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寂しい気持ち
旦那様は私を邸に送ってくれた後、国王陛下に今日の出来事を急ぎで報告すると言って、すぐに王宮に戻っていった。
旦那様が王宮に戻られた後、どっと疲れが押し寄せてくる。
あの時、旦那様が来てくれなかったら私はあの毒入り紅茶を口にしていた。考えただけでも恐ろしくなる。
「奥様。お疲れでしたら少し休まれては?
心が落ち着くようにハーブティーでもご用意しましょうか?
リラックス効果のあるお香もありますわよ」
このような時、アンナのさり気ない気遣いにいつも助けられていると思う。
「ありがとう。ハーブティーを頂きたいわ」
「畏まりました。すぐにご用意致します」
私は家族から冷遇されたり、ヴィーからは悪意を向けられたりしたけど、アンナが側にいてくれたから何とかなっていた。
でも、あの王女殿下には誰も側にいなかったのかもしれない。
私なんかよりも大変な境遇の中で生きてきたけど、殿下から正妃にと望まれて婚約するのだからと、新天地での生活に期待していたとしたら……?
しかし婚約を望んでくれたはずの殿下からは、結婚する前から側妃の話をされ、王女殿下は深く傷ついた可能性がある。
更に側妃に迎えたい人物と仲良くなるように言われて、お茶会に誘って離縁や側妃の話をしてみたものの、私が断り続けたことで王女殿下を追い詰めてしまったのかもしれない。
紅茶に毒を盛られたのはショックだけど、王女殿下を恨む気持ちにはなれなかった。
今日は旦那様の帰りが遅くなるらしく、久しぶりに一人で夕食を食べることになる。
一人で食事をすることには誰よりも慣れているつもりだったのに、旦那様がいない食事はあまり美味しいとは感じられなかった。
少し前までは、旦那様を信用出来ないと思って一歩引いて関わるようにしていたのに、今の私は旦那様がいないとダメな妻になってしまった。
今日のことがあったからなのか、一人でいることが心細く感じてしまう。
湯浴みを済ませた私は、夫婦の寝室に向かう。
旦那様はまだ帰っていないようで、広いベッドには私一人だ。
一人のベッドはこんなに広いとは……。布団の中も冷たい気がする。
考え事をしていた私はなかなか眠れず、気付いたらかなりの時間が経っていた。その時、寝室に誰かが入って来る。
「……アリエル、起きていたのか?」
「旦那様、お帰りなさいませ。
今日はなぜか眠れなくて……」
「あんなことがあったのだから、眠れないのは当然だ。
王女殿下のことはまだ調査中だから、今は何も報告出来ないんだ。もう少し待ってくれ」
「分かりました」
旦那様は湯浴みを済ませてきたようで、そのままベッドに入ってくる。
「アリエル、抱きしめてもいいか?」
「私も……、旦那様に抱きしめてもらいたいです。
旦那様がいないとベッドは冷たいし、こんなに寂しい気持ちになるとは思いませんでした……」
「……」
「旦那様、どうかしました?」
さっきまで穏やかな表情をしていたはずの旦那様は、苦悶に満ちた顔をしていた。
「アリエルからそんなことを言われるとは思わなかった。
……すごく嬉しい」
さっきの顔が嬉しそうには見えなかったが……
「アリエルが可愛すぎて……、我慢できないかもしれない」
可愛いと言われたのは初めてのことで、その言葉を聞いた瞬間、顔がカーッと熱くなる。
「顔を赤くするアリエルも可愛い……
ハァー……。私は君が愛しくてたまらないようだ。
今日はアリエルが無事で良かったよ。
君に何かあったらと考えると、不安でおかしくなりそうだ」
旦那様は熱のこもった目で私を見つめている。
「今日は旦那様が助けに来てくれたことがとても嬉しかったです。本当にありがとうございました。
旦那様がいてくれて良かった……」
「アリエル、愛してる。
……君を抱きたい。……いいか?」
「……はい」
その日は眠れない夜になった……
翌日、私が目覚めるとすでに旦那様は仕事に行った後だった。
私は寝坊してしまったらしい。
「奥様。旦那様から奥様をゆっくり休ませるようにと言われておりましたので、お声掛けは致しませんでした。
お食事になさいますか? それとも湯浴みをしましょうか?」
湯浴みと言われてみて、自分の体がベタついていることに気がつく。
「……湯浴みをしたいわね」
「畏まりました。すぐにご準備致します」
アンナはいつもよりニコニコしていて機嫌が良さそうに見えた。
何かあったのかしら?
