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第5章 南の島が呼んでいる~
名前を聞いても分りまさぁせぇん~
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「ふーん、それで海岸にいたこの人を助けてあげたわけね」
私は海岸で倒れていた人を
みんなに紹介した。
「住所も名前も分からないなんて、まるで記憶喪失じゃないか」
「なんだか可哀想…」
「あなた、男性なの?女性なの?」
のほほんと立っているこの人
中性的な顔立ちと声
正直見た目じゃ分からない。
「僕はね、男だと思うよ」
「あ、そうなのね、、まあこの際どっちでもいいわ。早く地元の迷子センターにでも届けましょ。せっかくの夏休みが台無しになっちゃうわ」
私は腕を組み
人差し指をトントンさせながら
そう言った。
「ニナっち非情~」
「ええ、ニナさすがにそれはないよ」
「紳士的ではないな」
「俺もそう思う」
「あ、私も…」
みんなから総批判をくらった。
私が招待してあげたのに…
「じゃあとりあえず名前を決めましょ。一々あなた、じゃ、めんどくさいもの」
「ハイハーイ!スナッチなんてどう?砂浜で倒れていたから」
「それを言うならスナローだろ、男の子なんだから」
「いやいや、お寿司屋の名前じゃ無いんだから。スーパーの名前ぽくもあるし」
色々と案が出たがどれもしっくりこない。
すると男の子から
「あ、あのー。僕は【ミャー】が良いと思います」
提案があった。
「え、どうして?そんな鳴き声みたいな名前を」
「砂浜に居たとき、鳥の鳴き声で、みゃーみゃーと聞こえ、それが心地よくて、、いいなーって思ったからです」
私達は顔を見合わす。
「まあ本人がそれでいいんならそうしましょ。よろしくね、ミャー」
「よろしく!」
ガシッ 私達はミャーと握手をした。
シャラン ミャーの手首から音がする。
「あれ、そのブレスレット何?」
「あー、そういえば最初から付いていたな。なんだろうこれ?」
赤い宝石が付いたブレスレット
宝石の奥には何かの紋章みたいなものがみえる。
「これって、、もしかしたらミャーの記憶を取り戻す、手がかりになるんじゃない?ずっと身につけていた訳だし」
「確かに、でも見たことないブレスレットだ。宝石の奥の紋章も、よく分からないな」
この場にいる人で、心当たりがある人はいないようだ。
この辺りの土地勘や文化などを知らない私達は、ホテルの人や周りの人に聞いてみることにした。
「さぁ、、見たことないわねぇ」
「へいらっしゃい!ん?あー、オレに聞かれても分からんよ!それよりどうだいこの魚!とれたて新鮮!」
「お嬢さん、、良い目をしているねぇ、、ちょっと寄っていかんかね」
町の人達も全然見当がつかないらしい。
私達はひとまずホテルへと戻る。
「だめだー、手がかり無し」
「やっぱり、どこか遠い所から流されて来たんじゃないのかな?」
「そうかもしれないわね…」
ロビーでどっしり座り
色々と話し合っていると
ふと、観光用のチラシを目にした。
「あれ、ここって、山の奥にお寺の跡地があるらしいよ」
「ニナ、今は観光じゃなくて、ミャーの手がかりを探さないと」
「分かってるわよ!でもここでじっとしていても何の解決にもならないわ。色んな所に行ってみて、色んな体験をした方が思い出すきっかけになるんじゃないかっ、て思って」
「おや、ニナにしては良いこと言うじゃないか」
「珍しいな、明日は雪が降る」
「ガハハ!口からの炎で茶が沸かせるよ」
男達にはあとでドロップキックをしておこう。
そうと決まれば私達は山に入っても大丈夫な用に、町へ行って服装やリュックサックなどを買いに出掛けたのだった。
虫除け対策長袖長ズボン
草木を避ける軍手
登山グッズ
シャキーーン!!
