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婚約
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休日のある日。マーティン将軍閣下がクラーク侯爵家にやってきて、婚約についての話し合いをする事になった。
予想はしていたが、マーティン将軍閣下を見る両親や使用人達の目は冷たかった。まるで、真冬の夜の雪山にいるような感じ。冷たい風が吹き荒れるような、非常によろしくない雰囲気だった。
そんな中、マーティン将軍閣下と両親と私で、結婚生活についての話し合いをして決まったこと。
私が離縁を望んだら、速やかに応じること。その際、私が社会的に不利になるようなことを他言しない。
住む場所は、クラーク侯爵家の近くに私名義の邸をクラーク侯爵家で用意する。使用人もクラーク侯爵家が選ぶ。マーティン将軍の執務関係を行う使用人については、マーティン将軍が選んで良い。
邸には、クラーク侯爵家の家族は自由に出入りしてもよい。
第二夫人・愛人は認めない。婚外子も認めない。
私に出産を強要しない。
社交も無理にはさせない。
妻として私を大切にし、何かを決める時は必ず私に相談する。
将軍閣下が婿に入るのかと思われてもおかしくはない内容なのに、将軍閣下は迷わずに契約書にサインをしてくれた。
そして、私抜きで話がしたいとお父様とお母様が言うので、少しの間、私は席を離れる。
あの2人、将軍閣下に何を話すのかな?陛下はうちの両親が怖いって話していたから不安しかない。将軍閣下相手に脅迫とかしてないよね…?
別室で待っていると、お母様が呼びに来てくれた。
「ソフィー、私達は話は終わったから、後は2人で過ごしなさいね。天気がいいから、お庭でも案内して差し上げたらいいかもしれないわ。」
想像とは違った、ご機嫌なお母様に若干ビビる私。…怒っている感じではなかったから、普通に話をしたのかな?
「…はい。分かりました。」
応接室に行くと、私の顔を見た将軍閣下は嬉しそうにしていた。
私の顔を見たくらいでそんな表情をするなんて、邸の雰囲気が最悪だってことだよね。
「将軍閣下、うちの両親に何か酷いことを言われたりしませんでしたか?」
庭園を歩きながら、気になったことを聞いてみた。
「厳しいことを言われたことは否定しない。でも、親として君を心配して言っているのは分かる。君は両親に愛されているんだな。」
やはり、何かキツいことを言ったようだ。
「うちの両親が申し訳ありませんでした。」
「なぜ君が謝るんだ?私は君の両親に殺されてもおかしくないことをしたのに、厳しいことを言われただけで、こうやってまた縁を結ぶことを許してもらえたんだ。感謝しているよ。」
将軍閣下は穏やかに話しているけどさ…、私の両親に殺されてもおかしくないって言った?
お父様とお母様、そこまでの人達なの?
「…でも、これから夫婦になるのですから、うちの両親の仕打ちが酷い時は私に必ず教えて下さいね。」
入り婿に近い立場になる将軍閣下を、多少は気にかけてあげないと。
「…夫婦?……あ、ああ。気遣ってくれてありがとう。」
婚約を両親に認められた私達は、国王陛下からも許しを得て、正式に婚約者になった。
気がつくと、私とシスティーナ国の大公様との噂話は消えていて、マーティン将軍閣下の一途な愛が報われたという話が噂になっているらしい…。
誰が流しているんだ?やめて欲しいわ!
予想はしていたが、マーティン将軍閣下を見る両親や使用人達の目は冷たかった。まるで、真冬の夜の雪山にいるような感じ。冷たい風が吹き荒れるような、非常によろしくない雰囲気だった。
そんな中、マーティン将軍閣下と両親と私で、結婚生活についての話し合いをして決まったこと。
私が離縁を望んだら、速やかに応じること。その際、私が社会的に不利になるようなことを他言しない。
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私に出産を強要しない。
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妻として私を大切にし、何かを決める時は必ず私に相談する。
将軍閣下が婿に入るのかと思われてもおかしくはない内容なのに、将軍閣下は迷わずに契約書にサインをしてくれた。
そして、私抜きで話がしたいとお父様とお母様が言うので、少しの間、私は席を離れる。
あの2人、将軍閣下に何を話すのかな?陛下はうちの両親が怖いって話していたから不安しかない。将軍閣下相手に脅迫とかしてないよね…?
別室で待っていると、お母様が呼びに来てくれた。
「ソフィー、私達は話は終わったから、後は2人で過ごしなさいね。天気がいいから、お庭でも案内して差し上げたらいいかもしれないわ。」
想像とは違った、ご機嫌なお母様に若干ビビる私。…怒っている感じではなかったから、普通に話をしたのかな?
「…はい。分かりました。」
応接室に行くと、私の顔を見た将軍閣下は嬉しそうにしていた。
私の顔を見たくらいでそんな表情をするなんて、邸の雰囲気が最悪だってことだよね。
「将軍閣下、うちの両親に何か酷いことを言われたりしませんでしたか?」
庭園を歩きながら、気になったことを聞いてみた。
「厳しいことを言われたことは否定しない。でも、親として君を心配して言っているのは分かる。君は両親に愛されているんだな。」
やはり、何かキツいことを言ったようだ。
「うちの両親が申し訳ありませんでした。」
「なぜ君が謝るんだ?私は君の両親に殺されてもおかしくないことをしたのに、厳しいことを言われただけで、こうやってまた縁を結ぶことを許してもらえたんだ。感謝しているよ。」
将軍閣下は穏やかに話しているけどさ…、私の両親に殺されてもおかしくないって言った?
お父様とお母様、そこまでの人達なの?
「…でも、これから夫婦になるのですから、うちの両親の仕打ちが酷い時は私に必ず教えて下さいね。」
入り婿に近い立場になる将軍閣下を、多少は気にかけてあげないと。
「…夫婦?……あ、ああ。気遣ってくれてありがとう。」
婚約を両親に認められた私達は、国王陛下からも許しを得て、正式に婚約者になった。
気がつくと、私とシスティーナ国の大公様との噂話は消えていて、マーティン将軍閣下の一途な愛が報われたという話が噂になっているらしい…。
誰が流しているんだ?やめて欲しいわ!
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