記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。

せいめ

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私は誰

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「奥様、部屋を掃除するので早く出て行ってください。ほら!」

 メイドが私の背中を後ろから強く押す。バランスを崩した私は、思いっきり、扉に頭をぶつけてしまったようだ。

「えっ?うそっ!奥様?大丈夫ですか?」

 メイドが焦っている。頭が痛くて、しばらくしゃがみ込んでしまった私。

「うっ……。」

 あれ?何か変?えっ…。私は美咲だったはず。あれ?この人誰よ?今、私はイジメられていた?このメイドに。うー、痛いんだけど!
 気が強いとよく言われていた私が、何でメイドにやられてるのよ!ったく、情けない。
 立ち上がって、メイドを睨みつける。

「奥様!頭をぶつけたからって、大袈裟です。掃除するので、早く出てい……」

 バシっ!メイドが喋っている途中で、メイドの顔を殴る私。黙るメイドをもう一度、殴りつける。

「メイドの分際で、私を突き飛ばしたくせに、謝罪も出来ないのかしら?それとも、私と同じように頭をぶつけてみる?」

 そう言って、メイドを壁の前に押していく。

「ひっ!申し訳ありません。」

「はあ?それが謝罪?メイドが私に暴力を振るったって、クビにできるわよね?」

「奥様、申し訳ありませんでした。」

「跪け!」

 慌てて、跪くメイド。

「どうかお許しを。」

「目障りね。さっさと出ていきなさい。」

 ふうー!やり過ぎたかしら?でも、あのメイドは私をバカにしていた。なんとなく、態度がそうだった。
 しかし、私は今どこにいるの?あのメイド、私を奥様って呼んでいたわよね?奥様にあんな態度をとるメイドって何?

 部屋をキョロキョロすると、広くて豪華だけと、少し埃っぽい。何か昔のヨーロッパのような雰囲気の部屋だ。
 私が来ているドレスも、日本とは違う感じ。こんなドレス、日本人の私が似合うわけないじゃん。
 もしかして、さっきのメイドは外国人みたいだったけど、私が日本人だから馬鹿にされていたのかしら?ったく、日本人は外国で強く主張出来ない人が多いから、バカにされるのよ!

 ふと、姿見鏡があるのに気付く私。どれ、日本人の私のドレス姿をチェックするか!鏡を見ると……、知らない美少女が映っていた。
 えっ?私?今の私はこれ?ウソー、可愛い。少し血色が悪くて痩せ過ぎなきもするけど、可愛いよね。パサついているけど、蜂蜜色の髪に、パッチリと大きな緑の目。少しテンションが上がる私。ていうか、こんな可愛い少女が奥様って、何があったの?まだ10代でしょ?私という、この可愛い少女には何があったのよ?
 せっかく可愛いんだから、強気でいこうよ私!

 また部屋をキョロキョロする。クローゼットの中を見てみるか?中にはドレスが沢山入っているが、サイズが合ってなかったり、デザインが微妙なものばかりだ。こんなの着れないじゃん。
 宝石箱を開けると、中身は空だった。はっ?普通宝石箱があるくらいなら、何かしら入ってるよね。少なくとも、こんな大きな部屋に住むくらいの奥様ならさ。
 
 しかし、私は誰なの?もしかして…、流行りの異世界に転生?

 
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