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南国へ国外逃亡できたよ
伯爵家の養女になります
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南国に来て、美味しいフルーツや野菜を食べているうちに、すっかり元気になった私。
更にオスカー様が、私がお願いしていた、監禁や暴力をしない、殺さない、別に好きな人ができたら私に教えるという内容で契約魔法を使って約束してくれた。それも元気になれた理由の1つでもあると思う。まだよく分からない人だけど、とにかく私に甘い。そして優しくて、面倒見の良い人だと思う。人攫いではあるが、悪役令嬢から救ってくれた人でもあるからね。
今更だけど、私が王弟の娘であるフォーレス侯爵令嬢というのは、絶対にバレないように気をつけるよう言われている。バレたら悪役令嬢やヤンデレ達がいる国に戻されるからね。それは私も望んでいないのだ。ただ、体が元気になって心に余裕が出来たからだろうか?両親や腹黒達を思い出して、寂しくなってしまう時がある。別れも告げることが出来なかったからね。
お母様は泣いてないかな?お父様は仕事は大丈夫かしら?ヤンデレ疑惑の義兄も元気にしてるかな?
「リア?涙が流れてる。」
「あっ、申し訳ありません。ふと家族を思い出してしまって。」
「リア、こっちにおいで。」
オスカー様は、私が寂しくないように、こんな時は優しく抱きしめてくれるのだ。そのまま、いやらしいことをしてくる時もあるが。人攫いだけど、結局は頼る人はこの人しかいないのだ。オスカー様はもしかして、私がオスカー様に依存するように、甘やかしたりしてる?
「早くリアと結婚したい。子供も何人か欲しいし。賑やかになれば、寂しさは紛れると思うんだよね。そしたら、リアに似た女の子が欲しいな。リアに似た女の子だと、父親の私は虫除けで忙しくなるかな?今から楽しみだ。…リア、愛してるよ。笑っているリアも、涙を流すリアも、愛しくて仕方がないんだ。ずっと私の側にいて。」
この人は私の何が好きで、こんなに甘いのだろうか?拐われる前に、そこまでの関わりは無かったと思うけど。少し重い気がする。そして、甘い言葉を囁き、気付くと押し倒されている事が多いんだよね。
南国は、わりと異性関係や性に関しては大らかなのかもしれない。まだオスカー様の伯母様の侯爵家に住んでいるが、2人きりで部屋にこもっていても、何も言われないし、伯母様は仲がいいのは良いことよってよく言っている。使用人達も、2人でいる時は気を利かせて、あまり部屋には近付いてこないようだ。そんな感じだからか、オスカー様は遠慮なく私にベタベタだ。
まさか、あの時の近衛騎士とこんな関係になるとはね。フィル兄様が知ったら、決闘を申し込んで来そうだわ。というか、裏切り者の私を殺そうとするのかしら?どちらにしても、もうあの国には帰れないだろう。命の危険があるからね。
体調が良くなったからということで、養女になる伯爵家に行くことになった。婚約までは別に住んだ方がいいらしい。まぁ、そうだよね。オスカー様は、時間がある時は会いに行くよと言っていた。この国に来てからは、ちょっとした保護者にもなっていたから、少し寂しい。あっ!ヤバいわ!人攫いオスカー様にそんな感情を抱くなんて。
しかし、オスカー様の伯母様が凄かった。
「マリア、約束して欲しいの。週末は必ず遊びに来てちょうだい。もう貴女は私の大切な娘なのだからね。本当は一緒に住みたいのだけど…。まだ婚約出来ないのが、本当につらいわ。オスカー!マリアは可愛いから、ちゃんと捕まえておかないと大変よ。学園でも、煩い虫が沢山寄って来るわ。もう心配でしょうがないのよ。」
伯母様とは、一緒に刺繍をしたり、お菓子作りをしたりして、仲良くなったとは思う。南国のマナーやダンスなんかも、伯母様が丁寧に指導してくれた。娘がいなかったから、こんな風に過ごすのが嬉しいとは言っていた。そして、伯爵家に行くのに、沢山のドレスなども持たせてくれる。可愛がってもらえているとは思っていたが、ここまで思ってくれていたとは。恐らく、自分の旦那様や子供が先に亡くなって、寂しかったのだろうね。ただ、この先どうなるのか分からないから、情が湧くようなことを言われると心が痛むのよ。