「完璧、いざ何とか寺へ!」
「パトゥムス寺な」
私達は万全を期して行ったが
そもそもそこは観光地
そんな装備で、問題なかった。
「こ、ここがパトゥムス寺…」
広大な森にそび立つ寺
一つ一つに歴史を感じられる。
「すっごーい!!ザ・カンコーって感じ!」
「俺の羽もウズウズしてきたぞ」
「文化遺産の一つか。興味深い」
みんな興奮状態だ。
ミャーも目を輝かせている。
私達はガイドブックをみながら観光し
一通り寺を回った。
「いやー、凄かったね」
「まさか学園の外でも勉強するとわな」
「私も楽しかった…です」
もうすっかり日も暮れかけてきた。
「ミャー、何か思い出せた?」
「んー、思い出せそうで、でも思い出せなさそうで、、」
「ダメって感じだね…まあまた明日もあるし、今日は帰ろう」
私達が帰ろうとした時
「おやおや、観光のお客さんかな」
お寺からお坊さんみたいな人が出てきた。
「あ、どうも、こんにちは」
「おー、若いのに挨拶が出来るとは、しっかりしておるのー。今日は楽しかったかな」
「はい、とても勉強になりました」
「楽しかったー!」
「俺も俺も」
「おー、それは良かった、良かった。帰られる前にワシの寺を見ていかんかね」
お坊さんが誘ってくる。
「どうする?」
「折角だし、上がらせてもらう?」
「そうしようよ。お坊さん、よろしくお願いします」
「なあに、そんなに長くはならんよ、カッカッカッ」
私達はお坊さんに連れられ、少し歩き、ある寺の中へと入っていく。
次々と門をくぐるが、私は自分の靴ヒモがほどけているに気づいた。
「あ、ちょっとゴメン、先に行ってて。靴ヒモ結ぶわ」
「お、ニナ、良い靴履いてるなー。俺もやっぱりカッコいい靴履いてみたいよ」
ブルススが靴に食いついたようだ。
「おーい、ニナ、ブルスス、先に行ってるよ」
「わかったー」
ネコやミャー達は奥へと行ってしまった。
「この靴どのお店で買ったんだ?」
「んー、町にあった服屋さんかな。一緒に靴も選べたの」
「なるほど、、帰りにお土産を買いに、俺もそこへ寄ってみよう」
「ブルススの足の形の靴なんてあるのかしら」
「無いんだ、、それが」
ドラゴン属にはファションは向かないようだ。
私は靴ヒモを結び終え
門へと向かおうとした。
「あ、あれ?」
すると、ついさっきまであった
門や寺が無くなっていた。
「ブルスス、これどういうこと?」
「お、俺にも分からないよ」
突然の神隠しの様な現象
驚く私達の前を冷たい夕暮れの風が
通りすぎていくのだった。
私は海岸で倒れていた人を
みんなに紹介した。
「住所も名前も分からないなんて、まるで記憶喪失じゃないか」
「なんだか可哀想…」
「あなた、男性なの?女性なの?」
のほほんと立っているこの人
中性的な顔立ちと声
正直見た目じゃ分からない。
「僕はね、男だと思うよ」
「あ、そうなのね、、まあこの際どっちでもいいわ。早く地元の迷子センターにでも届けましょ。せっかくの夏休みが台無しになっちゃうわ」
私は腕を組み
人差し指をトントンさせながら
そう言った。
「ニナっち非情~」
「ええ、ニナさすがにそれはないよ」
「紳士的ではないな」
「俺もそう思う」
「あ、私も…」
みんなから総批判をくらった。
私が招待してあげたのに…
「じゃあとりあえず名前を決めましょ。一々あなた、じゃ、めんどくさいもの」
「ハイハーイ!スナッチなんてどう?砂浜で倒れていたから」
「それを言うならスナローだろ、男の子なんだから」
「いやいや、お寿司屋の名前じゃ無いんだから。スーパーの名前ぽくもあるし」
色々と案が出たがどれもしっくりこない。
すると男の子から
「あ、あのー。僕は【ミャー】が良いと思います」
提案があった。
「え、どうして?そんな鳴き声みたいな名前を」
「砂浜に居たとき、鳥の鳴き声で、みゃーみゃーと聞こえ、それが心地よくて、、いいなーって思ったからです」
私達は顔を見合わす。
「まあ本人がそれでいいんならそうしましょ。よろしくね、ミャー」
「よろしく!」
ガシッ 私達はミャーと握手をした。
シャラン ミャーの手首から音がする。
「あれ、そのブレスレット何?」
「あー、そういえば最初から付いていたな。なんだろうこれ?」
