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南国へ国外逃亡できたよ
その頃王都では シールド公爵 2
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シナー公爵令嬢に、自白剤を飲ませてフォーレス公爵令嬢の行方を知らないか尋ねる。シナー公爵令嬢は、自白剤を飲まされたことを知り、顔色を悪くしながらも話し始めた。
「フォーレス公爵令嬢の行方なんか、私は知らないわよ。あの女が憎いから、夜会に来た時に媚薬でも飲ませて、適当な令息に襲わせて、スペンサー卿にその現場を見せてあげようかと思ったんだけど。王族のあの女を襲ったのがバレたら、処刑されるかも知れないとか言われて、どの令息も断ってきて出来なかったのよ。何より、あの女の周りには必ず高位の令息が付いているから、難しいってみんな言うし。ははっ!でも、それよりも楽しいことを見つけたの。あの女、全然幸せそうじゃないのよ。スペンサー卿はかなり本気で愛しているのが分かるのに、あの女は彼に怯えてたわ。スペンサー卿と何かあったのかと思うくらいね。あの女が、不幸そうにしている顔を見るのも面白いと思って、手を出すのは止めようと思っていたのよ。だけど、私のメイドと従者が変な気を利かせて、破落戸を雇ってあの女を襲うように手配したっていうのよ。すぐに止めるように言ったのに、メイドがもう破落戸と従者は動いているから、無理だって言うの。破落戸があの女を襲ったあとに、従者が破落戸を殺して口封じするようになっているから、バレないから大丈夫ですって言われて。でも、あの女は憎いけど、悪い子じゃないのは分かっているから、そこまでしなくていいと言ったのに。」
自白剤を飲まされると、勝手にペラペラと本音を喋り出してしまい、止まらなくなってしまう。
シナー公爵令嬢も自分で絶対に話しては行けないことだと分かっているのに、口が止まらなくて困惑しているようだ。絶望した表情で涙が流れている。
「メイドが、今更何を言うのですかって言うの。今までも、私に汚いことを散々やらせたくせにって。お嬢様が、もし今回のことを私が勝手にやったことだと、みんなに話すならどうぞって。そのかわり私も、お嬢様が今まで何をして来たのかをバラしますって言うの。今私を口封じで殺しても、お嬢様のやってきた犯罪を、細かく記録した文書にして、ある方に預けてますなんて言うの!私が死んだり、行方が分からなくなったら、その文章を公表するように依頼してますから、私を殺したいなら今すぐどうぞ、ですって!この私がメイドに脅されるなんて、笑うしかないわよね。」
聞いているだけで、こっちがおかしくなりそうだ。しかし、シナー公爵令嬢の口は止まらない。
「でも、なぜなのか破落戸を監視していたはずの従者が戻って来ないのよ!他の従者に探すように頼んだら、破落戸が数人死んでいたのは発見したみたいなんだけど、従者もあの女の姿もなかったみたい。元暗殺者の従者だから、手練れのはずなのに。従者が裏切ってあの女を連れてどこかに逃げたのか、2人とも何かあって殺されたのかは、私にも分からないわよ!」
殿下やマディソン達も、我慢して聞いているようだが殺気が漂っている。
「ははっ。かわいそうにね。自分が望んで愛されているわけじゃないみたいだし、むしろ自分に寄ってくる高位の令息達をどこか避けようとしているところがあったわよね、あのお姫様は!シールド公爵様だって、あのお姫様をずっと目で追うくらい好きだったでしょ。他の令息達が言ってたわ。フォーレス侯爵令嬢に近づいたら、シールド公爵閣下の殺気で殺されそうだから、迂闊に手を出せないですって!でも、あの女は公爵様が行くといつも顔色を悪くしていましたよね?公爵様はあの女に何かしたのですか?ふふっ!報われない恋は本当につらいですわね、公爵様!」
この女、本気で殺してやろうか!無意識に剣に手が伸びそうになるが、マディソンに腕を掴まれ、はっとする自分がいる。
