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ヒロインがやって来た
転校生と従兄妹と私
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転校生のことを忘れつつあった、ある日の朝。フィル兄様の出勤の時間が登校時間と一緒なので、学園まで一緒の馬車で行った時のことだった。
「マリー、今日も頑張ってね。具合が悪くなったら、すぐにアルベルトに言うんだよ。」
甘い笑顔で、私の頭を撫でるフィル兄様。朝からすごいわね。
「アルベルト、マリーを頼むよ。」
「分かっています。今日もうちのマリーを送ってもらって、ありが…」
「きゃー!もしかして、フィル様?すごいイケメン!」
この声は!なんと、ピンクがそこにいた!
フィル兄様をイケメンって言ったわね。間違いないわ。転生者だ。何だか気分が悪くなりそうだが、気をしっかり持たなければ。ハァー。
「アルベルト、誰だ?」
「今、うちの学園で1番有名な男爵令嬢です。フォーレス侯爵家やムーア侯爵家などだけでなく、ファーエル公爵家からも、抗議するくらい酷い女です。ずっと謹慎していたのですが、今日からまた登校するようですね。…マリー、大丈夫か?また顔色が悪いな。」
「お兄様、大丈夫ですわ。」
「えっ?お兄様って?あれっ?スチルで見たことのある美少女だ。フィル様の亡くなった姉の、…アンネマリーだよね?えぇー、何で生きてるの?あれ?でもフィル様より年下?妹なの?うそっ!」
私の顔をじっと見てスチルとか言ってるわ。今まで、彼女が近くに来た時は、下を向いていたから、まともに顔を見られるのは、初めてだったのね。ていうか、声がデカすぎよ。
ん?…あれっ?すごい殺気が!えー!!あの人前では優しいフィル兄様が凄い怒っている。あれ?隣からも、鳥肌が立つくらいの冷気が。義兄も、わかりやすく怒っているわね。ヤバいわね。
「アルベルト、これはスペンサー家も抗議を考えた方がいいようだ。」
「ええ、そのようですね。」
「あのっ。フィル様、気分を害したらごめんなさぁい。そちらは、妹さん?良かったらぁ、私と仲良くしてくれない?」
「ははっ!ここまで酷いとは。大切な姉上を呼び捨てにした挙句、男爵令嬢ごときが、私のマリーに図々しく、友人になろうなどと言うとはな!礼義知らずのお前などと、誰が仲良く出来るか!アルベルト、マリーを頼んだぞ。」
「…私のマリー??…はっ!マリー、行くぞ。」
フィル兄様は馬車で去って行き、私も義兄に手を引かれその場を去ったのであった。
ピンクは、今日もAクラスの近くをウロつき、Aクラスのメンバーから冷たい視線で見られている。しかし、そんなことは気にしないらしい。ずっと休みだったのだから、勉強だって大変なはずなのに、あんなフラフラしていていいのかしら。
休み時間、教室移動で廊下を腹黒達と歩いている時だった。
「ねぇ、アンネマリーさん?朝はごめん。フィル様も怒っていたから、あなたから、謝っておいてくれない?私、フィル様と仲良くなりたいの!お願い!」
ピンクは、私達が教室の外に来るのを待っていたようだ。義兄達が近くにいないタイミングも狙ったわね。
義兄や、生徒会長達の前と口調が違い過ぎるピンク。私の名前も間違えてるし、ここまで非常識の人を、相手にしない方がいいよね。他のクラスの生徒達も、ギョッとしてピンクを見ている。男爵令嬢が侯爵令嬢の私に取る態度ではないから、ここで下手に出るのは、良くないわね。腹黒達も首を振る。私達は、ピンクを完全に無視することにした。
「ちょっと!アンネマリーさん、本当に許してよー!」
廊下に響くほどの声で、叫んでいるが知らない。この子は、ヒロインなのかな?やたら仲良くしたがっている、義兄や生徒会長、フィル兄様は攻略対象なのかもね。やはり予想通りだわね。みんな、高位の貴族令息でかっこいいもん。すると、悪役令嬢は誰なのかしら?私にああやって来ると言うことは、私ではない別の人がいるってこと?わざわざ、悪役令嬢にあんな風に来ないよね。まともそうな子なら、ぜひ友人になって、転生者同士仲良くしたかったが…、あの子は無理そうね。乙女ゲームの話も分からないから聞きたかったけど、それも諦めよう。とにかく、何がどうなるか分からないから、気をつけないと。
