129 / 161
南国へ国外逃亡できたよ
その頃王都では シールド公爵 3
しおりを挟む
シナー公爵令嬢のメイドも、スペンサー卿が好きだったとは。
このメイド、ゾッとする目をしている。
「シナー公爵、どうする?」
無表情が恐ろしい殿下がシナー公爵に尋ねる。
「妹とメイドや関係している従者達は処刑して下さい。そして、私は爵位を返上します。」
「くっくっ。シナー公爵。そんな事をしたらマリーベルが、シナー公爵令嬢の手によって拐われたって他の貴族にバレるよね。マリーベルは社交界に戻って来れなくなるよ。知ってて言ってるの?」
「しかし、他に償う方法が分かりません。」
「シナー公爵は、父である前公爵と違って、優秀で王家への忠誠心が強いことを私は知っているよ。しかも、もうすぐ夫人は出産だよね?あのバカな妹のせいで、結婚が延期になったりして、苦労してやっと結婚出来たのに。爵位を返上したら離縁されちゃうよ。…私はね、そう言うことは望んでないんだよ。」
殿下が真面目に話すと、とにかく恐ろしいのだ。
「公爵はこのまま、公爵でいてくれ。そのかわり領地にいる前公爵は、娘をきちんと育てられなかった責任で領地に幽閉して、絶対に表に出さないようにしろ。それとマリーベルが戻って来た時、この先、彼女がどんな生活を送れるのかが全く分からない。誰かと結婚するのか、それとも別の生き方になるのか?その時に困らないように、慰謝料だけはしっかり払ってくれ。フォーレス侯爵家は財産は沢山あるが、マリーベル個人名義の財産も沢山あった方がいいだろう。シナー公爵、どうだ?」
「殿下のご厚意に感謝いたします。これからも、王家に忠誠を誓い、王家と国の繁栄の為に、精一杯勤めさせて頂きます。」
涙目のシナー公爵。彼は優秀で人格者な事は誰もが認めている。彼を失うのは大きな損失なのだ。
「叔父上、シナー公爵は無関係ですし、今までもこのバカな妹と父親に苦労させられてきたのは知ってますよね?叔父上としては、納得出来ない部分はあると思いますが、私はマリーベルが戻って来た時に、彼女が何も問題なく過ごせることを優先したいと思っています。だから、シナー公爵家の処分はこれでお許しくださいませんか?マリーベルの捜索は引き続き、行っていきますから。」
「…ああ。シナー公爵は悪くないし、優秀で人柄がいい公爵を失うのは望んでいない。マリーベルの変な噂が立つのも困る。これが今の最善の処分だろう。マリーベルは、体調が悪くてずっと臥せっているということにしておこう。実際、最近は具合が悪そうな姿を沢山の人に見られているから、何とか誤魔化せるとは思う。捜索をよろしく頼む。」
「ご理解、ありがとうございます。それとシナー公爵、公爵の妹と関係するメイドと従者は、王家で預かってもいいかな?もう会えなくなるかもしれないけど。」
「勿論でございます。寧ろ、ゴミを預かって下さることに感謝いたします。妹は精神を病んで、領地で療養しているということにしてもよろしいでしょうか?メイドと従者はそんな妹の世話をする為に、一緒に領地に旅立ったと言うことにして。」
「さすがシナー公爵だ。ありがとう。これからもよろしく頼むよ。」
結局、フォーレス侯爵令嬢の行方は分からなかった。彼女はどこに行ってしまったのか?そこにいる誰もが、憔悴するのであった。
そして数日経ったある日、スペンサー卿が一足早く、騎士団の遠征から戻って来た。王太子殿下から早急に戻るようにとの命令だけを受け、なぜ戻されたのか理由は知らされていない。
王太子殿下はスペンサー卿が戻ると、気をしっかり持てと言い、地下牢に連れて行くのであった。私も同伴するように言われ、2人について行く。
地下牢に、シナー公爵令嬢やメイド、従者がそれぞれ別に入れられているのを見たスペンサー卿は、何かを悟ったようであった。
「…マリーは生きているのですか?」
弱々しい声で殿下に尋ねるスペンサー卿。
