悪い魔女

底に

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第2章 学園生活は辛いよ!

自己紹介は辛いよ!③

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ドック ドック 心臓の音が聞こえる。

私は仲の良い友達にはぐいぐいいけるが、初対面の人には恥ずかしがり屋を発揮してしまうのだ。

「あ、あー、えっとー、私はニナ。名前ニナです。特技は特にないです。杖もよく分かんなくてテキトーに買ったやつです。終わりです」

シーン パチパチ パチパチパチパチ

少しの無言から、拍手がチラホラ鳴る。
みんなの優しさが痛い、、

「ニナさんって、なんで入学式の時にみんなの前にでてきたの?」

フツーの女の子、ローラが聞いてきた。
多分クラスのみんなも聞きたがっているだろう。

正直に言ったらなんともない話だ。
しかし私は恥ずかしがり屋でもあり、目立ちたがり屋でもあったのだ。

後悔あと先立たず

「私はこの学校に特待生で来たのっ!だから壇上でスピーチする予定だったけど、時間の都合で取り止めになったの!そういうこと」

フンス! ヒトはなんて愚かなんだろう。

この言葉を発した1秒後にはそう思った。

「へぇー!この学校にそんな制度あったんだ!」

「君も優秀、ということですね」

「俺様と同じ高貴ってことだな!」

「なぜだまっていた!!!ムカつく!!」

クラスのみんなが羨望のまなざしで私を見る。

ネコだけ ヤレヤレ 
首を横に振り、手を広げている。

「今回の試験もニナがいれば簡単にクリアできるね!なんたって!特待生だもん!」

ヤバッ なんとか誤魔化さなくては。

「私は簡単にでしちゃうけど、それじゃ試験にならないと思うの。ヒントは、、先生の言ったことをもう一度考えてみて」

それっぼいことを上手く言えた。
こういう特技はいらないんだよなぁ…

「先生の言ったこと、、ひとまず書き出してみない?」

マジック得意なチルルが提案

みんなの記憶を元に、エンピツでメモリーブックに書いていく。


【試験は岩を多く砕く。これだけです。砕いた数だけAPが加算されます】

【フフフ。岩は、自分達で生み出すのです】

【杖の振り方などはありません。大切なのはイメージです。精密で、繊細で、また大胆な。】

「だぁーーー!訳わかんねぇよー!」

ドラゴンのブルススが ジタバタ
火も吹き出しそうな勢いだ。勢いだけだが。

「らちが明かないですね。わたくしは一人でやってみます。このままでは時間と成果の天秤が釣り合わない」

プラマイはそう言うとどこへ行ってしまった。

「俺も一人でやる!お前らといるとイライラする!」

レッカも、そしてみんなある程度散り散りになり自分達でやるようになった。

私はネコと二人っきりになり

「ハァーーー、なんであんなこと言っちゃったんだろ」

「全く、すぐバレる嘘付くなんて。実はあんまりスマートじゃない?」

「うっさい」

杖を チラリ オーコワッ 
なんて茶番をやっている場合ではない。

「私テキトーに言ったけど、やっぱ先生の言ったことが、大事だと思うの」

「うーん、確かにね。今回の試験は」

ネコが杖で大きな紙を出して、そこに書き出す。

1.岩を作る(正確に) 

2.岩を砕く

「この二つだね。1も難しいそうだけど、2の岩を砕くも相当な魔力がないとあんな大きな岩砕けないかも」

「というか先生どこにいるんだろ。ほんとんど投げっぱでどっか行っちゃうし。そもそもどうやって…はっ!」

「ん?どうしたのニナ?」

「ねえネコ!先生は砕いたあとの岩を見て、その数で評価するんでしょう!?でも再生の魔法とかで材質や大きさを誤魔化せない。そうでしょう!?」

「う、うん。そうかな?それがどうしたの?」

彼の杖を活かせば、、いけるかも

ネコにそう言う前に私は走り出していた。
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