私が今できることは、もしもの時にすぐに逃げられるように、最低限の荷物をまとめて隠しておく?お金は、ギルドにいくら貯まっていたっけ?手持ちのお金も用意しておこうか。高額な魔石もまとめておこう。平民が着るような、ワンピースもあった方がいいよね。今度アリーに頼んで、買い物に連れてってもらおう。こんな時は、アリーが1番だからね。あとは、逃げる経路を幾つかピックアップしておこうか。地図が必要ね。乗り合い馬車も調べておくか!お父様のくれた軍馬ちゃんは、見るからに立派で目立つからね。国境を越えるには、どうすればいいのかな?移民が暮らしやすい国はどこだろう?エリーゼあたりは詳しそうね。聞いてみるか。地図は、王宮の図書館で調べよう。学園の図書館だとピンクが出没するかもしれないから、危険だろうし。ということで、私は隠れて逃亡用の準備をする事にした。
これが後で大きな誤解を生む事になるとは知らずに。
学園がお休みの前日、明日はアリーと買い物に出かけたいので、今日は義兄と一緒にフォーレス侯爵家に帰る予定になっている。放課後になり、義兄と一緒に馬車まで歩いていると、
「えっ?2人ってそういう関係だったの?アンネマリーとアル様が恋人同士だから、私とのイベントが起きなかったの?」
ピンクは未だに、私の名前を知らないのね。教えてくれる友人もいないのか。しかも、こうやって手を繋いでいるから勘違いしたようだ。でも喋りたくないし。しかし、義兄はすでにキレていた。
「またお前か?付き纏いは、謹慎だったはずだが。それと、私の大切な義妹に何かしたら、学園を去ってもらう。この子に絶対に近づくな!分かったな?」
義兄からの殺気が怖いわね。ピンクは、「ひっ!」と声を上げて、走って去っていった。
次の週、学園で噂が立ち始める。ミラー伯爵令嬢がウッド男爵令嬢を虐めていると。
ミラー伯爵令嬢、久しぶりだわね。しかし、彼女はBクラスで、Eクラスの彼女とは接点は無いはずなのに、そんな事ってあるの?あんな変な子、話が通じなくて面倒だから、誰も関わりたくないし、公爵家や侯爵家、伯爵家に睨まれている令嬢なんかと、友人だなんて思われたくなくて、みんなスルーしているのに。ミラー伯爵令嬢も、最近は悪い話は聞いてないから、余計に疑問だわ。すると、ユーリアが、面白そうだから、あのピンクを影に探らせてみようと言い出した。確かにピンクは、気になるわね。ユーリアも好奇心の塊だからなぁ。
ある日の、昼食時間のレストランで奴はまたトラブルを起こす。
「きゃー!痛い!どうしてこんなことするのですかぁ。酷いわぁ。うっ、うっ。」
ピンクが転んで、泣いている?泣き真似?すぐ側には、ミラー伯爵令嬢がいた。
ミラー伯爵令嬢は、えっ?て表情だ。
「私をいじめて楽しいですかぁ?」
「何のことかしら?貴女のことなんて知らないし、伯爵令嬢の私に、その態度はおかしいのではなくて?」
無意識にミラー伯爵令嬢を心で応援してしまっていた。ピンクは、いつになったらマナーが身につくのだろうか?
「身分で差別するなんて。男爵令嬢の私が、アル様に近づいたから嫉妬してるのですよねぇ。酷いわぁ。」
勝手に愛称で呼ばれ、勝手にピンクの話に登場させられる、義兄。彼も被害者ね。
しかし、今日はいつもと違う展開が待っていた。
「ミラー伯爵令嬢、見苦しいぞ。ウッド男爵令嬢に謝れ!」
「そうだ。どうせ、可愛いウッド男爵令嬢に嫉妬しているんだろう。」
何だ?あのモブっぽい令息は?ピンクに味方現れるってか?まあ、顔は可愛いのは認めるけど。
私達、腹黒メンバーだけでなく、義兄やその友人達とAクラスのみんなは、その異様な雰囲気に疑問を感じた。これは、色々と調べることが多そうね。ユーリアの目が輝いているわ。
結局、その場は生徒会長がピンクを睨みつけて終了した。また騒ぎを起こしたら、謹慎処分と生徒会長から言われていた。ピンクも、前回の謹慎1か月が堪えているようで、何も言えないようだった。
「マリー、今日も頑張ってね。具合が悪くなったら、すぐにアルベルトに言うんだよ。」
甘い笑顔で、私の頭を撫でるフィル兄様。朝からすごいわね。
「アルベルト、マリーを頼むよ。」
「分かっています。今日もうちのマリーを送ってもらって、ありが…」
「きゃー!もしかして、フィル様?すごいイケメン!」
この声は!なんと、ピンクがそこにいた!