「伯母上、心配し過ぎですよ。リアを信じてあげてください。私も、本当は離したくないのを我慢しているのですから。リア、沢山会いに行くからね。リアも遊びに来てね。ああ、早く結婚したい…。愛してるよ、リア。」
オスカー様は、私を抱きしめて額にキスをする。今日も甘いなぁ。伯母様やメイド達は、ニコニコして見ているので、恥ずかしい。
オスカー様と伯母様に付き添われて、伯爵家に引っ越す私。伯母様の邸と同様に立派な邸だった。伯爵家の中でも、特に金持ちって感じがする。この伯爵家は、伯母様の従姉妹の家らしい。
邸に着くと、伯母様の従姉妹の伯爵夫人と伯爵様が迎えてくれた。2人とも、やはり美形だ。癒し系美人の夫人は、なんとなく伯母様ににているような気がする。伯母様に紹介されて、挨拶をすると2人とも感じ良く返してくれた。大丈夫そうかな。伯母様と仲が良いらしく、3人で楽しそうに会話が弾んでいる。荷物を運び入れ、お茶を飲み終えて、伯母様とオスカー様は帰るようだ。
「コリンズ伯爵・夫人、マリアをどうぞよろしくお願いします。」
「大丈夫だ。娘として大切にするからね。」
オスカー様は、最後に伯爵夫妻に深くお辞儀をして私のことをお願いして帰って行った。
2人が帰った後に、夫人が私の担当のメイドを紹介してくれた。私より少し年上くらいの、穏やかそうなお姉さんだ。そして、この伯爵家にも息子がいるようで、近衛騎士団で騎士をしているらしい。はぁ、また近衛騎士?正直、近衛騎士にはうんざりしている私。でも、結婚する為に他国から来たことになっている私になんて、興味はないだろうし、あまり関わらないようにしよー。
息子さんはまだ帰って来てないらしく、夕食時に紹介してくれるらしい。
そして、夕食の時間になりダイニングに案内される私。部屋に入ると知的な雰囲気のイケメンがいた。彼が息子さんか。綺麗な黒髪で美形の両親のいいとこ取りな感じ。この方も、フィル兄様みたいにモテそうね。モテる男と関わると碌なことがないから、必要以上に関わらないように気をつけよう。
「マリア、紹介するわね。息子のサミュエルよ。23歳でマリアより年上だから、兄になるわね。」
「マリアです。どうぞよろしくお願い致します。」
丁寧にカーテシーで挨拶をしておく。
「……ああ。サミュエルだ。よろしく。」
一瞬、目を見開かれたような気もするが…、気にしてられないわ。寡黙な方なのかしら。モテすぎて、令嬢が嫌いになったとか?まあ、無理に話もしたくないからいいか。
「エルも驚いたみたいね。マリアはカーテシーがとても綺麗でしょ?しかも、この国の言葉も綺麗に話せるのよ。男爵家の出身だって思えないわね。外国語は他にも話せるの?」
「5カ国語勉強しました。」
ルーベンス先生だけでなく、聖女子学園でも鍛えられたからね。
「…まぁ、凄いわね。ちょっとした高位の貴族令嬢より優秀よ!あなた、自慢の娘ができて良かったわね。」
「本当にすごいな!あのオスカー殿が、わざわざ我が国に一緒に連れて来るだけある。貴族学園に入ってからが楽しみだな。我が国の学園は、わりと実力主義だから頑張りなさい。」
「はい。家名に傷をつけないように、努力したいと思います。」
「ふふっ!あの身内に厳しい姉様が、マリアを可愛がる理由が分かったわ。乾杯しましょうか。」
よく分からないが、ルーベンス先生やシスター達のおかげであることは確かだわね。離れてみて、ルーベンス先生の偉大さが痛いほど分かるわ。何だかまた寂しい気持ちになって来ちゃったわ。我慢しないと。
伯爵様と夫人が色々と楽しく話しかけてくれたので、良い雰囲気のディナーになった。この家でも何とかやっていけるだろうと感じた私だ。
更にオスカー様が、私がお願いしていた、監禁や暴力をしない、殺さない、別に好きな人ができたら私に教えるという内容で契約魔法を使って約束してくれた。それも元気になれた理由の1つでもあると思う。まだよく分からない人だけど、とにかく私に甘い。そして優しくて、面倒見の良い人だと思う。人攫いではあるが、悪役令嬢から救ってくれた人でもあるからね。
今更だけど、私が王弟の娘であるフォーレス侯爵令嬢というのは、絶対にバレないように気をつけるよう言われている。バレたら悪役令嬢やヤンデレ達がいる国に戻されるからね。それは私も望んでいないのだ。ただ、体が元気になって心に余裕が出来たからだろうか?両親や腹黒達を思い出して、寂しくなってしまう時がある。別れも告げることが出来なかったからね。
お母様は泣いてないかな?お父様は仕事は大丈夫かしら?ヤンデレ疑惑の義兄も元気にしてるかな?
