と仲良くなったようだね。何かあったの?」

 そう。この義兄はストレートに聞いてくる人なのよね。でも、和解したから、前程の恐怖は感じない。

「私にもよく分からないのですが、デビュタントあたりから、何となく過保護になったような気がします。」

「デビュタントか。…そうか。」

 何か私達を見て、ヒソヒソしているわね。その時だった。

「また、殿方を侍らせているわ。身分が高いとモテていいわね。」

 キター!義兄を侍らせてるように見えたかな?これ私に言ってくれているよね!声のした方を見ると、先輩らしき令嬢3人が悪意のこもった目でこっちを見ているぞ!もしかして、腹黒達にも嫌味ったらしく絡んで来るって言っていた先輩かしら。会いたかったわ、先輩方!

「マリー、黙らせるか?」

「お兄様、私、ずっと休んでいたので、沢山の人と会話したいのですわ。よろしいかしら?」

「分かった。側にいるよ。」

 ルンルンして笑顔で、先輩方の所に歩いていく。まさか来ると思わなかったのだろうね。少し驚いている。

「先輩方、楽しそうなお話をされているようですわね。ぜひ私にも、素敵な噂話を教えて頂けないでしょうか?身分が高くてモテると言うのは、どなたでしょうか?」

「……何なの?少し可愛いからって!」

「そうよ。デビュタントで少し、目立ったからって。」

 引っかかったわね。

「まあ、先輩方、何を怒ってらっしゃるのでしょうか?私は先輩方とは初対面かと思いますが。先輩方のおっしゃる、少し可愛くて、デビュタントで目立っていたとは、どなたでしょうか?教えて下さいませ。」

 絡むと面倒な人になってやるわ。

「……あなた、本当にそれを聞いているの?」

「高貴でお美しい先輩方が噂をなさる方は、一体どちらの御令嬢なのかと思いまして。」

「………。」

「だから、教えて下さいませ。…それとも、私には直接言えないのでしょうか?」

「…行きましょう!」

 ちっ!もっと煽りたかったのに、逃げたな。意気地なしめ!殴ってくれたら良かったのに。みんなの見せしめにするんだから。まあ、いいわ。次会ったら、笑顔で挨拶しちゃうかもしれないわね。顔を覚えてるぞってね!

「マリーも言う時は言うんだな。」

「いつも、守られてばかりだと、1人の時に攻撃されますから。ある程度は、言っておかないと。あっ、でもお兄様がいてくれて、心強かったですわよ。」

「それは良かった!」

 気づくと、エリーゼとミッシェルが、腹黒い笑みを浮かべて見ているわ。ふふっ!朝から先輩に絡んでみたわよ。どう?

 教室に着くと、レジーナ達はもう登校していた。何か、レジーナは機嫌いいわね。デビュタントの時に、あの彼といい感じになっていたものね。腹黒達の中には最近、恋人ができたコもいるし、クラスメイトの令息といい雰囲気になっているコもいる。かわいいし、年頃だもんね。恋バナは楽しいよ。
 ちなみに、デビュタントはみんなヘトヘトだったようだ。かわいい跡取りの令嬢達は、貴族の次男三男あたりから、言い寄られて大変らしい。今度はみんなで、夜会や茶会にも参加しようとなった。

 そして、久しぶりの選択授業。あれっ?剣術の先生が変わっている。前より若くて熱血そうな感じ。レジーナが言うには、先週あたりから、先生方の人事異動があったらしい。随分と中途半端な時期の人事異動だわね。でも、今の先生の方が、一生懸命見てくれるからいいんだって。ちなみに、ミッシェル達の淑女教育の先生は、女帝のような伯爵夫人が担当に変わり、厳しくて泣く子もいるんだとか。すげーな。
 今日は王都騎士団の騎士様達も教えに来てくれた。あまり、騎士と仲良くし過ぎると、義兄に怒られるから、気を付けないとね。だけど、他のクラスの2人の令嬢とも仲良くなったから、結構楽しい時間なんだよね。
 普通に楽しくやっていると、王都騎士団長がやってくる。

「フォーレス侯爵令嬢、デビュタントの時はありがとう。踊りながら治癒魔法までかけてくれたんだって?体が楽になったと喜んでいたよ。何か、お礼をしたいと言っていたが。」

 来たな!ダンス押し付け団長め!