赤い宝石が付いたブレスレット
宝石の奥には何かの紋章みたいなものがみえる。
「これって、、もしかしたらミャーの記憶を取り戻す、手がかりになるんじゃない?ずっと身につけていた訳だし」
「確かに、でも見たことないブレスレットだ。宝石の奥の紋章も、よく分からないな」
この場にいる人で、心当たりがある人はいないようだ。
この辺りの土地勘や文化などを知らない私達は、ホテルの人や周りの人に聞いてみることにした。
「さぁ、、見たことないわねぇ」
「へいらっしゃい!ん?あー、オレに聞かれても分からんよ!それよりどうだいこの魚!とれたて新鮮!」
「お嬢さん、、良い目をしているねぇ、、ちょっと寄っていかんかね」
町の人達も全然見当がつかないらしい。
私達はひとまずホテルへと戻る。
「だめだー、手がかり無し」
「やっぱり、どこか遠い所から流されて来たんじゃないのかな?」
「そうかもしれないわね…」
ロビーでどっしり座り
色々と話し合っていると
ふと、観光用のチラシを目にした。
「あれ、ここって、山の奥にお寺の跡地があるらしいよ」
「ニナ、今は観光じゃなくて、ミャーの手がかりを探さないと」
「分かってるわよ!でもここでじっとしていても何の解決にもならないわ。色んな所に行ってみて、色んな体験をした方が思い出すきっかけになるんじゃないかっ、て思って」
「おや、ニナにしては良いこと言うじゃないか」
「珍しいな、明日は雪が降る」
「ガハハ!口からの炎で茶が沸かせるよ」
男達にはあとでドロップキックをしておこう。
そうと決まれば私達は山に入っても大丈夫な用に、町へ行って服装やリュックサックなどを買いに出掛けたのだった。
虫除け対策長袖長ズボン
草木を避ける軍手
登山グッズ
シャキーーン!!
「完璧、いざ何とか寺へ!」
「パトゥムス寺な」
私達は万全を期して行ったが
そもそもそこは観光地
そんな装備で、問題なかった。
「こ、ここがパトゥムス寺…」
広大な森にそび立つ寺
一つ一つに歴史を感じられる。
「すっごーい!!ザ・カンコーって感じ!」
「俺の羽もウズウズしてきたぞ」
「文化遺産の一つか。興味深い」
みんな興奮状態だ。
ミャーも目を輝かせている。
私達はガイドブックをみながら観光し
一通り寺を回った。
「いやー、凄かったね」
「まさか学園の外でも勉強するとわな」
「私も楽しかった…です」
もうすっかり日も暮れかけてきた。
「ミャー、何か思い出せた?」
「んー、思い出せそうで、でも思い出せなさそうで、、」
「ダメって感じだね…まあまた明日もあるし、今日は帰ろう」
私達が帰ろうとした時
「おやおや、観光のお客さんかな」
お寺からお坊さんみたいな人が出てきた。
「あ、どうも、こんにちは」
「おー、若いのに挨拶が出来るとは、しっかりしておるのー。今日は楽しかったかな」
「はい、とても勉強になりました」
「楽しかったー!」
「俺も俺も」
「おー、それは良かった、良かった。帰られる前にワシの寺を見ていかんかね」
お坊さんが誘ってくる。
「どうする?」
「折角だし、上がらせてもらう?」
「そうしようよ。お坊さん、よろしくお願いします」
「なあに、そんなに長くはならんよ、カッカッカッ」
私達はお坊さんに連れられ、少し歩き、ある寺の中へと入っていく。
次々と門をくぐるが、私は自分の靴ヒモがほどけているに気づいた。
「あ、ちょっとゴメン、先に行ってて。靴ヒモ結ぶわ」
「お、ニナ、良い靴履いてるなー。俺もやっぱりカッコいい靴履いてみたいよ」
ブルススが靴に食いついたようだ。
「おーい、ニナ、ブルスス、先に行ってるよ」
「わかったー」
ネコやミャー達は奥へと行ってしまった。
「この靴どのお店で買ったんだ?」
「んー、町にあった服屋さんかな。一緒に靴も選べたの」
「なるほど、、帰りにお土産を買いに、俺もそこへ寄ってみよう」
「ブルススの足の形の靴なんてあるのかしら」
「無いんだ、、それが」
ドラゴン属にはファションは向かないようだ。
私は靴ヒモを結び終え
門へと向かおうとした。
「あ、あれ?」
すると、ついさっきまであった
門や寺が無くなっていた。
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