しかし、ここまでのことをしていたとは。冷静なはずの殿下と妃殿下、マディソンまでが恐ろしい表情をしている。そして、私も理性を失いそうな程の怒りを抑えるのに苦労した。
「シナー公爵と、令嬢の専属メイドと従者を今すぐに呼べ!逃げられないように、近衛騎士が迎えに行ってこい!それと、フォーレス侯爵もだ。スペンサー卿にも、急用だと言って、すぐに遠征から戻るように連絡しろ!」
殿下が近くにいる近衛騎士に指示をだす。
しばらくして、シナー公爵と令嬢の専属メイド、従者が近衛騎士に連れられてやって来た。シナー公爵は、拘束されている妹である令嬢を虫けらを見るような目で見ている。専属メイドは、諦めたような表情だ。
シナー公爵に許可を取り、専属メイドに自白剤を飲ませ、シナー公爵令嬢が今までしてきたことを喋らせる。すると、出るわ出るわ。スペンサー卿に近づこうとして、生意気な態度を取る令嬢に、下位の貴族令息や令嬢を使って、階段から突き落としたことや、媚薬や毒を飲ませたとか、令息を使って襲わせたとか、聞いていて具合が悪くなるような話ばかりであった。
そして、フォーレス侯爵令嬢を破落戸に襲わせる段取りを勝手にやった件について、更に気分が悪くなる話をする。
「お嬢様は媚薬でも盛って他の令息に襲わせ、そのままその令息と婚約でもしてくれればいいと言ってたのですけど。でも、どの令息も王家や宰相家、シールド公爵家やファーエル公爵家を敵に回しそうだから出来ないと断られたのです。だから、私が従者を通して破落戸を雇うことにしました。だって、フォーレス侯爵令嬢がいたら、お嬢様はスペンサー卿と結婚できませんから。」
こんな状況下にも関わらず、淡々と話すメイド。
「お嬢様がスペンサー卿と結婚したら、私もスペンサー家に一緒について行けると楽しみにしていたのです。そしたら、私もスペンサー卿のお側にいれますからね。学園の同級生だった頃からお慕いしていましたけど、貧乏な男爵家の三女の私が、あの方のお側にいる為にはお嬢様に頑張ってもらわないと。…ねぇ、お嬢様。いつになったらスペンサー卿と結婚出来るのでしょうか?私は貴女の為に、汚いことを沢山やって来たのです。だから、早く私の願いを叶えてくださいませ。」
「フォーレス公爵令嬢の行方なんか、私は知らないわよ。あの女が憎いから、夜会に来た時に媚薬でも飲ませて、適当な令息に襲わせて、スペンサー卿にその現場を見せてあげようかと思ったんだけど。王族のあの女を襲ったのがバレたら、処刑されるかも知れないとか言われて、どの令息も断ってきて出来なかったのよ。何より、あの女の周りには必ず高位の令息が付いているから、難しいってみんな言うし。ははっ!でも、それよりも楽しいことを見つけたの。あの女、全然幸せそうじゃないのよ。スペンサー卿はかなり本気で愛しているのが分かるのに、あの女は彼に怯えてたわ。スペンサー卿と何かあったのかと思うくらいね。あの女が、不幸そうにしている顔を見るのも面白いと思って、手を出すのは止めようと思っていたのよ。だけど、私のメイドと従者が変な気を利かせて、破落戸を雇ってあの女を襲うように手配したっていうのよ。すぐに止めるように言ったのに、メイドがもう破落戸と従者は動いているから、無理だって言うの。破落戸があの女を襲ったあとに、従者が破落戸を殺して口封じするようになっているから、バレないから大丈夫ですって言われて。でも、あの女は憎いけど、悪い子じゃないのは分かっているから、そこまでしなくていいと言ったのに。」
自白剤を飲まされると、勝手にペラペラと本音を喋り出してしまい、止まらなくなってしまう。
シナー公爵令嬢も自分で絶対に話しては行けないことだと分かっているのに、口が止まらなくて困惑しているようだ。絶望した表情で涙が流れている。
