悪い魔女

底に

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第5章 南の島が呼んでいる~

地上への脱出~

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海底都市、ヘラクレイオンから脱出するには、転移装置による正規ルートが現実的だ。

私達はさらにそれがどんな方法で、誰が行けるのかを調べることにした。

「ネコ達がここに連れてこられた時、お寺ごと転移してきたんでしょ?それはどこにあったの?」

「なんか機械がいっぱいあった部屋だった。
降り立ったすぐに僕達は眠らされたけど」

「多くの機械がある部屋。乗っていたのはお坊さん1人だけだった?」

「うーん、乗っていたのは1人だけだったと思う。他に遠隔で操作していた人はいるかもだけど」

「なるほどね、、まあとりあえずやってみましょう」

私達は作戦を立て、部屋を出た。

まずミャーが使用人などに、そのお坊さんにお礼がしたいから会いたいと言い、探して回る。

その間私達はチルルの魔法で気をそらしつつ、隠れながら行動。

ある使用人によると
《今は王宮4階の空き部屋で休んでいらっしゃいますよ》

とのことだった。

私達は急いでそこに向かった。

コンコン ガチャ キィィ

「失礼します。誰かいらっしゃいますか?」

「おお、王子様。どうされました?」

私達は隠れながら中の様子を伺う。

あの時会ったお坊さんが、格好を変え、椅子に腰かけていた。

「いえいえ、あの時のお礼がまだだったなと思い、是非今できないかなと」

「おお、なんと恐れ多い。私は当たり前の事をしたまでです。王子様は【蘇りの儀式】に重要なお方でもありますので」

「あー、僕、実は記憶を少し失っていて、もし良かったらその話、詳しく聞けないかな?」

「ええ、良いですとも」

元お坊さんは計画の全貌を話し始めた。

χχχχχχχχχχχχχχχ

現在まで続いている、地上側と地下側との争い。

それに終止符を打つため、私達はヘラクレイオンの初代王様を復活させ、その魔力によって地上の町を殲滅する計画をたてました。

初代の遺体を掘り起こし、魔力を注ぎ込み、蘇生の魔法をかけ続けておりました。

あとすこしで魔力は満タンになります。

そして最後は15代先のあなた様の血液により、儀式は完成するのです。

χχχχχχχχχχχχχχχ


「とにかく王子様が無事でよかったです」

そんな計画があったのか。

なんとかそれが完成する前に、ここから脱出しないと。

私はミャーに合図を出す。

コクリ

「そこでなんだけど、どうやら僕は地上に王家に受け継がれている秘宝をどこかに落としてしまったんだ。ちょっとあの装置、動かせないか?」

「ええ?そうなのですか!?それは大変ですね、すぐに行きましょう」

よし、作戦成功だ。

「でも、

え?もしかして…

「バレバレですよ。王子様はここでお待ちください」

お坊さんが立ち上がり、こっちに向かってくる。

ネコが小声で

「どうする?ニナ」

「うーーん、、仕方ないわね」

バッ 私は前に出る。

「チルル、ちょっと手伝って」

「オッケー」

私は杖を抜き、元お坊さんに向ける。

『ゲーム』!!

「な、なんだ!?」

ボワン ゲームの支配人が出る。

『これからゲームを行い、負けた方は相手に5分だけ洗脳されます。賛成なら5秒間目を合わせないで下さい』

「何を突然言っているんだ。訳がわからない。」

私はチルルに向かって

「気をそらす魔法を!」

「オッケー」

チルルは杖を取り出し

『クラブ』!!

元お坊さんの注意を、チルル自身へとそらさせた。

「な、なんだ、、顔が勝手に…」

グイッ,グイッ グイィィ

5秒が立ち、目が合わなかった。

『ゲーム参加意思を確認。ゲーム内容は5秒間で、触れた人数の多い方が勝ち。ゲームスタート』

カンッ!

「みんな、私に手を!」

クライ、ローラ、チルル、そしてミャーが私に手を合わせる。

「な、何をするんだ、、やめろ!私は洗脳されないぞ!王子様、王子様ーー!!」

『ゲーム終了。勝者ニナ』

支配人は杖へ戻る。

「ふう、時間は限られているわ!すぐに向かいましょう」

私達は元お坊さんの案内の元、機械室へ向かい、転送装置を起動させた。

「よし、とりあえずここから出れるな。さあ、みんな早くのって」

次々と乗り、最後は私の番になった。

「ニナも早く」

「あー、まだやり残した事があるから、私は行けないかな」

「え?な、なにがあるんだ?」

「ブルススがまだどこかにいるはずなの、どこにいるかは大体予想はつくんだけど。私はそれを終わらせてからいくわ」

「じゃあ僕らも…」

「いや、ネコ達は先に地上にいって、この事を学園や他の人に伝えていて。もしも【蘇りの儀式】が完成してもすぐに逃げられるように、、準備をね」

「ニナっちダメだよ!一緒に行こうよ」

「クライ、、もう時間だよ。じゃあ、、またね」

「ニナ、分かった。任せるよ」

プシュッ 

扉が閉まり転移装置が作動した。
そして地上へと向かっていった。

「さて、私もそろそろ行きますか」

正規ルートとは違う別ルート
来た道を戻ることになる。

ブルススは必ず生きている。
そしてそこにいるはずだ。

さらに厳しくなった脱出
私の足取りは重くなったが
それは一歩一歩進着実に
前へと進んでいたのだった。
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