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第6章 確率は50%
勝ち筋は①%
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タッタッタッタッタ ハァハァハァハァ
どれくらい走っただろうか。
私はソレモン、YO梨から逃げた。
恐らくポーラの魂はずっと私に付いてきているだろう。
この美術館にいる限り
勝ち目はないはずだ。
ん?まてよ、、という事は…
ピタッ
私は立ち止まった。
「ポーラ、そこにいる?」
スゥゥゥゥ
〖何かな?〗
「あなたは一体、何を待っているの?私達はもう限界よ。これ以上何をしろと?」
〖ふむう。君は【八百万の神】の話をしっているかね?〗
「えっ、突然何なの…」
〖まあまあ、とりあえず聞いておくれ。物にはそれぞれ神様が宿っている、という説がある。私は見たことがないからそれが本当かは分からない。だがしかし、物には魂が宿っている。これは真実なのだ〗
「私達人間や獣以外も、魂を持っている、ということなの?植物はともかく、エンピツや消しゴムにも魂が宿っているなんて考えられないわ」
〖そうだろう、そうだろう。だが事実だ。現に私は美術館の魂を抜き私の絵の中に入り込ませたのだから〗
「び、美術館の魂!?そんな事が可能なの?」
〖ああそうだ。伝説の杖、【アポロン】に不可能はない。ゼロから出来た物などない。特に建物は職人や地主など、色んな人の思いが詰まって出来ているんだ〗
ポーラは続ける。
〖問題はそれらの思いが、どこに集約されるか、だ。そこに核があり、魂があるんだ。それを解き放つには莫大な魔力が必要で、それを今貯めているんだ〗
さらにポーラは続ける。
〖芸術家はデッサンの時にその人や物の本質を見抜くクセが付いている。まあ最も、私もこの美術館に長年勤めてやっと、その核を見つけたのだが〗
「そもそもあなた、従業員で芸術家じゃないじゃない」
〖ハッハッハッ!言われてみればそうだな!【アポロン】は全ての芸術家の頂点に立てる力を持てる杖だ。絵の上手い下手など関係ない。私が魂を、本質を作るのだから〗
「なるほどね、、でも何で今日、美術館全体を取り込んだの?それとも元々取り込めていたのかしら?」
〖今日取り込める事が出来たんだ。美術館の魂の核の場所は見つかっていた。しかし、魔力が足りなかったのだ。でも君たちが来た〗
「私達が来て、魔力が貯まったの?何もしていないように思えたけど」
〖果物探しゲームをやったろう?あの時、私が魂を与えた果物達が全て、君たちの魂と共鳴したんだ。魂の共鳴こそ、魔力の源だからね〗
「だから私達を果物達と戦わせ、より共鳴しやすくさせている、と?」
〖物分かりが良くて助かるよ。命をかけた戦いこそ、より魂が剥き出しになる。今まで何人かの人が共鳴してきたが、今回の力はそんなもんじゃない。だから魔力が貯まり、今日美術館を取り込めたんだ〗
「私達のどこにそんな力が…」
〖さあね。そこまでは分からない。でも、君達は初めてリンゴンやザックロ、ブドウトゥに勝った。恐らくソレモンやYO梨には負けると思うが、そこでも魂の共鳴は起こるはずだ〗
「でも、私達が戦わず逃げたら?魂の状態で負けても、死ぬことはないんでしょう?」
〖そうだね。だけど元には戻らなくなるかな。君もカッハ・フエルテの部屋を見ただろう?魂は長い間身体を離れていると、元あった記憶や存在が薄れてくる。あれらは取られた魂のなれの果てさ〗
「!!?そんな!じゃあ、あそこにいる魂達は元には戻らない、って言うこと?」
〖そうなるね。だから例え君が私に勝っても、魂は戻るけど、記憶は元には戻らないんだ〗
「そ、そんな、、」
勝ち筋も見いだせない。