「こちらこそありがとうございました。お礼はお気持ちだけで充分ですわ。いつも、騎士団長様には、授業でお世話になっていますし、そのご友人の方のお役に立てたということが、何より嬉しいですので。」

「いや!そうもいかない。今まで色々な治療をして治らなかったのに、あんな一瞬で治してくれたんだ。友人はとても喜んでいて、直接、お礼をしたいと言っているんだ。」

「今までも、治癒魔法で色々な人を診てきたのですが、誰からも特別にお礼は頂いて来ませんでしたので、騎士団長様のご友人の方からも、頂くことは出来ませんわ。お気持ちだけで充分なのです。」

「でも、あいつは、どうしてもお礼をしたいと言っていた。」

 しつこい!でも公爵と知った以上は、関わりたくないから、こっちも引けないのよ!あっ、あれでいく?

「でしたら、治癒魔法をもっと練習したいので、王都騎士団の騎士様の怪我の治療に行きたいのですが。よろしいでしょうか?」

「それは、ありがたい事だが、君のお礼になってないぞ。」

「いえ、私は治癒魔法を練習する場を与えて貰えるのですから。私こそ、有り難いことですわ。」

 ということで、後日、王都騎士団に行く事になった。私1人では行きにくいので、剣術の授業で一緒の令嬢6人で行くことになる。みんな乗り気みたいで良かった。






 

あなたにおすすめの小説

【完結】勘当されたい悪役は自由に生きる

雨野
恋愛
 難病に罹り、15歳で人生を終えた私。  だが気がつくと、生前読んだ漫画の貴族で悪役に転生していた!?タイトルは忘れてしまったし、ラストまで読むことは出来なかったけど…確かこのキャラは、家を勘当され追放されたんじゃなかったっけ?  でも…手足は自由に動くし、ご飯は美味しく食べられる。すうっと深呼吸することだって出来る!!追放ったって殺される訳でもなし、貴族じゃなくなっても問題ないよね?むしろ私、庶民の生活のほうが大歓迎!!  ただ…私が転生したこのキャラ、セレスタン・ラサーニュ。悪役令息、男だったよね?どこからどう見ても女の身体なんですが。上に無いはずのモノがあり、下にあるはずのアレが無いんですが!?どうなってんのよ!!?  1話目はシリアスな感じですが、最終的にはほのぼの目指します。  ずっと病弱だったが故に、目に映る全てのものが輝いて見えるセレスタン。自分が変われば世界も変わる、私は…自由だ!!!  主人公は最初のうちは卑屈だったりしますが、次第に前向きに成長します。それまで見守っていただければと!  愛され主人公のつもりですが、逆ハーレムはありません。逆ハー風味はある。男装主人公なので、側から見るとBLカップルです。  予告なく痛々しい、残酷な描写あり。  サブタイトルに◼️が付いている話はシリアスになりがち。  小説家になろうさんでも掲載しております。そっちのほうが先行公開中。後書きなんかで、ちょいちょいネタ挟んでます。よろしければご覧ください。  こちらでは僅かに加筆&話が増えてたりします。  本編完結。番外編を順次公開していきます。  最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

どうしてあなたが後悔するのですか?~私はあなたを覚えていませんから~

クロユキ
恋愛
公爵家の家系に生まれたジェシカは一人娘でもあり我が儘に育ちなんでも思い通りに成らないと気がすまない性格だがそんな彼女をイヤだと言う者は居なかった。彼氏を作るにも慎重に選び一人の男性に目を向けた。 同じ公爵家の男性グレスには婚約を約束をした伯爵家の娘シャーロットがいた。 ジェシカはグレスに強制にシャーロットと婚約破棄を言うがしっこいと追い返されてしまう毎日、それでも諦めないジェシカは貴族で集まった披露宴でもグレスに迫りベランダに出ていたグレスとシャーロットを見つけ寄り添う二人を引き離そうとグレスの手を握った時グレスは手を払い退けジェシカは体ごと手摺をすり抜け落下した… 誤字脱字がありますが気にしないと言っていただけたら幸いです…更新は不定期ですがよろしくお願いします。

