悪い魔女

底に

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第6章 確率は50%

自信100%

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「ゲーム?」

《そうやで~今からルール説明をするさかい、よう聞いとくんや。まあ、といってもシンプルだけどな》

リンゴンはワインで文字を書く。


 ‡ アルスの箱 ‡


△ルール△

1.2チームに別れて行うゲーム

2.お互いに順番に、アルスの箱からモノを取り、それを使って芸術作品を作る。

3.より芸術性の高い作品を作ったチームの方の勝利。判定はアルスの箱が行う。

《以上やで~むっちゃシンプルやろ~》

「あ、アルスの箱…聞いたこと無いわ」

〈うふふ、すぐに分かるわ♪〉

ザックロはバスケットの中のから
縦横15cm位の箱を取り出した。

正面にはハテナマークがあり
上面には取り出し口がある。

《ここには色んな物が入っているねん。まあ何が入っているかは始まってからのお楽しみやな~》

「ふーん。それで、ただゲームするって訳じゃないでしょ?何か条件があるの?」

《お、そっちから聞いてくれるんか。そうやで、ウチらが勝ったらアンタらの体、頂きたいんや》

「なっ!果物っていつもそうですね!私達のことなんだと思ってるんですか!?」

《いやそんな有名なゾンビマンガの広告じゃないんだから。ウチらポーラに生命与えられたんだけど、それは絵画の中での話なんだよね》

リンゴンは続ける。

《だから探しとったんや。ちょうどいい体、をな。それでアンタらが選ばれたってわけ》

「なるほどね。あなた達の言いたいことは分かったわ。でもそのゲームをやって私達は何が貰えるの?」

《何にも。まあこの絵から出させてあげられるけど。美術館からの脱出はポーラ自身じゃないと無理なんや》

「なにそれ!じゃあ私達はやるわけないじゃん!ネコ!ほっとこ」

「ああ、ニナ。そうしたいのはヤマヤマなんだが、、どうやら僕達に選択権は無いらしい」

「何言って…あれ?」

ジリジリジリジリ

他の果物達が私達を囲む。

《そう。アンタらに拒否権も無いしゲームでって言うのも凄い譲歩した方やで。ウチの大将が止めんかったら無理矢理でも奪ってたわ》

ニッコリ

巨大な青年が微笑みかける。

〖勿論さ。何事も強引は芸術的じゃないからね。頑張って~どっちも応援しているよ〗

青年が手を振っている。

「どうやらやるしか無さそうね」

「だね」

ネコと私はリンゴン達を見る。

《よっしゃ。ほなやろうや。1回勝つごとに1ポイント。先に3ポイントとった方が勝ちってことで》

〈チームは勿論、リンゴンとザックロ。ニナさんとネコさんに別れてですね♪2つの物を上手く組み合わせ作りましょうね♪〉

いよいよ始まるアルスの箱ゲーム。

私はネコに聞く。

「ネコ、美術の成績ってどれくらい?」

「ふっ、筆記は満点だけど実技含めたら平均点だ」

「つまりセンスゼロって事ね」

「そう言うニナはどうなんだ?」

「私は筆記も実技も赤点ギリギリよ」

「つまり勝ち目無し、ってことか」

「「ハッハッハッハッ!」」

もう二人とも笑うしかない。

でも笑うと元気と勇気が出る。

「向こうも芸術センス0に掛けるか」

「ええ。それか正攻法で戦うか」

「そういうのだけは得意だよな、ニナって」

「だけは余計よ」

何故だか分からないが
自信だけは込み上げてくるのが
不思議だなあと我ながら思う
私であった。
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