悪い魔女

底に

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第5章 南の島が呼んでいる~

探れ、この国の謎を~

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使用人に案内され
私達は別室へと行った。

そこには王子様の格好をした
ミャーがいた。

「ニナ、みんな。無事だったんだね」

「ミャーあなた、王子だったのね」 

「え?ああ、そうみたいだね。まだ記憶は取り戻せてないんだ」

「そうなのね、、私達は無事よ、今のところはね」

重たい沈黙が流れる。

「記憶がまだ戻ってないのなら、地上への戻り方も知らなさそうね」

「力になれずに申し訳ない」

「いいのよ!何か事情があるんでしょう。それより、今は作戦会議をしましょう!勿論、ミャーもいれてね」

「でもニナ、ミャーに話したら王様に筒抜けなんじゃないのか?」

「んー、少なくても、ミャーが海岸に居たってことは、ここから出たくて出たんじゃないのかな?わざわざ正規ルートを使わず、海に居たってことはね」

「僕も記憶が戻るまではニナ達に協力するつもりだ。助けてもらった恩もあるしね」

「ニナっちでも何か良い案あるの?」

「さっきも言ったとおり、この王宮から出られても、地上への脱出方法が分からない限り、迂闊うかつに動けないわ」

「じゃあこのまま、じっとしているの?」

「いいえ、まずは手分けしてこの部屋を調べ、周りにいる人へお話を聞きに行きましょ。その上で再びここに戻り、作戦を立てる」

「なるほど、敵を知り己を知れば百戦危うからず、みたいな感じか」

「チョット、ナニイッテルカ、ワカラナイ」

「ニナは少しは勉強しよう」

「とりあえず役割を決めるわ。私とネコとクライはこの部屋を調べる。ミャー、チルル、ローラは周りの人に何でも良いから情報を聞き出して。じゃあみんなよろしく!」

私達はそれぞれ別れ
情報を探しに行った。

私も早速調べ始める。

「この部屋は応接間みたいなところね。ミャーのブレスレットにあった紋章と、同じものが至るところに描かれているわ」

「そして周りの装飾品の様なものは、どれも手入れされているが、年季の入ったものが多い。かなりの歴史があるな」

「アタイもそう思うわ。あ、見て!ここに本棚がある」

部屋の端の方に何冊か本が置いてあった。

その1つに

φ ヘラクレイオンの歴史 φ

「歴史書か、ちょうどこの国について知るのには良いんじゃないのか?」

「そうね、、とりあえず見てみましょ」

私達は一通り目を通し
大事なところをメモした。

まとめるとこんなかんじだ。


θθθθθθθθθθθθθθθ

昔、この島は1つの国だった。

しかしある時、跡継ぎの問題で
国は長男側と長女側に分断。

争いの末、長男側は敗れ国を追われる事になった。

長男は長女から逃げるため、地下に特別な魔法を施し、そこに国を作った。

そしてまたいつの日か、地上へと戻ることを目指し、地下への道を封印したのであった。

我々の苦悩の日々が終わる日も近い。

【王蘇りし時、天地は逆転する】

θθθθθθθθθθθθθθθ


「どうやら戦争があって、1つだった国が分かれ、揉めている感じなんだね」

「王蘇りし時って書いてあったから、何か企んでいるのかもね」

「闇が深そー」

この部屋にはその歴史書、くらいしか情報はなかった。

私達はミャー達を待つことにした。

10分ほどして、ミャー達が戻ってきた。

「いやー、良い情報が手に入ったよ。ニナ達は?」

「私達もよ、とりあえずこれを見て」

ミャー達に歴史書を見せ
簡単に内容を話した。

「ミャー、何か王が復活するとかそんな話、覚えてない?」

「うーん、残念ながら、全然ピンときてないな」

「そうなのね、、じゃあさっき言っていた良い情報っていうのは?」

「あ、それなんだけど。ある使用人がこんな事を言っていたんだ」

使用人はこう言っていたらしい。

《あら王子様、お戻りになられて良かったです。争いを終えるために、単身であちらのお国に行かれたと聞いた時は大変驚きましたよ。でも無事でなによりです》

またある兵士は

《ここから出る方法?まあ、転移装置によるのが正規ルートかな?海から行く方法もあるけど、生きて帰ってきたやつはいないって聞くよ》

とも言っていたそうだ。

「よくそこまで詳しい話を聞けたわね」

「チルルの魔法で相手の注意をそらしつつ、新人の兵士の振りをしたら教えてくれたよ。意外とズボラだったなあいつら」

「なるほどね、、でもこれである程度、ピースはそろったわ。あとは作戦会議ね」

私達は部屋の中央に集まり
こっそり作戦会議を始めた。

これから先起こるであろう
嵐を予感させるほど
いやに部屋は静かであった。
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