フィル兄様をイケメンって言ったわね。間違いないわ。転生者だ。何だか気分が悪くなりそうだが、気をしっかり持たなければ。ハァー。
「アルベルト、誰だ?」
「今、うちの学園で1番有名な男爵令嬢です。フォーレス侯爵家やムーア侯爵家などだけでなく、ファーエル公爵家からも、抗議するくらい酷い女です。ずっと謹慎していたのですが、今日からまた登校するようですね。…マリー、大丈夫か?また顔色が悪いな。」
「お兄様、大丈夫ですわ。」
「えっ?お兄様って?あれっ?スチルで見たことのある美少女だ。フィル様の亡くなった姉の、…アンネマリーだよね?えぇー、何で生きてるの?あれ?でもフィル様より年下?妹なの?うそっ!」
私の顔をじっと見てスチルとか言ってるわ。今まで、彼女が近くに来た時は、下を向いていたから、まともに顔を見られるのは、初めてだったのね。ていうか、声がデカすぎよ。
ん?…あれっ?すごい殺気が!えー!!あの人前では優しいフィル兄様が凄い怒っている。あれ?隣からも、鳥肌が立つくらいの冷気が。義兄も、わかりやすく怒っているわね。ヤバいわね。
「アルベルト、これはスペンサー家も抗議を考えた方がいいようだ。」
「ええ、そのようですね。」
「あのっ。フィル様、気分を害したらごめんなさぁい。そちらは、妹さん?良かったらぁ、私と仲良くしてくれない?」
「ははっ!ここまで酷いとは。大切な姉上を呼び捨てにした挙句、男爵令嬢ごときが、私のマリーに図々しく、友人になろうなどと言うとはな!礼義知らずのお前などと、誰が仲良く出来るか!アルベルト、マリーを頼んだぞ。」
「…私のマリー??…はっ!マリー、行くぞ。」
フィル兄様は馬車で去って行き、私も義兄に手を引かれその場を去ったのであった。
ピンクは、今日もAクラスの近くをウロつき、Aクラスのメンバーから冷たい視線で見られている。しかし、そんなことは気にしないらしい。ずっと休みだったのだから、勉強だって大変なはずなのに、あんなフラフラしていていいのかしら。
休み時間、教室移動で廊下を腹黒達と歩いている時だった。
「ねぇ、アンネマリーさん?朝はごめん。フィル様も怒っていたから、あなたから、謝っておいてくれない?私、フィル様と仲良くなりたいの!お願い!」
ピンクは、私達が教室の外に来るのを待っていたようだ。義兄達が近くにいないタイミングも狙ったわね。
義兄や、生徒会長達の前と口調が違い過ぎるピンク。私の名前も間違えてるし、ここまで非常識の人を、相手にしない方がいいよね。他のクラスの生徒達も、ギョッとしてピンクを見ている。男爵令嬢が侯爵令嬢の私に取る態度ではないから、ここで下手に出るのは、良くないわね。腹黒達も首を振る。私達は、ピンクを完全に無視することにした。
「ちょっと!アンネマリーさん、本当に許してよー!」
廊下に響くほどの声で、叫んでいるが知らない。この子は、ヒロインなのかな?やたら仲良くしたがっている、義兄や生徒会長、フィル兄様は攻略対象なのかもね。やはり予想通りだわね。みんな、高位の貴族令息でかっこいいもん。すると、悪役令嬢は誰なのかしら?私にああやって来ると言うことは、私ではない別の人がいるってこと?わざわざ、悪役令嬢にあんな風に来ないよね。まともそうな子なら、ぜひ友人になって、転生者同士仲良くしたかったが…、あの子は無理そうね。乙女ゲームの話も分からないから聞きたかったけど、それも諦めよう。とにかく、何がどうなるか分からないから、気をつけないと。