笑い方を忘れた令嬢

Blue
恋愛
 お母様が天国へと旅立ってから10年の月日が流れた。大好きなお父様と二人で過ごす日々に突然終止符が打たれる。突然やって来た新しい家族。病で倒れてしまったお父様。私を嫌な目つきで見てくる伯父様。どうしたらいいの?誰か、助けて。

【完結】『運命』を『気のせい』と答えたら、婚姻となりまして

うり北 うりこ@ざまされ2巻発売中
恋愛
 ヴォレッカ・サミレットは、領地の危機をどうにかするために、三年ぶりに社交界へと婚姻相手を探しにやってきた。  第一にお金、次に人柄、後妻ではなく、できれば清潔感のある人と出会いたい。 そう思っていたのだが──。 「これは、運命だろうか……」 誰もが振り返るほどの美丈夫に、囁かれるという事態に。 「気のせいですね」 自身が平凡だと自覚があり、からかって遊ばれていると思って、そう答えたヴォレッカ。  だが、これがすべての始まりであった。 超絶平凡令嬢と、女性が苦手な美丈夫の織りなす、どこかかみ合わない婚姻ラブストーリー。 全43話+番外編です。

行動あるのみです!

恋愛
※一部タイトル修正しました。 シェリ・オーンジュ公爵令嬢は、長年の婚約者レーヴが想いを寄せる名高い【聖女】と結ばれる為に身を引く決意をする。 自身の我儘のせいで好きでもない相手と婚約させられていたレーヴの為と思った行動。 これが実は勘違いだと、シェリは知らない。

氷の宰相補佐と押しつけられた厄災の花嫁

瑞原唯子
恋愛
王命により、アイザックはまだ十歳の少女を妻として娶ることになった。 彼女は生後まもなく始末されたはずの『厄災の姫』である。最近になって生存が判明したが、いまさら王家に迎え入れることも始末することもできない——悩んだ末、国王は序列一位のシェフィールド公爵家に押しつけたのだ。

【本編完結】初恋のその先で、私は母になる

妄夢【ピッコマノベルズ連載中】
恋愛
第19回恋愛小説大賞にて、奨励賞を受賞いたしました。読者の皆様のおかげです!本当ありがとうございます。 王宮で12年働き、気づけば28歳。 恋も結婚も遠いものだと思っていたオリビアの人生は、憧れの年下公爵と一夜を共にしたことで大きく動き出す。 優しく守ろうとする彼。 けれどオリビアは、誰かに選ばれるだけの人生を終わらせたいと思っていた。 揺れる想いの中で、彼女が選んだのは―― 自分の足で立ち、自分の未来を選ぶこと。 これは、一人の女性が恋を通して自分を取り戻し、母として、そして一人の人間として強くなっていく物語。 ※表紙画像はAI生成イラストをつかっています。

一途な皇帝は心を閉ざした令嬢を望む

浅海 景
恋愛
幼い頃からの婚約者であった王太子より婚約解消を告げられたシャーロット。傷心の最中に心無い言葉を聞き、信じていたものが全て偽りだったと思い込み、絶望のあまり心を閉ざしてしまう。そんな中、帝国から皇帝との縁談がもたらされ、侯爵令嬢としての責任を果たすべく承諾する。 「もう誰も信じない。私はただ責務を果たすだけ」 一方、皇帝はシャーロットを愛していると告げると、言葉通りに溺愛してきてシャーロットの心を揺らす。 傷つくことに怯えて心を閉ざす令嬢と一途に想い続ける青年皇帝の物語