「行方不明だ。始めは夜会で媚薬でも盛って、適当な令息に襲わせ、それをフィリップに見せようとしたらしい。でも、マリーベルには常にフィリップやアルベルトが付いていたり、アランやシリル、シールド公爵の目があったりして、他の令息にそれは出来ないと断られたようだ。それで、そこのメイドと従者達が破落戸を雇って襲わせる計画を立てたようだが、雇った破落戸は誰かに殺されて、破落戸を監視していた従者とマリーベルは行方不明になっている。従者がマリーベルを連れて逃げたのか、別の誰かに何かをされたのか分からない。自白剤で喋らせたから、嘘は言ってないはずだ。」
「何てことを…。」
声が震えているスペンサー卿。
「騎士団に協力してもらい、捜索はしているのだが、何の情報もないんだ。この悪女達を捕まえることが出来たのは、フィリップが騎士団の遠征に出発したすぐ後に、この女がマリーベルに絡んでいたのをシールド公爵がたまたま目にして、会話を聞いていたからだ。その時の会話の中で、マリーベルがこの女に対して、凄いことを尋ねたらしいのだ。」
「マリーがですか?この女に何を尋ねていたのです?」
私を見て聞いてくるスペンサー卿に、私は答えるのであった。
「ああ。『私は殺されるのでしょうか?』と聞いていた。すごいことを聞くものだなと思ったから、しっかり覚えていた。一緒にいた王都騎士団長も聞いている。」
「何でそんなことを?私が出発してすぐですか…。ははっ!私が遠征でいない時を狙ったのですね。まさか、王族のマリーにまで手を出すとは!最近、マリーが何かに悩んでいることは分かっていましたが。マリーはこの悪魔に狙われていることに、何となく気が付いていたのかもしれませんね。この悪魔が私に執着していることは、マリーも知っていましたから。だから、私に対してもあんな風に怯えていたのかもしれません。」
「…ああ、そうなのか。遠征の出発の時に、別れの言葉のようなことを言っていたのは、こんなことになるのを、マリーは予想していた?ははっ!こんな事になるなら、さっさとこの女を暗殺でもして、消しておけば良かったですよ。どうせこの女が死んでも、シナー公爵は、深くは調べないでしょうから。」
スペンサー卿の話しを聞いて顔色を悪くするシナー公爵令嬢。ちなみに、魔法で今は喋れないようになっている。牢屋を別にしているのに、大声でメイドと罵り合いをして煩いとなったからだ。
「マリーベルが別れの言葉を口にしていただって?」
「はい。今までありがとうだとか、兄様のことは忘れないとか言って、涙を流していました。くっ、、何でマリーの苦しみにあの時に気付かなかったのか。」
「フィリップ、これだけはしょうがない。とりあえず、捜索の範囲を広げてみよう。」
「殿下、ありがとうございます。シールド公爵閣下、貴重な情報に感謝いたします。…それで、悪魔達には自白剤だけですか?」
「今のところは、それだけだよ。シナー公爵はゴミを預かってくれたことに感謝していた。」
「自白剤も完璧かは分かりません。私も少しは喋らせたいのですが、鞭を使ってもよろしいですか?」
「フィリップ、殺さない程度なら許そう。」
「ありがとうございます。死んだ方がマシだと思える程度にしておきます。」
スペンサー卿がこの女を嫌っていたのは、誰もが知っている。昔から執着されて、大嫌いだった女に最愛の人を奪われたのだから、理性を保つのは難しいだろう。
その後、表情を無くしたスペンサー卿が拷問を加える様子を、黙って見つめる殿下と私であった。
このメイド、ゾッとする目をしている。
「シナー公爵、どうする?」
無表情が恐ろしい殿下がシナー公爵に尋ねる。
「妹とメイドや関係している従者達は処刑して下さい。そして、私は爵位を返上します。」
「くっくっ。シナー公爵。そんな事をしたらマリーベルが、シナー公爵令嬢の手によって拐われたって他の貴族にバレるよね。マリーベルは社交界に戻って来れなくなるよ。知ってて言ってるの?」
「しかし、他に償う方法が分かりません。」
「シナー公爵は、父である前公爵と違って、優秀で王家への忠誠心が強いことを私は知っているよ。しかも、もうすぐ夫人は出産だよね?あのバカな妹のせいで、結婚が延期になったりして、苦労してやっと結婚出来たのに。爵位を返上したら離縁されちゃうよ。…私はね、そう言うことは望んでないんだよ。」