「メイドが、今更何を言うのですかって言うの。今までも、私に汚いことを散々やらせたくせにって。お嬢様が、もし今回のことを私が勝手にやったことだと、みんなに話すならどうぞって。そのかわり私も、お嬢様が今まで何をして来たのかをバラしますって言うの。今私を口封じで殺しても、お嬢様のやってきた犯罪を、細かく記録した文書にして、ある方に預けてますなんて言うの!私が死んだり、行方が分からなくなったら、その文章を公表するように依頼してますから、私を殺したいなら今すぐどうぞ、ですって!この私がメイドに脅されるなんて、笑うしかないわよね。」
聞いているだけで、こっちがおかしくなりそうだ。しかし、シナー公爵令嬢の口は止まらない。
「でも、なぜなのか破落戸を監視していたはずの従者が戻って来ないのよ!他の従者に探すように頼んだら、破落戸が数人死んでいたのは発見したみたいなんだけど、従者もあの女の姿もなかったみたい。元暗殺者の従者だから、手練れのはずなのに。従者が裏切ってあの女を連れてどこかに逃げたのか、2人とも何かあって殺されたのかは、私にも分からないわよ!」
殿下やマディソン達も、我慢して聞いているようだが殺気が漂っている。
「ははっ。かわいそうにね。自分が望んで愛されているわけじゃないみたいだし、むしろ自分に寄ってくる高位の令息達をどこか避けようとしているところがあったわよね、あのお姫様は!シールド公爵様だって、あのお姫様をずっと目で追うくらい好きだったでしょ。他の令息達が言ってたわ。フォーレス侯爵令嬢に近づいたら、シールド公爵閣下の殺気で殺されそうだから、迂闊に手を出せないですって!でも、あの女は公爵様が行くといつも顔色を悪くしていましたよね?公爵様はあの女に何かしたのですか?ふふっ!報われない恋は本当につらいですわね、公爵様!」
この女、本気で殺してやろうか!無意識に剣に手が伸びそうになるが、マディソンに腕を掴まれ、はっとする自分がいる。
しかし、ここまでのことをしていたとは。冷静なはずの殿下と妃殿下、マディソンまでが恐ろしい表情をしている。そして、私も理性を失いそうな程の怒りを抑えるのに苦労した。
「シナー公爵と、令嬢の専属メイドと従者を今すぐに呼べ!逃げられないように、近衛騎士が迎えに行ってこい!それと、フォーレス侯爵もだ。スペンサー卿にも、急用だと言って、すぐに遠征から戻るように連絡しろ!」
殿下が近くにいる近衛騎士に指示をだす。
しばらくして、シナー公爵と令嬢の専属メイド、従者が近衛騎士に連れられてやって来た。シナー公爵は、拘束されている妹である令嬢を虫けらを見るような目で見ている。専属メイドは、諦めたような表情だ。
シナー公爵に許可を取り、専属メイドに自白剤を飲ませ、シナー公爵令嬢が今までしてきたことを喋らせる。すると、出るわ出るわ。スペンサー卿に近づこうとして、生意気な態度を取る令嬢に、下位の貴族令息や令嬢を使って、階段から突き落としたことや、媚薬や毒を飲ませたとか、令息を使って襲わせたとか、聞いていて具合が悪くなるような話ばかりであった。
そして、フォーレス侯爵令嬢を破落戸に襲わせる段取りを勝手にやった件について、更に気分が悪くなる話をする。
「お嬢様は媚薬でも盛って他の令息に襲わせ、そのままその令息と婚約でもしてくれればいいと言ってたのですけど。でも、どの令息も王家や宰相家、シールド公爵家やファーエル公爵家を敵に回しそうだから出来ないと断られたのです。だから、私が従者を通して破落戸を雇うことにしました。だって、フォーレス侯爵令嬢がいたら、お嬢様はスペンサー卿と結婚できませんから。」
こんな状況下にも関わらず、淡々と話すメイド。
「お嬢様がスペンサー卿と結婚したら、私もスペンサー家に一緒について行けると楽しみにしていたのです。そしたら、私もスペンサー卿のお側にいれますからね。学園の同級生だった頃からお慕いしていましたけど、貧乏な男爵家の三女の私が、あの方のお側にいる為にはお嬢様に頑張ってもらわないと。…ねぇ、お嬢様。いつになったらスペンサー卿と結婚出来るのでしょうか?私は貴女の為に、汚いことを沢山やって来たのです。だから、早く私の願いを叶えてくださいませ。」
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