「リア?涙が流れてる。」
「あっ、申し訳ありません。ふと家族を思い出してしまって。」
「リア、こっちにおいで。」
オスカー様は、私が寂しくないように、こんな時は優しく抱きしめてくれるのだ。そのまま、いやらしいことをしてくる時もあるが。人攫いだけど、結局は頼る人はこの人しかいないのだ。オスカー様はもしかして、私がオスカー様に依存するように、甘やかしたりしてる?
「早くリアと結婚したい。子供も何人か欲しいし。賑やかになれば、寂しさは紛れると思うんだよね。そしたら、リアに似た女の子が欲しいな。リアに似た女の子だと、父親の私は虫除けで忙しくなるかな?今から楽しみだ。…リア、愛してるよ。笑っているリアも、涙を流すリアも、愛しくて仕方がないんだ。ずっと私の側にいて。」
この人は私の何が好きで、こんなに甘いのだろうか?拐われる前に、そこまでの関わりは無かったと思うけど。少し重い気がする。そして、甘い言葉を囁き、気付くと押し倒されている事が多いんだよね。
南国は、わりと異性関係や性に関しては大らかなのかもしれない。まだオスカー様の伯母様の侯爵家に住んでいるが、2人きりで部屋にこもっていても、何も言われないし、伯母様は仲がいいのは良いことよってよく言っている。使用人達も、2人でいる時は気を利かせて、あまり部屋には近付いてこないようだ。そんな感じだからか、オスカー様は遠慮なく私にベタベタだ。
まさか、あの時の近衛騎士とこんな関係になるとはね。フィル兄様が知ったら、決闘を申し込んで来そうだわ。というか、裏切り者の私を殺そうとするのかしら?どちらにしても、もうあの国には帰れないだろう。命の危険があるからね。
体調が良くなったからということで、養女になる伯爵家に行くことになった。婚約までは別に住んだ方がいいらしい。まぁ、そうだよね。オスカー様は、時間がある時は会いに行くよと言っていた。この国に来てからは、ちょっとした保護者にもなっていたから、少し寂しい。あっ!ヤバいわ!人攫いオスカー様にそんな感情を抱くなんて。
しかし、オスカー様の伯母様が凄かった。
「マリア、約束して欲しいの。週末は必ず遊びに来てちょうだい。もう貴女は私の大切な娘なのだからね。本当は一緒に住みたいのだけど…。まだ婚約出来ないのが、本当につらいわ。オスカー!マリアは可愛いから、ちゃんと捕まえておかないと大変よ。学園でも、煩い虫が沢山寄って来るわ。もう心配でしょうがないのよ。」
伯母様とは、一緒に刺繍をしたり、お菓子作りをしたりして、仲良くなったとは思う。南国のマナーやダンスなんかも、伯母様が丁寧に指導してくれた。娘がいなかったから、こんな風に過ごすのが嬉しいとは言っていた。そして、伯爵家に行くのに、沢山のドレスなども持たせてくれる。可愛がってもらえているとは思っていたが、ここまで思ってくれていたとは。恐らく、自分の旦那様や子供が先に亡くなって、寂しかったのだろうね。ただ、この先どうなるのか分からないから、情が湧くようなことを言われると心が痛むのよ。
「伯母上、心配し過ぎですよ。リアを信じてあげてください。私も、本当は離したくないのを我慢しているのですから。リア、沢山会いに行くからね。リアも遊びに来てね。ああ、早く結婚したい…。愛してるよ、リア。」
オスカー様は、私を抱きしめて額にキスをする。今日も甘いなぁ。伯母様やメイド達は、ニコニコして見ているので、恥ずかしい。
