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第6章 確率は50%
公平さは-100%
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《どういうことだ!説明しろ!》
「あらあら、元気がいいのね。そんなにしおしおになってしまって」
《僕の魂達を、君が、君達が奪ったせいじゃないか!なんてことをしてくれたんだ!》
「あなたがゲームに勝ったからこうなったのよ。このゲームにね」
スッ
《そ、それは!》
「ご存知の通り、これは【アルスの箱】。リンゴンやザックロが持っていたものよ」
《それをなぜ君が、、いつ、、はっ!あの時か!》
「そう、聴覚と視覚がなくなった時、私は魔力を使ってアルスの箱がある場所に転移したのよ」
《転移?だから魔力が失っても現れなかったのか。しかしだからどうしたというのだ?僕はそのゲームには参加はしていないぞ》
「そう、あなたは参加しなかった。私達は物言わぬ身体達にゲームを挑んだのよ」
私は続ける。
「ゲームは【私の魂とブドウトゥにとらわれている魂達】vs【私の身体と魂のない身体】という内容よ。リンゴンやザックロは魂はあったけど、果物で身体を求めゲームした。私もそれを利用したってこと」
「僕も作戦の時にそれを聞かされてビックリしたよ。成功するかは一か八かだったけどね」
「ブドウトゥ、あなたが言ったのよ、【この一粒一粒が魂の結晶なんだよ】って。つまりそれらは果物であり、リンゴンと同じような状態。私とネコも魂を取られたらそうなるから、どっちみち返ってくるかなって、」
《ぐ、、しかしそんな事ができるのか》
「できたからここにいるのよ。アルスの箱にもタイムリミットがあり、それを過ぎたら負けなのよ。それをあなたが勝った後に調整しただけ」
《しかし、しかし!僕が少しでも遅れて勝ちを宣言していなければ、ニナの魂を抜いていなければ、他の魂は別として、君は元には戻れなかったんだぞ!どうしてそんな事ができるんだ!ありえない!》
「そうね。でもそれが」
私とネコは顔を見合わせながら答える。
「「それがゲームだから」」
《ぐぐぐぐぐぐ、、、くそぉーー!!!》
「さあ次はあなたの番よ。明らかにあなたの盤の数字のみ読まれていたじゃない。それに夢から覚めた後の事とか、詳しく聞かせてちょうだい!」
私とネコはシワシワになったブドウトゥに詰め寄る。
《…僕たち果物は目や耳、口はない。魂として動いたり話していたりするだけなんだ。だから視覚みたいな能力が奪われても問題はない》
ポツポツとブドウトゥは話し始める。
《だから相手に数字を取られても僕には何の効果もないんだ。だから相手が見たり聞いたりできないうちに、自分だけは読み上げてくれるロボット、ランジェに細工して数字を操作できるんだ》
「なっ!そんなことを!全然正々堂々じゃないじゃない!」
《当たり前だろ!これはゲームであって遊びでは無いんだ!》
「どこかで聞いたようなセリフね。まあいいわ、じゃあなんで夢から覚めた時は私達は見えたり聞こえたりできたのよ」
《それは君達を油断させる為だ。君達は夢の中で数字の効果を見た。並べ替えたり妨害できたりする事だ。それで自分達も2列揃っていたと思い込ませるためにな》
「な、じゃああの時点でもうほぼ負けだったのね」
《相手の能力を失わせる事もできるが、自分の能力を失ってもないのに取り戻す選択をすると何もなかったようになるんだよ》
「なるほどね、、聞きたいことは終わったわ。ありがとう。じゃあ私達はもう行くわ」
《ま、待て!どこへ行くんだ!もう一度僕と勝負しろ!》
私達はブドウトゥに背を向け
歩きながら話す。
「その必要は無いわ。あなた、芸術的でなかったもの」
《ど、どういうこt…》
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
ガシッッ!!! グィィィイイイイインンン!!
絵画から手が伸び
ブドウトゥを引きずり込んだ。
《な、誰だ!離せ!離せー!》
〖君は芸術を侮辱した。許さない〗
ギュゥゥゥゥゥウウウウウ
ギャァァアアアアア!!!?
