悪い魔女

底に

文字の大きさ
93 / 119
第6章 確率は50%

全ては100%の為に

しおりを挟む
『次、【24】デス』

《ククク、また揃ったぞ。今度はアンボ、だ。聴覚を頂こう》

宣言通り、私達は何も聞こえなくなった。

もうこれで作戦会議もできない。

ランジェはテレパシーで
数字を伝えて来る。

『次は【16】デス』

《………!》

ブドウトゥが何を言っているか分からないが、様子からしてまた揃ったのだろう。

明らかにおかしい。
しかし視覚を失くされ
私達は無の境地に立たされた。

何も聞こえない
何も見えない。

なぜブドウトゥの盤の数字のみ当たるのか。
なぜ私達は一つも当たってないことになっているのか。
なぜ今度は能力を失くしているのか。

なぜ、なぜ、なぜ。

でもやるしかないのね。

私は手を伸ばし、握る。

ギュゥゥウウウ

暖かな手、柔らかい手。

ああ良かった。
まだこの感覚は残っていたのね。

そして私は、、、消えた。

■■■■■■■■■■■■■■■

    ■ネコ視点■

遂に視覚も奪われたか。

こうなったら
ニナの作戦通りにするしかないか。

僕は手を伸ばす。

ギュゥゥウウウ

力強い手、柔らかい手。

合図が来た。
よし、やろう。

そして僕は、、、両手を後ろへ回した。


▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲

   ●ブドウトゥ視点●

《次は【16】デス》

『また揃った。今度はテルノ、だ。まあ聞こえてはないのだがな。ククク、所詮は子供。経験が違うのだよ』

シュッッン!! バッ!!

『な、なんだ!ニナが消えたぞ!まだ魔力は使える筈だ。どこへ行った!』

キョロキョロ キョロキョロ

『いない、、一体どこへ…』

《次は【89】デス》

『まあいい、これでクアテルナ。魔力も失くなった筈だ。邪魔はもうできない!さあ!早く最後の数字を!』

《次は【6】デス》

『チンクイナ、そして、、トンボラ!!終わりだ!』

シュゥゥゥウウウウ

『これで魂が2つ獲得か。もうすぐだ。復讐の時間まで!クククク、ハハハハハ!!』

▲▼▲▼▲■■■■■◆◆◆◆◆

「あら、随分と楽しそうね」

『!!??ニナ!?ど、どこから来た!もう魂は無いはずだぞ!』

「ニナ、魂が無いのか?」

「魂なんて元からあるのかしら。見たこと無いから分からないわね」

「全く、ニナらしい回答だ」

『なっ、ネコまでも!なぜ喋っていれられる!何をしたんだ!』

「それはこっちのセリフよ。一体どんなことをすれば、あなたの数字ばっかりが読み上げられるのかしら?」

『そ、それは…』

「まあいいわ。あとでゆっくりと聞くわ」

そう、ゆっくりと

がね」

ボワン ボワン ボワンボワンボワン

『た、魂たちが!!待て!待つんだ!!せっかく集めたのにぃぃぃい』

魂達が持ち主の所へ帰って行く。
絵画から次々と人が出て来た。

全く、人騒がせなブドウな事だな。
私は染々と思ったのだった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

万物争覇のコンバート 〜回帰後の人生をシステムでやり直す〜

黒城白爵
ファンタジー
 異次元から現れたモンスターが地球に侵攻してくるようになって早数十年。  魔力に目覚めた人類である覚醒者とモンスターの戦いによって、人類の生息圏は年々減少していた。  そんな中、瀕死の重体を負い、今にもモンスターに殺されようとしていた外神クロヤは、これまでの人生を悔いていた。  自らが持つ異能の真価を知るのが遅かったこと、異能を積極的に使おうとしなかったこと……そして、一部の高位覚醒者達の横暴を野放しにしてしまったことを。  後悔を胸に秘めたまま、モンスターの攻撃によってクロヤは死んだ。  そのはずだったが、目を覚ますとクロヤは自分が覚醒者となった日に戻ってきていた。  自らの異能が構築した新たな力〈システム〉と共に……。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【12月末日公開終了】これは裏切りですか?

たぬきち25番
恋愛
転生してすぐに婚約破棄をされたアリシアは、嫁ぎ先を失い、実家に戻ることになった。 だが、実家戻ると『婚約破棄をされた娘』と噂され、家族の迷惑になっているので出て行く必要がある。 そんな時、母から住み込みの仕事を紹介されたアリシアは……?

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた

下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。 ご都合主義のハッピーエンドのSSです。 でも周りは全くハッピーじゃないです。 小説家になろう様でも投稿しています。

最愛の番に殺された獣王妃

望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。 彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。 手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。 聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。 哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて―― 突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……? 「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」 謎の人物の言葉に、私が選択したのは――

次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢

さら
恋愛
 名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。  しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。  王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。  戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。  一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。

処理中です...