オスカー様と伯母様に付き添われて、伯爵家に引っ越す私。伯母様の邸と同様に立派な邸だった。伯爵家の中でも、特に金持ちって感じがする。この伯爵家は、伯母様の従姉妹の家らしい。
邸に着くと、伯母様の従姉妹の伯爵夫人と伯爵様が迎えてくれた。2人とも、やはり美形だ。癒し系美人の夫人は、なんとなく伯母様ににているような気がする。伯母様に紹介されて、挨拶をすると2人とも感じ良く返してくれた。大丈夫そうかな。伯母様と仲が良いらしく、3人で楽しそうに会話が弾んでいる。荷物を運び入れ、お茶を飲み終えて、伯母様とオスカー様は帰るようだ。
「コリンズ伯爵・夫人、マリアをどうぞよろしくお願いします。」
「大丈夫だ。娘として大切にするからね。」
オスカー様は、最後に伯爵夫妻に深くお辞儀をして私のことをお願いして帰って行った。
2人が帰った後に、夫人が私の担当のメイドを紹介してくれた。私より少し年上くらいの、穏やかそうなお姉さんだ。そして、この伯爵家にも息子がいるようで、近衛騎士団で騎士をしているらしい。はぁ、また近衛騎士?正直、近衛騎士にはうんざりしている私。でも、結婚する為に他国から来たことになっている私になんて、興味はないだろうし、あまり関わらないようにしよー。
息子さんはまだ帰って来てないらしく、夕食時に紹介してくれるらしい。
そして、夕食の時間になりダイニングに案内される私。部屋に入ると知的な雰囲気のイケメンがいた。彼が息子さんか。綺麗な黒髪で美形の両親のいいとこ取りな感じ。この方も、フィル兄様みたいにモテそうね。モテる男と関わると碌なことがないから、必要以上に関わらないように気をつけよう。
「マリア、紹介するわね。息子のサミュエルよ。23歳でマリアより年上だから、兄になるわね。」
「マリアです。どうぞよろしくお願い致します。」
丁寧にカーテシーで挨拶をしておく。
「……ああ。サミュエルだ。よろしく。」
一瞬、目を見開かれたような気もするが…、気にしてられないわ。寡黙な方なのかしら。モテすぎて、令嬢が嫌いになったとか?まあ、無理に話もしたくないからいいか。
「エルも驚いたみたいね。マリアはカーテシーがとても綺麗でしょ?しかも、この国の言葉も綺麗に話せるのよ。男爵家の出身だって思えないわね。外国語は他にも話せるの?」
「5カ国語勉強しました。」
ルーベンス先生だけでなく、聖女子学園でも鍛えられたからね。
「…まぁ、凄いわね。ちょっとした高位の貴族令嬢より優秀よ!あなた、自慢の娘ができて良かったわね。」
「本当にすごいな!あのオスカー殿が、わざわざ我が国に一緒に連れて来るだけある。貴族学園に入ってからが楽しみだな。我が国の学園は、わりと実力主義だから頑張りなさい。」
「はい。家名に傷をつけないように、努力したいと思います。」
「ふふっ!あの身内に厳しい姉様が、マリアを可愛がる理由が分かったわ。乾杯しましょうか。」
よく分からないが、ルーベンス先生やシスター達のおかげであることは確かだわね。離れてみて、ルーベンス先生の偉大さが痛いほど分かるわ。何だかまた寂しい気持ちになって来ちゃったわ。我慢しないと。
伯爵様と夫人が色々と楽しく話しかけてくれたので、良い雰囲気のディナーになった。この家でも何とかやっていけるだろうと感じた私だ。
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