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閑話 ロジャース伯爵
アブス子爵令嬢が私の第二夫人として嫁いできた。
媚薬を使用して、私を陥れてまで第二夫人となったあの女を妻と認めることが出来ない私は、あの女とは接触しないように生活をしていた。
家令のトーマスやメイド長があの女を監視してくれることになったのだが、静かそうに見えていたあの女の本性はとんでもないものであった。
「旦那様。お客様が伯爵家の食事が地味で質素だと言っております。正妻の嫌がらせだろうから、旦那様から注意をして欲しいと言っておりました。」
使用人達はあの女をお客様と呼んでいる。
貧乏だから食事は質素にして倹約しているのに、あの女は何を考えているのだ?エレノアは食事に文句を言ってきたことはないのに。
「嫌がらせではなくて節約だから我慢しろと伝えろ。」
「畏まりました。」
後日。
夜中に廊下から叫び声が聞こえてくる。何かあったのかと慌てて声の聞こえた所に駆けつけると、そこには、はしたないドレスを着たあの女の姿があった。
あの女は私が来たことに気付かずに、使用人達を怒鳴りつけている。
「私はアラン様の妻よ!この私がアラン様の部屋の場所を聞いているの。早く案内しなさい!」
この女は…!!
「夜間に煩いぞ!お前には、邸内を勝手に歩き回ることを禁止すると言ったはずだ。勿論、私の部屋に入ることも禁止だ。言うことを聞けないのなら、アブス子爵家に連絡するぞ。
今すぐ自分の部屋に戻れ!」
「アラン様ぁ。私は妻としてアラン様をお慰めしたいと……」
「お前は妻ではないと言っている!
部屋に戻れないなら、今すぐに実家に帰ってもらうぞ!」
「……っ!」
ここまで言われて、涙目になったあの女は自分の部屋に戻って行った。
私を見るあの女の纏わりつくような目……。
本能が危険だと伝えている。
更に別の日。
「旦那様。お客様が休日に2人きりで過ごす時間が欲しいと話しております。
旦那様と一緒にデートがしたいそうです。」
「私にそんなことを求めるなと伝えておけ。」
「畏まりました。」
またまた別の日。
「旦那様。お客様が新しいドレスを買って欲しいそうです。」
「嫁入りしたばかりで、実家からドレスは沢山持ってきているはずだから必要ない。買わないと言っておけ。」
「畏まりました。」
あの女のワガママに疲れてきた頃…
「旦那様。来月の王太子殿下の誕生日を祝う夜会のことですが、お客様がその時に来て行くドレスが無いから買って欲しいと言っております。
妻として夫からプレゼントされたドレスを着ていきたいそうです。」
「あんな女にドレスなどプレゼントしたくないが、王宮の夜会だからきちんとしたドレスがないとダメだよな。
しょうがない。ドレスを買ってやろう。」
そこでふと気付いてしまった。私はエレノアに何も贈り物をしてこなかったということに…。
媚薬を使用して、私を陥れてまで第二夫人となったあの女を妻と認めることが出来ない私は、あの女とは接触しないように生活をしていた。
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「畏まりました。」
後日。
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私を見るあの女の纏わりつくような目……。
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