悪い魔女

底に

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第2章 学園生活は辛いよ!

自己紹介は辛いよ!②

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「次は俺がいこう」

バサッ バサッ 赤い羽が大きく開く。

「俺の名前はブルスス。高貴なドラゴン族の一人だ。因みに火は吹けない。空も飛べない。…なんだその目は!俺だってもっとドラゴンぽいことやりたかったよ!!」

グスン 少し涙ぐんでいる。

「お、俺の杖は勿論、ドラゴンの杖。にしたかったが、間違えてトカゲのを選んでしまった。危機に陥ったら一回は逃れることができる」

なんとも可哀想なドラゴンだ。ぬいぐるみにしたら売れそう。

「ンー!ンー!ンンン!」

突然右手を上げた男の子が立ち上がり、何かを訴えている。

「えーっと、僕の名前はノノノ。いつもどっちかの手があがっちゃうんだ。あと声もだせないよ」

「何?ネコあなた、彼がなんて言ってるか分かるの?」

「何となくね、ネコや犬は人間の言葉はある程度しか伝わらないけど、ジェスチャーなどでコミュニケーションを取るだろう。僕もそんなかんじで何となく分かるんだ」

「へ、へぇー。ネコは猫っぽいんだね」

「な、なんで俺を見るんだ!」

ドラゴンが睨む。あんまり怖くないけど。

「ンー、ンンンンー!ンンンー!」

「えーっと、僕の杖は手の形をしている。相手の心を少し読むことができる。それを伝えるのは難しいけど。だってさ」

相手の心を読めるの!?あんまりノノノの前では秘密事を考えないようにしよう。彼が広めるとは思えないけど。

「ではこの流れで僕の紹介をさせてもらうよ。僕の名前はズャッロ。見ての通り紳士です。みんな僕の事は紳士のズャッr」

「ネコで良いわ」

「あいや、その、、」

「彼はネコ」

「…みんな僕の事はネコと呼んでくれても構わないよ。僕の杖は猫の形。猫っぽいことはなんでもできるよ」

ダラン ネコの尻尾が下がっている。何か悲しいことでもあったのかな。

「あのー、そのー、いいですかーー?」

「うわ!オバケ!」

「いやだなあ。ずっとここにいたのにー。僕の名前はタラーヌ。頭にお皿を乗っけられるよ。バランス感覚がいいでしょうー?」

カタカタ 肌色が悪い男の子が ニチャァ 笑っている。

「僕の杖はー、よくみる白い三角形のやつが付いてるよー。名前はわからないけどー。おばけっぽいことはできるよー。呪い以外は」

ヒッヒッヒッ 不気味に笑っている。オバケなんて非科学的だ!なんて、魔法を使っている以上何とも言えないが、、

「OK!こんなしみったれた空気変えるのはやっぱ俺っしょ!いぇい!常夏男のハロアだぜ!特技はサーフィン。杖も波乗り。一緒にヒュウィゴォ!」

ハロアはサングラスでアロハシャツを着ている。杖を売ってくれた鈴木さんの兄弟なのかな?

「全く、聞くに耐えないよ。君たちの話しは」

カチャ カチャ ギィィィ カチャ ピタッ

わたくしの自己紹介をしよう。君たち全員分の自己紹介と、天秤が釣り合うとは思わないけどね」

手に天秤をもっている。服のなかには多くの分銅がある。重そう。

「私の名前はプマライ。杖は天秤。自分の受けた傷を相手にも分け与えることができる。平等だろう?」

カチャ カチャ ドンガラガッシャーン アアッ!

得意気に分銅を起きすぎて天秤が崩れてしまった。後片付けが大変そうだ。

「あー!うるさい!遅い!無駄だ!一体自己紹介のなんの意味があるんだ!ムカつくムカつく!!いいか!一度しか言わないぞ!俺の名前はレッカ!杖は方位磁石!相手の平衡感覚を狂わせる!以上だ!!それにしてもムカつく!先生も先生だ!授業もろくしないで…」

すごい怒っている。胸にも方位磁石があり、頭に北を指している。頭北。いやそんなわけないか。

「まあまあ、落ち着きたまえレッカ君。次は優秀である僕の番だね。僕の名前はトーリエ。この眼帯は、、まあ昔色々とあってね」

ウィィーン ウィウィ ジーーー 眼帯がメカメカしく動いている。そして相変わらず襟が片方たっている。

「僕の杖には勲章が付いている。昔の偉人の力を少し借りられるんだ。きっと僕も将来偉人になるぞ」

エッヘン 偉人ならもう少し身なりを整えた方がいいような。

「次はピカンの番だ。ピカンの名前はピカン。絵を描くのが得意だ。杖も筆で、絵に描いたものを出せるんだ!生き物はだせないけどね」

目や鼻の位置がぐちゃぐちゃの男の子。なんだか、本当の名前はとても長そうだ。

「ピカンの友達のゴッポ君も同じクラスだけど、彼は病弱であんまり学校に来れないんだ。でもいいやつだよ」

これで全員一応自己紹介が終わった。

私を除いて。

みんながじぃと私を見ている。

ううう。どうしよう。どうしよーー!!
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