悪い魔女

底に

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第4章 ヴァイナー杯って何なんだ!?

結局ヴァイナー杯って何なんだ!?

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長かったヴァイナー杯は終わった。

ベガは入院となったが、
命に別状はないようだ。

上級生による試合も終わり
表彰式が取り行われた。

私も表彰され、ひとまず全ての事が落ち着いた。

だが、私はどうしてもエンドルホテルでの謎がまだ解けていなかったので、直接エミオンに聞いてみることにした。  

ト ト ト アッタ ヒョイ バサッ

「エミオン、ちょっといいかしら?」

「おや、ニナ、優勝おめでとうなのだ」

「ありがとう。最終試合のエンドルホテルでいくつか気になったことがあるんだけど、聞いてもいいかしら?」

「うむ!答えられるはんいでならいいのだ!」

「じゃあまず、減っていった部屋ってある法則に基づいて減るらしいけど、どんな法則があっなの?」

「あー、あれはよりエンドルの事件に関係のある部屋は勿論、事件の真相に近づいた者が勝ち残るように減らせていたのだ」

「え、じゃあ私やベガが最後まで残ったのは偶然じゃなくて、推理していったからってこと?」

「そうなのだ!ちゃんとその辺も考慮されているのだ!」

「なるほどね、、じゃあエンドルの隣部屋の303号室にだけ悲鳴が聞こえたのはなぜ?」

「ニナも304号室に入った時に違和感を感じたと思うが、あれは303号室側の壁の厚さが違っていたのだ。設計時にそこだけ薄くなってしまっていたのだ」

「だから私にも、そしてエンドルが亡くなった時も叫び声や言い争いの声が聞こえたのね」

「そうなのだ」

「ふむふむ。じゃあ最後に、ホテルスタッフはなんでエンドルを殺したの?動機は?」

「本当は殺すつもりは無かったのだ。あのホテルスタッフはエンドルが日記を買ったときの店員だったのだ。あの時から彼女の事が気になっていたが、会えず、しかし転職した先のホテルで運命的な出会いを果たしたのだ」

「もしかして告白しようと部屋に行ったのかしから?でもなんでこそこそと」

「一応勤務時間だったから目立った行動は出来なかったのだ。でも振られた後の事は考えていなかったようなのだ。恋は盲目なのだ」

「はあ、、エンドルもサウルもそのホテルスタッフも、運命に踊らされたのね」

「運命は我々を導き、かつまた我々を翻弄するのだ」

「誰の名言?」

「それは自分で調べるのだ!」

大体の事は分かった。
何にせよ勝ててよかった。

私はエミオンにまたねと告げ
その場を去ろうとした。

「ニナ、待つのだ」

「えっ、何?何かあるの?」

「うむ!ニナは本当によく頑張ったのだ!操獣学が苦手なのに、努力して練習獣でよく勝ち上がったのだ!ベガも優秀だったのだ。何が勝敗を分けたと思うのだ?」

「え、、何だろう。運とか?頭脳とか?」

「それもあるかも知れないのだ。でも一番の違いは、ベガは自分の強さを信じ、ニナは自分の弱さを知っていたのだ。だから仲間と行動し、練習獣を最大限活かし、それで勝てたのだ」

「自分の弱さ…」

「自分の強さを信じるのは勿論大切なのだ。でも弱さを知った上で、自分以外とどう協力して勝っていくか、ヴァイナー杯ではそれが重要だったのだ」

「…ありがとう。素直に嬉しいよ」

「うむ!これからもその調子で精進するのだ!!」

パタン 

エミオンはそう言うと本を閉じた。


もうそろそろ夏休みに入る。
ヴァイナー杯の延長線上で、緊張しっぱなしだった私も、そろそろ浮かれモードに突入していくのだった。



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