私が今できることは、もしもの時にすぐに逃げられるように、最低限の荷物をまとめて隠しておく?お金は、ギルドにいくら貯まっていたっけ?手持ちのお金も用意しておこうか。高額な魔石もまとめておこう。平民が着るような、ワンピースもあった方がいいよね。今度アリーに頼んで、買い物に連れてってもらおう。こんな時は、アリーが1番だからね。あとは、逃げる経路を幾つかピックアップしておこうか。地図が必要ね。乗り合い馬車も調べておくか!お父様のくれた軍馬ちゃんは、見るからに立派で目立つからね。国境を越えるには、どうすればいいのかな?移民が暮らしやすい国はどこだろう?エリーゼあたりは詳しそうね。聞いてみるか。地図は、王宮の図書館で調べよう。学園の図書館だとピンクが出没するかもしれないから、危険だろうし。ということで、私は隠れて逃亡用の準備をする事にした。
これが後で大きな誤解を生む事になるとは知らずに。
学園がお休みの前日、明日はアリーと買い物に出かけたいので、今日は義兄と一緒にフォーレス侯爵家に帰る予定になっている。放課後になり、義兄と一緒に馬車まで歩いていると、
「えっ?2人ってそういう関係だったの?アンネマリーとアル様が恋人同士だから、私とのイベントが起きなかったの?」
ピンクは未だに、私の名前を知らないのね。教えてくれる友人もいないのか。しかも、こうやって手を繋いでいるから勘違いしたようだ。でも喋りたくないし。しかし、義兄はすでにキレていた。
「またお前か?付き纏いは、謹慎だったはずだが。それと、私の大切な義妹に何かしたら、学園を去ってもらう。この子に絶対に近づくな!分かったな?」
義兄からの殺気が怖いわね。ピンクは、「ひっ!」と声を上げて、走って去っていった。
次の週、学園で噂が立ち始める。ミラー伯爵令嬢がウッド男爵令嬢を虐めていると。
ミラー伯爵令嬢、久しぶりだわね。しかし、彼女はBクラスで、Eクラスの彼女とは接点は無いはずなのに、そんな事ってあるの?あんな変な子、話が通じなくて面倒だから、誰も関わりたくないし、公爵家や侯爵家、伯爵家に睨まれている令嬢なんかと、友人だなんて思われたくなくて、みんなスルーしているのに。ミラー伯爵令嬢も、最近は悪い話は聞いてないから、余計に疑問だわ。すると、ユーリアが、面白そうだから、あのピンクを影に探らせてみようと言い出した。確かにピンクは、気になるわね。ユーリアも好奇心の塊だからなぁ。
ある日の、昼食時間のレストランで奴はまたトラブルを起こす。
「きゃー!痛い!どうしてこんなことするのですかぁ。酷いわぁ。うっ、うっ。」
ピンクが転んで、泣いている?泣き真似?すぐ側には、ミラー伯爵令嬢がいた。
ミラー伯爵令嬢は、えっ?て表情だ。
「私をいじめて楽しいですかぁ?」
「何のことかしら?貴女のことなんて知らないし、伯爵令嬢の私に、その態度はおかしいのではなくて?」
無意識にミラー伯爵令嬢を心で応援してしまっていた。ピンクは、いつになったらマナーが身につくのだろうか?
「身分で差別するなんて。男爵令嬢の私が、アル様に近づいたから嫉妬してるのですよねぇ。酷いわぁ。」
勝手に愛称で呼ばれ、勝手にピンクの話に登場させられる、義兄。彼も被害者ね。
しかし、今日はいつもと違う展開が待っていた。
「ミラー伯爵令嬢、見苦しいぞ。ウッド男爵令嬢に謝れ!」
「そうだ。どうせ、可愛いウッド男爵令嬢に嫉妬しているんだろう。」
何だ?あのモブっぽい令息は?ピンクに味方現れるってか?まあ、顔は可愛いのは認めるけど。
私達、腹黒メンバーだけでなく、義兄やその友人達とAクラスのみんなは、その異様な雰囲気に疑問を感じた。これは、色々と調べることが多そうね。ユーリアの目が輝いているわ。
結局、その場は生徒会長がピンクを睨みつけて終了した。また騒ぎを起こしたら、謹慎処分と生徒会長から言われていた。ピンクも、前回の謹慎1か月が堪えているようで、何も言えないようだった。
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