その後、浴室で身体中に赤い痕が付けられていることに気付いた私は、叫び声をあげてしまった。
旦那様が王宮に戻られた後、どっと疲れが押し寄せてくる。
あの時、旦那様が来てくれなかったら私はあの毒入り紅茶を口にしていた。考えただけでも恐ろしくなる。
「奥様。お疲れでしたら少し休まれては?
心が落ち着くようにハーブティーでもご用意しましょうか?
リラックス効果のあるお香もありますわよ」
このような時、アンナのさり気ない気遣いにいつも助けられていると思う。
「ありがとう。ハーブティーを頂きたいわ」
「畏まりました。すぐにご用意致します」
私は家族から冷遇されたり、ヴィーからは悪意を向けられたりしたけど、アンナが側にいてくれたから何とかなっていた。
でも、あの王女殿下には誰も側にいなかったのかもしれない。
私なんかよりも大変な境遇の中で生きてきたけど、殿下から正妃にと望まれて婚約するのだからと、新天地での生活に期待していたとしたら……?
しかし婚約を望んでくれたはずの殿下からは、結婚する前から側妃の話をされ、王女殿下は深く傷ついた可能性がある。
更に側妃に迎えたい人物と仲良くなるように言われて、お茶会に誘って離縁や側妃の話をしてみたものの、私が断り続けたことで王女殿下を追い詰めてしまったのかもしれない。
紅茶に毒を盛られたのはショックだけど、王女殿下を恨む気持ちにはなれなかった。
今日は旦那様の帰りが遅くなるらしく、久しぶりに一人で夕食を食べることになる。
一人で食事をすることには誰よりも慣れているつもりだったのに、旦那様がいない食事はあまり美味しいとは感じられなかった。
少し前までは、旦那様を信用出来ないと思って一歩引いて関わるようにしていたのに、今の私は旦那様がいないとダメな妻になってしまった。
今日のことがあったからなのか、一人でいることが心細く感じてしまう。
湯浴みを済ませた私は、夫婦の寝室に向かう。
旦那様はまだ帰っていないようで、広いベッドには私一人だ。
一人のベッドはこんなに広いとは……。布団の中も冷たい気がする。
考え事をしていた私はなかなか眠れず、気付いたらかなりの時間が経っていた。その時、寝室に誰かが入って来る。
「……アリエル、起きていたのか?」
「旦那様、お帰りなさいませ。
今日はなぜか眠れなくて……」
「あんなことがあったのだから、眠れないのは当然だ。
王女殿下のことはまだ調査中だから、今は何も報告出来ないんだ。もう少し待ってくれ」
「分かりました」
旦那様は湯浴みを済ませてきたようで、そのままベッドに入ってくる。
「アリエル、抱きしめてもいいか?」
「私も……、旦那様に抱きしめてもらいたいです。
旦那様がいないとベッドは冷たいし、こんなに寂しい気持ちになるとは思いませんでした……」
「……」
「旦那様、どうかしました?」
さっきまで穏やかな表情をしていたはずの旦那様は、苦悶に満ちた顔をしていた。
「アリエルからそんなことを言われるとは思わなかった。
……すごく嬉しい」
さっきの顔が嬉しそうには見えなかったが……
「アリエルが可愛すぎて……、我慢できないかもしれない」
可愛いと言われたのは初めてのことで、その言葉を聞いた瞬間、顔がカーッと熱くなる。
「顔を赤くするアリエルも可愛い……
ハァー……。私は君が愛しくてたまらないようだ。
今日はアリエルが無事で良かったよ。
君に何かあったらと考えると、不安でおかしくなりそうだ」
旦那様は熱のこもった目で私を見つめている。
「今日は旦那様が助けに来てくれたことがとても嬉しかったです。本当にありがとうございました。
旦那様がいてくれて良かった……」
「アリエル、愛してる。
……君を抱きたい。……いいか?」
「……はい」
その日は眠れない夜になった……
翌日、私が目覚めるとすでに旦那様は仕事に行った後だった。
私は寝坊してしまったらしい。
「奥様。旦那様から奥様をゆっくり休ませるようにと言われておりましたので、お声掛けは致しませんでした。
お食事になさいますか? それとも湯浴みをしましょうか?」
湯浴みと言われてみて、自分の体がベタついていることに気がつく。
「……湯浴みをしたいわね」
「畏まりました。すぐにご準備致します」
アンナはいつもよりニコニコしていて機嫌が良さそうに見えた。
何かあったのかしら?
その後、浴室で身体中に赤い痕が付けられていることに気付いた私は、叫び声をあげてしまった。
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