殿下が真面目に話すと、とにかく恐ろしいのだ。
「公爵はこのまま、公爵でいてくれ。そのかわり領地にいる前公爵は、娘をきちんと育てられなかった責任で領地に幽閉して、絶対に表に出さないようにしろ。それとマリーベルが戻って来た時、この先、彼女がどんな生活を送れるのかが全く分からない。誰かと結婚するのか、それとも別の生き方になるのか?その時に困らないように、慰謝料だけはしっかり払ってくれ。フォーレス侯爵家は財産は沢山あるが、マリーベル個人名義の財産も沢山あった方がいいだろう。シナー公爵、どうだ?」
「殿下のご厚意に感謝いたします。これからも、王家に忠誠を誓い、王家と国の繁栄の為に、精一杯勤めさせて頂きます。」
涙目のシナー公爵。彼は優秀で人格者な事は誰もが認めている。彼を失うのは大きな損失なのだ。
「叔父上、シナー公爵は無関係ですし、今までもこのバカな妹と父親に苦労させられてきたのは知ってますよね?叔父上としては、納得出来ない部分はあると思いますが、私はマリーベルが戻って来た時に、彼女が何も問題なく過ごせることを優先したいと思っています。だから、シナー公爵家の処分はこれでお許しくださいませんか?マリーベルの捜索は引き続き、行っていきますから。」
「…ああ。シナー公爵は悪くないし、優秀で人柄がいい公爵を失うのは望んでいない。マリーベルの変な噂が立つのも困る。これが今の最善の処分だろう。マリーベルは、体調が悪くてずっと臥せっているということにしておこう。実際、最近は具合が悪そうな姿を沢山の人に見られているから、何とか誤魔化せるとは思う。捜索をよろしく頼む。」
「ご理解、ありがとうございます。それとシナー公爵、公爵の妹と関係するメイドと従者は、王家で預かってもいいかな?もう会えなくなるかもしれないけど。」
「勿論でございます。寧ろ、ゴミを預かって下さることに感謝いたします。妹は精神を病んで、領地で療養しているということにしてもよろしいでしょうか?メイドと従者はそんな妹の世話をする為に、一緒に領地に旅立ったと言うことにして。」
「さすがシナー公爵だ。ありがとう。これからもよろしく頼むよ。」
結局、フォーレス侯爵令嬢の行方は分からなかった。彼女はどこに行ってしまったのか?そこにいる誰もが、憔悴するのであった。
そして数日経ったある日、スペンサー卿が一足早く、騎士団の遠征から戻って来た。王太子殿下から早急に戻るようにとの命令だけを受け、なぜ戻されたのか理由は知らされていない。
王太子殿下はスペンサー卿が戻ると、気をしっかり持てと言い、地下牢に連れて行くのであった。私も同伴するように言われ、2人について行く。
地下牢に、シナー公爵令嬢やメイド、従者がそれぞれ別に入れられているのを見たスペンサー卿は、何かを悟ったようであった。
「…マリーは生きているのですか?」
弱々しい声で殿下に尋ねるスペンサー卿。
「行方不明だ。始めは夜会で媚薬でも盛って、適当な令息に襲わせ、それをフィリップに見せようとしたらしい。でも、マリーベルには常にフィリップやアルベルトが付いていたり、アランやシリル、シールド公爵の目があったりして、他の令息にそれは出来ないと断られたようだ。それで、そこのメイドと従者達が破落戸を雇って襲わせる計画を立てたようだが、雇った破落戸は誰かに殺されて、破落戸を監視していた従者とマリーベルは行方不明になっている。従者がマリーベルを連れて逃げたのか、別の誰かに何かをされたのか分からない。自白剤で喋らせたから、嘘は言ってないはずだ。」
「何てことを…。」
声が震えているスペンサー卿。
「騎士団に協力してもらい、捜索はしているのだが、何の情報もないんだ。この悪女達を捕まえることが出来たのは、フィリップが騎士団の遠征に出発したすぐ後に、この女がマリーベルに絡んでいたのをシールド公爵がたまたま目にして、会話を聞いていたからだ。その時の会話の中で、マリーベルがこの女に対して、凄いことを尋ねたらしいのだ。」
「マリーがですか?この女に何を尋ねていたのです?」