ポタッポタッポタッ
〖ああ、なんて醜いワインなんだ。これもまた芸術〗
ブドウトゥは絞られワインとなった。
「私はアルスの箱の所に転移した。そこには芸術に厳しい青年がいたのよ。ついでにネコにその絵画を持ってきて貰ったのよ。小さくしてずっと後ろに隠していたけどね」
「ニナ、ブドウトゥはもう聞こえては無いみたいだぞ」
「ふふふ、独り言よ」
カッカッカッカッカッ
私達は魂の戻ったマイちゃんの元へと
その場をあとにしたのだった。
「あらあら、元気がいいのね。そんなにしおしおになってしまって」
《僕の魂達を、君が、君達が奪ったせいじゃないか!なんてことをしてくれたんだ!》
「あなたがゲームに勝ったからこうなったのよ。このゲームにね」
スッ
《そ、それは!》
「ご存知の通り、これは【アルスの箱】。リンゴンやザックロが持っていたものよ」
《それをなぜ君が、、いつ、、はっ!あの時か!》
「そう、聴覚と視覚がなくなった時、私は魔力を使ってアルスの箱がある場所に転移したのよ」
《転移?だから魔力が失っても現れなかったのか。しかしだからどうしたというのだ?僕はそのゲームには参加はしていないぞ》
「そう、あなたは参加しなかった。私達は物言わぬ身体達にゲームを挑んだのよ」
私は続ける。
「ゲームは【私の魂とブドウトゥにとらわれている魂達】vs【私の身体と魂のない身体】という内容よ。リンゴンやザックロは魂はあったけど、果物で身体を求めゲームした。私もそれを利用したってこと」
「僕も作戦の時にそれを聞かされてビックリしたよ。成功するかは一か八かだったけどね」
「ブドウトゥ、あなたが言ったのよ、【この一粒一粒が魂の結晶なんだよ】って。つまりそれらは果物であり、リンゴンと同じような状態。私とネコも魂を取られたらそうなるから、どっちみち返ってくるかなって、」
《ぐ、、しかしそんな事ができるのか》
「できたからここにいるのよ。アルスの箱にもタイムリミットがあり、それを過ぎたら負けなのよ。それをあなたが勝った後に調整しただけ」
《しかし、しかし!僕が少しでも遅れて勝ちを宣言していなければ、ニナの魂を抜いていなければ、他の魂は別として、君は元には戻れなかったんだぞ!どうしてそんな事ができるんだ!ありえない!》
「そうね。でもそれが」
私とネコは顔を見合わせながら答える。
「「それがゲームだから」」
《ぐぐぐぐぐぐ、、、くそぉーー!!!》
「さあ次はあなたの番よ。明らかにあなたの盤の数字のみ読まれていたじゃない。それに夢から覚めた後の事とか、詳しく聞かせてちょうだい!」
私とネコはシワシワになったブドウトゥに詰め寄る。
《…僕たち果物は目や耳、口はない。魂として動いたり話していたりするだけなんだ。だから視覚みたいな能力が奪われても問題はない》
ポツポツとブドウトゥは話し始める。
《だから相手に数字を取られても僕には何の効果もないんだ。だから相手が見たり聞いたりできないうちに、自分だけは読み上げてくれるロボット、ランジェに細工して数字を操作できるんだ》
「なっ!そんなことを!全然正々堂々じゃないじゃない!」
《当たり前だろ!これはゲームであって遊びでは無いんだ!》
「どこかで聞いたようなセリフね。まあいいわ、じゃあなんで夢から覚めた時は私達は見えたり聞こえたりできたのよ」
《それは君達を油断させる為だ。君達は夢の中で数字の効果を見た。並べ替えたり妨害できたりする事だ。それで自分達も2列揃っていたと思い込ませるためにな》
「な、じゃああの時点でもうほぼ負けだったのね」
《相手の能力を失わせる事もできるが、自分の能力を失ってもないのに取り戻す選択をすると何もなかったようになるんだよ》
「なるほどね、、聞きたいことは終わったわ。ありがとう。じゃあ私達はもう行くわ」
《ま、待て!どこへ行くんだ!もう一度僕と勝負しろ!》
私達はブドウトゥに背を向け
歩きながら話す。
「その必要は無いわ。あなた、芸術的でなかったもの」
《ど、どういうこt…》
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
ガシッッ!!! グィィィイイイイインンン!!
絵画から手が伸び
ブドウトゥを引きずり込んだ。
《な、誰だ!離せ!離せー!》
〖君は芸術を侮辱した。許さない〗
ギュゥゥゥゥゥウウウウウ
ギャァァアアアアア!!!?
ポタッポタッポタッ
〖ああ、なんて醜いワインなんだ。これもまた芸術〗
ブドウトゥは絞られワインとなった。
「私はアルスの箱の所に転移した。そこには芸術に厳しい青年がいたのよ。ついでにネコにその絵画を持ってきて貰ったのよ。小さくしてずっと後ろに隠していたけどね」
「ニナ、ブドウトゥはもう聞こえては無いみたいだぞ」
「ふふふ、独り言よ」
カッカッカッカッカッ
私達は魂の戻ったマイちゃんの元へと
その場をあとにしたのだった。
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