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第5章 南の島が呼んでいる~
いつメン南国ポンポンポーン~
しおりを挟むザザーン ザザーン ミャア ミャア
青い空 白い砂浜 鳴くウミネコ
「アハハハー、それっ」
「きゃっ!もう!冷たいよー」
ビーチには水着姿の女の子達が水を掛け合っている。
そう、私達は南の島に来ていた。
事の始まりは数日前に遡る。。。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ヴァイナー杯、1年生の部、優勝は~」
デレデレデレデレデレデレ デン!!
「ラ・スーメルのニナさんです!おめでとうございます!!」
ゥワァァァァーー!! ヒューヒュー
「あ、ありがとうございます」
「ニナさんには副賞として、南の島への旅行チケットを差し上げます!」
「え、ほんとですか!やったー!!!」
ィッエーーーーーイ!!! ャッタァーーー!!
正直、優勝した事より嬉しかった。
これで夏休みも悠々自適に謳歌できる
この時はまだ、喜びに包まれていたのだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「いやー、とうとう来たね」
「俺、一回海見に行きたかったんだよね」
「アタイもアタイも!」
「えへへ、私も。ニナ、本当にありがとね」
「いいのよ、一人だと楽しくないし」
私は副賞で南の島への旅行チケットを手に入れたが、一人で行っても楽しくないと先生に直談判し、交渉の結果、5人まで好きな人を連れていって良いことになった。
勿論、私の杖の能力、『ゲーム』を使ったのは言うまでも無いのだが、、
何にせよ、夏休みに入った初日から、私達は豪華客船に乗せられ、学園から遠く離れた南の島に来ていた。
「いやー、それにしても暑いなー。シルクハット置いてきて良かったよ」
彼はチルル、手品が得意な男の子だ。
「俺はちょうど良いけどな、口から火も吹き出せそうだ。デキナイケド…」
彼はブルスス、ドラゴン族の男の子だ。
「ブルっち、南の島まで来て落ち込まないの!今はおもいっきりエンジョイしなきゃ!」
彼女はクライ、明るい女の子だ。
「えへへ、私もすっごく楽しみだったんだー」
彼女はローラ、普通の女の子。
「しかし良く先生も許してくれたな。ニナ、またズルしたんじゃないのか?」
彼はネコ、ネコだ。
「ズルなんてとんでもない。私の話術の賜物よ」
これは私だ。
私達6人はそれぞれ制服から着替え
南の島仕様に服装をチェンジしここに降り立った。
そして荷物をホテルへ置き、水着に着替えて、早速海へと出ていったのであった?
真っ白な砂浜が
太陽に照らせていて眩しい。
青と白のコントラストが
空と雲と海と波を際立たせている。
私達は海で泳ぎ
ビーチでバレーをし
砂浜でお城を作った。
遊べるだけ遊んだら、クタクタになり
ホテルへと戻る。
食事の間では豪華な海鮮や山の幸が出てきた。
伊勢海老のグラタン、松茸の蒸し物
シンプルなワカメのスープ
マンゴージュース。
温泉に入り肌がヒリヒリと痛かったが
段々とそれも心地よくなっていく。
最後は布団に入ってガールズトークをし、私達の南の島、初日は終わったのだった。
~次の日~
私は珍しく早くに目が覚めた。
温泉にも入りたかったが、もう一度砂浜へ行き、まだ薄暗い海岸線を見ていた。
水平線から太陽が昇ってくる。
「綺麗…」
美しく輝く太陽を見ながら、私はその場に腰を下ろそうとした。
その時
「フギャッ!」
「きゃっ!…え、、、何?」
驚いて下を見ると
砂まみれになっていた人を見つけた。
「だ、大丈夫ですか?」
「あ…あ…み、水を…」
「すみません、今持っていないので海水でも飲んでいてください」
「いや鬼かアンタ!」
「なんだ、元気じゃないですか」
「いや…冗談抜きで…」
私は仕方なくその人を引きずりながら
ホテルへと持ち帰り、水を飲ませ、シャワーで一通り洗っ。
ゴクッ ゴクッゴクゴク プッハァァーーー!
「生き返るー!いやー、どうもありがとう!」
「そう、良かったわね。じゃあ私はこれで」
「いやいや!待った待った!なんにも聞かないの?僕がどこから来たとか!なんであんな所で倒れていたのとか!」
「え、聞いてほしいの?」
「いや、聞かれても覚えてないから答えられないけど」
ゴツン 思わず手が出た。
「い、痛っ!何するのさ!」
「ごめん、ちょっとムカついたから」
私は、この変な人との出会いが
私達の夏休みを大きく狂わせるとは
この時はまだ、夢にも思っていなかったのだった。
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