私を見て聞いてくるスペンサー卿に、私は答えるのであった。
「ああ。『私は殺されるのでしょうか?』と聞いていた。すごいことを聞くものだなと思ったから、しっかり覚えていた。一緒にいた王都騎士団長も聞いている。」
「何でそんなことを?私が出発してすぐですか…。ははっ!私が遠征でいない時を狙ったのですね。まさか、王族のマリーにまで手を出すとは!最近、マリーが何かに悩んでいることは分かっていましたが。マリーはこの悪魔に狙われていることに、何となく気が付いていたのかもしれませんね。この悪魔が私に執着していることは、マリーも知っていましたから。だから、私に対してもあんな風に怯えていたのかもしれません。」
「…ああ、そうなのか。遠征の出発の時に、別れの言葉のようなことを言っていたのは、こんなことになるのを、マリーは予想していた?ははっ!こんな事になるなら、さっさとこの女を暗殺でもして、消しておけば良かったですよ。どうせこの女が死んでも、シナー公爵は、深くは調べないでしょうから。」
スペンサー卿の話しを聞いて顔色を悪くするシナー公爵令嬢。ちなみに、魔法で今は喋れないようになっている。牢屋を別にしているのに、大声でメイドと罵り合いをして煩いとなったからだ。
「マリーベルが別れの言葉を口にしていただって?」
「はい。今までありがとうだとか、兄様のことは忘れないとか言って、涙を流していました。くっ、、何でマリーの苦しみにあの時に気付かなかったのか。」
「フィリップ、これだけはしょうがない。とりあえず、捜索の範囲を広げてみよう。」
「殿下、ありがとうございます。シールド公爵閣下、貴重な情報に感謝いたします。…それで、悪魔達には自白剤だけですか?」
「今のところは、それだけだよ。シナー公爵はゴミを預かってくれたことに感謝していた。」
「自白剤も完璧かは分かりません。私も少しは喋らせたいのですが、鞭を使ってもよろしいですか?」
「フィリップ、殺さない程度なら許そう。」
「ありがとうございます。死んだ方がマシだと思える程度にしておきます。」
スペンサー卿がこの女を嫌っていたのは、誰もが知っている。昔から執着されて、大嫌いだった女に最愛の人を奪われたのだから、理性を保つのは難しいだろう。
その後、表情を無くしたスペンサー卿が拷問を加える様子を、黙って見つめる殿下と私であった。
125
あなたにおすすめの小説
全てを捨てて、わたしらしく生きていきます。
彩華(あやはな)
恋愛
3年前にリゼッタお姉様が風邪で死んだ後、お姉様の婚約者であるバルト様と結婚したわたし、サリーナ。バルト様はお姉様の事を愛していたため、わたしに愛情を向けることはなかった。じっと耐えた3年間。でも、人との出会いはわたしを変えていく。自由になるために全てを捨てる覚悟を決め、わたしはわたしらしく生きる事を決意する。
何年も相手にしてくれなかったのに…今更迫られても困ります
Karamimi
恋愛
侯爵令嬢のアンジュは、子供の頃から大好きだった幼馴染のデイビッドに5度目の婚約を申し込むものの、断られてしまう。さすがに5度目という事もあり、父親からも諦める様言われてしまった。
自分でも分かっている、もう潮時なのだと。そんな中父親から、留学の話を持ち掛けられた。環境を変えれば、気持ちも落ち着くのではないかと。
彼のいない場所に行けば、彼を忘れられるかもしれない。でも、王都から出た事のない自分が、誰も知らない異国でうまくやっていけるのか…そんな不安から、返事をする事が出来なかった。
そんな中、侯爵令嬢のラミネスから、自分とデイビッドは愛し合っている。彼が騎士団長になる事が決まった暁には、自分と婚約をする事が決まっていると聞かされたのだ。
大きなショックを受けたアンジュは、ついに留学をする事を決意。専属メイドのカリアを連れ、1人留学の先のミラージュ王国に向かったのだが…
嘘つくつもりはなかったんです!お願いだから忘れて欲しいのにもう遅い。王子様は異世界転生娘を溺愛しているみたいだけどちょっと勘弁して欲しい。
季邑 えり
恋愛
