悪い魔女

底に

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第6章 確率は50%

不確定は4.44…%

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『次は【49】デス』

ランジェは淡々と数字を読み上げている。どうやら私達にお構い無しに、ゲームは進むようだ。

私は急いでネコを起こす。

「ネコ!早く起きて!」

「んぁ?あれ、さっきまでのは…」

「私達ブドウトゥに眠らされてたのよ」

「そうなのか、、変な夢だったな。それで勝負は?」

「まだ続いているわよ。それも悪い方向に。残念ながらね」

私は簡単な流れをネコに説明した。
ブドウトゥに夢を見せられていたこと。
もう正々堂々と戦うということ。
そして何故か向こうが圧倒的に有利な状況だということを。

「なるほど、でもおかしくないか?確か何個か揃ったら僕たちの聴覚や視覚などの能力が失われるはずじゃなかったのか?」

「そうなのよ。ブドウトゥは2列も揃ってて、私達はまだ0。それなのに普通に話せているのって、、何かの能力か効果が絡んでいるのかもね」

《長い作戦会議の中悪いが、僕はもう3列目に入らせて貰うよ。【49】もヒットだ》

またまたブドウトゥの盤上の数字が埋まる。

残り4つ読まれたら私達の負けになってしまう。

「ちょっと!おかしいじゃない!絶対に何かずるいことしてるんじゃないの?」

《そんなことはない!あくまでもルールに則ってやってるだけだ。君達が眠っている間に色々あっただけさ。あとは単純に、運が良いだけ、かな?》

『では次の数字を読み上げマス』

ランジェは相変わらずお構い無しに進行を続けようとする。

「ちょ、ちょっとタイム!ターイム!私達は眠らされてて、状況が分かっていない。何が起こったのか教えてくれないのなら、せめて考える時間をちょうだい。もし、正々堂々とやるのならね」

《ふむ、それもそうか、ランジェ。5分だけ待ってくれ》

『分かりマシタ』

「す、少ないわよ!もっと待ってよ!」

《あくまで僕と君達は敵同士なんだ。友達とゲームで遊んでるわけではないんだぞ》

「うっ、、分かったわ」

私とネコは作戦会議を始める。

内容を聞かれないように
認識阻害の魔法もかけた。

「よし、これでひとまず安心ね」

「うん、急いで状況整理と対策を練ろう」

「そうね、、夢で見せられたのが事実もあるなら、揃った時の数字の効果で色々と盤上の見方は弄れたはずよね」

「恐らくそうだね。僕達の視覚とかの能力を失くすのを、僕達も列が揃っているから打ち消しあっている。そう考えるのが妥当だよね」

「その仮定の元に、どうやって動いていくか、、」

『残り1分です』

ランジェからタイムリミットを知らされる。

「やばい!とりあえずやりながら考えるしかないのかも!」

「あと最短でも4回連続で向こうの数字が読まれたら僕たちの負け。逆に言えばそれまでに何か方法を見つけないと」

「そうね、でも最後に少しだけ」

ゴニョゴニョゴニョゴニョ

私はネコと短く言葉を交わす。

『時間です。それではゲームを再開します』

《有意義な作戦会議になったのかな?》

ブドウトゥは嘲笑しながら話しかけてきた。

「ええ、とてもね」

《そうか。期待しているよ》

これは決して運頼みでは勝てない。

勝利の女神は自分達の手で
振り向かせるしかないのだった。
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