そして勝ったとしても絶望しかない。
私はあまりの衝撃に
愕然とするしかなかったのだった。
どれくらい走っただろうか。
私はソレモン、YO梨から逃げた。
恐らくポーラの魂はずっと私に付いてきているだろう。
この美術館にいる限り
勝ち目はないはずだ。
ん?まてよ、、という事は…
ピタッ
私は立ち止まった。
「ポーラ、そこにいる?」
スゥゥゥゥ
〖何かな?〗
「あなたは一体、何を待っているの?私達はもう限界よ。これ以上何をしろと?」
〖ふむう。君は【八百万の神】の話をしっているかね?〗
「えっ、突然何なの…」
〖まあまあ、とりあえず聞いておくれ。物にはそれぞれ神様が宿っている、という説がある。私は見たことがないからそれが本当かは分からない。だがしかし、物には魂が宿っている。これは真実なのだ〗
「私達人間や獣以外も、魂を持っている、ということなの?植物はともかく、エンピツや消しゴムにも魂が宿っているなんて考えられないわ」
〖そうだろう、そうだろう。だが事実だ。現に私は美術館の魂を抜き私の絵の中に入り込ませたのだから〗
「び、美術館の魂!?そんな事が可能なの?」
〖ああそうだ。伝説の杖、【アポロン】に不可能はない。ゼロから出来た物などない。特に建物は職人や地主など、色んな人の思いが詰まって出来ているんだ〗
ポーラは続ける。
〖問題はそれらの思いが、どこに集約されるか、だ。そこに核があり、魂があるんだ。それを解き放つには莫大な魔力が必要で、それを今貯めているんだ〗
さらにポーラは続ける。
〖芸術家はデッサンの時にその人や物の本質を見抜くクセが付いている。まあ最も、私もこの美術館に長年勤めてやっと、その核を見つけたのだが〗
「そもそもあなた、従業員で芸術家じゃないじゃない」
〖ハッハッハッ!言われてみればそうだな!【アポロン】は全ての芸術家の頂点に立てる力を持てる杖だ。絵の上手い下手など関係ない。私が魂を、本質を作るのだから〗
「なるほどね、、でも何で今日、美術館全体を取り込んだの?それとも元々取り込めていたのかしら?」
〖今日取り込める事が出来たんだ。美術館の魂の核の場所は見つかっていた。しかし、魔力が足りなかったのだ。でも君たちが来た〗
「私達が来て、魔力が貯まったの?何もしていないように思えたけど」
〖果物探しゲームをやったろう?あの時、私が魂を与えた果物達が全て、君たちの魂と共鳴したんだ。魂の共鳴こそ、魔力の源だからね〗
「だから私達を果物達と戦わせ、より共鳴しやすくさせている、と?」
〖物分かりが良くて助かるよ。命をかけた戦いこそ、より魂が剥き出しになる。今まで何人かの人が共鳴してきたが、今回の力はそんなもんじゃない。だから魔力が貯まり、今日美術館を取り込めたんだ〗
「私達のどこにそんな力が…」
〖さあね。そこまでは分からない。でも、君達は初めてリンゴンやザックロ、ブドウトゥに勝った。恐らくソレモンやYO梨には負けると思うが、そこでも魂の共鳴は起こるはずだ〗
「でも、私達が戦わず逃げたら?魂の状態で負けても、死ぬことはないんでしょう?」
〖そうだね。だけど元には戻らなくなるかな。君もカッハ・フエルテの部屋を見ただろう?魂は長い間身体を離れていると、元あった記憶や存在が薄れてくる。あれらは取られた魂のなれの果てさ〗
「!!?そんな!じゃあ、あそこにいる魂達は元には戻らない、って言うこと?」
〖そうなるね。だから例え君が私に勝っても、魂は戻るけど、記憶は元には戻らないんだ〗
「そ、そんな、、」
勝ち筋も見いだせない。
そして勝ったとしても絶望しかない。
私はあまりの衝撃に
愕然とするしかなかったのだった。
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