悪い魔女

底に

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第6章 確率は50%

完成度85%

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ヌヌヌヌヌ

巨大な青年がワインを片手に
ゆっくりと現れた。

〖やあ、君達がかな?〗

青年はとても優しい微笑みを
私とネコに向ける。

「選ばれたモデル?果物の後を付いてきただけだけど、、」

〖うんうん、リンゴンにザックロ君に選ばれたってことね。確かに、若いのに色んな修羅場をくぐり抜けてきているね〗

青年は、顎に手を当て
ふむふむと私達を見定めている。

「あのー、あなたは誰なんですか?私達に何か用なのですか?ここからどうすれば出れるのですか?」

私は青年に尋ねた。

〖うーん、質問が多いなあ。僕が誰か何てどうでもいいんだ。所詮、僕も作品の為のモデルに過ぎないのだからね〗

「ニナ、、この人って有名な絵画の人なんじゃないのか?」

「え、そうなの?うーん、見たことあるような無いような」

〖いいのさ~僕のことは。僕は作品を完成させたいだけなのだからね〗

「作品を完成?」

〖そう、僕はあの男、ここの美術館の館長であるポーラに描き変えられた絵なんだ。日々変化し続けるこの絵、この作品を終わらせて欲しいんだ〗

「終わらせるって言っても。。ポーラに頼めばそんな風に描き変えてくれるんじゃないの?」

〖ふざけるな!あんなやつ!美術センスの欠片もない!あいつが館長になれたのも、杖だけじゃない、作品事態の努力があったからなんだ!〗

急に怒り出した青年
逆鱗に触れてしまったようだ。

「そ、そうなのね。ごめんなさい」

〖ああ、いいんだ。君達は悪くない。この作品は確かに今でも素晴らしい。しかし足りないんだ。何か、刺激的なものが〗

「つまりこの作品を完成させたらここから出れるって事ね」

〖うん。僕がポーラにかけあってあげよう。とりあえず今現状のこの作品をみて貰いたい〗

パチパチ

青年が二回手をたたくと

ゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロ

果物達やそれを入れるカゴ
髪飾りやソファーなどが
定位置についていく。

ゾロゾロゾロ スッスッスッ スゥッ ピタッ

全員が止まった。
どうやらこれが今の作品らしい。

〖どうかな?〗

「え、えーっと、、果物は肉々しくて、新鮮で美味しそうだわ。衣服も清潔で良いと思うけど」

「僕もそう思うかな。まあでも確かにインパクトは無いのかもだけど」

〖そう、、ありがとう〗

青年は少し悲しそうにうつむく。

〖僕自身もそうだけど、この果物達をどうにかしたいんだよね。だから彼ら自身に変化をもたらしてくれる人を選ばせたんだ〗

「な、なるほど。でも私達に何か出きるとは思えないけど」

〖大切な僕の仲間が選んだ君達。きっと役にたつさ〗

スーーー

リンゴとザクロが私達の前に来る。

〖ほら、喋っていいよ〗

《お、ほんまかいな!お嬢さんよろしゅうな~》

〈猫さんよろしくね♪〉

リンゴとザクロが喋り始めた。

「や、やっぱり喋るのね!」

《当たり前や!果物も生き物や!覚えとき!》

〈まあまあ、私達の大切なモデルさんですからね〉

《そうやったな!すまんすまん》

「は、はぁ。それで私達は何を?」

〈そうそう~あなた達は私達と一緒に【ゲーム】をやって貰います♪〉

《楽しい楽しいゲームさかい。安心して~》

この世に、安心して、という言葉ほど
怖い言葉はない気がする?

脱出と謎を解くために
私達はゲームへの参加を余儀なくさせられた。

世にも不思議な、ゲーム、に、、
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