異世界転生した記憶をもつリアリム伯爵令嬢は、自他ともに認めるイザベラ公爵令嬢の腰ぎんちゃく。
今日もイザベラ嬢をよいしょするつもりが、うっかりして「王子様は理想的な結婚相手だ」と言ってしまった。それを偶然に聞いた王子は、早速リアリムを婚約者候補に入れてしまう。
王子様狙いのイザベラ嬢に睨まれたらたまらない。何とかして婚約者になることから逃れたいリアリムと、そんなリアリムにロックオンして何とかして婚約者にしたい王子。
婚約者候補から逃れるために、偽りの恋人役を知り合いの騎士にお願いすることにしたのだけど…なんとこの騎士も一筋縄ではいかなかった!
おとぼけ転生娘と、麗しい王子様の恋愛ラブコメディー…のはず。
イラストはベアしゅう様に描いていただきました。
笑い方を忘れた令嬢
Blue
恋愛
お母様が天国へと旅立ってから10年の月日が流れた。大好きなお父様と二人で過ごす日々に突然終止符が打たれる。突然やって来た新しい家族。病で倒れてしまったお父様。私を嫌な目つきで見てくる伯父様。どうしたらいいの?誰か、助けて。
愛すべきマリア
志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。
学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。
家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。
早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。
頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。
その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。
体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。
しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。
他サイトでも掲載しています。
表紙は写真ACより転載しました。
【完結】魔女令嬢はただ静かに生きていたいだけ
⚪︎
恋愛
公爵家の令嬢として傲慢に育った十歳の少女、エマ・ルソーネは、ちょっとした事故により前世の記憶を思い出し、今世が乙女ゲームの世界であることに気付く。しかも自分は、魔女の血を引く最低最悪の悪役令嬢だった。
待っているのはオールデスエンド。回避すべく動くも、何故だが攻略対象たちとの接点は増えるばかりで、あれよあれよという間に物語の筋書き通り、魔法研究機関に入所することになってしまう。
ひたすら静かに過ごすことに努めるエマを、研究所に集った癖のある者たちの脅威が襲う。日々の苦悩に、エマの胃痛はとどまる所を知らない……
病めるときも健やかなるときも、お前だけは絶対許さないからなマジで
あだち
恋愛
ペルラ伯爵家の跡取り娘・フェリータの婚約者が、王女様に横取りされた。どうやら、伯爵家の天敵たるカヴァリエリ家の当主にして王女の側近・ロレンツィオが、裏で糸を引いたという。
怒り狂うフェリータは、大事な婚約者を取り返したい一心で、祝祭の日に捨て身の行動に出た。
……それが結果的に、にっくきロレンツィオ本人と結婚することに結びつくとも知らず。
***
『……いやホントに許せん。今更言えるか、実は前から好きだったなんて』
「結婚しよう」
まひる
恋愛
私はメルシャ。16歳。黒茶髪、赤茶の瞳。153㎝。マヌサワの貧乏農村出身。朝から夜まで食事処で働いていた特別特徴も特長もない女の子です。でもある日、無駄に見目の良い男性に求婚されました。何でしょうか、これ。
一人の男性との出会いを切っ掛けに、彼女を取り巻く世界が動き出します。様々な体験を経て、彼女達は何処へ辿り着くのでしょうか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる