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第7章 秋雨の神酒を君にー
東の特待生、カブトー
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「あ、ども」
「ここは学園で魔法書量が多い場所、通称"LB"と呼ばれている場所だよ。と言ってもラ・スーメルの生徒なら普通に知っているか」
「ん?どうして私がラ・スーメルの生徒だと知ってるんですか?」
「ここはラ・スーメルの寮内だからね、それに君は有名人じゃないか、ニナさん」
「えへへ、それはどうも」
有名人と言われて悪い気はしない。
だてに中間と期末学年1位だったわけじゃないわね。
「入学式であんな目立った行動したら、誰だって記憶に残るよ」
「うっ」
そっちだったか、、
なるべく消し去りたい過去なんだけど…
「そういうあなたは?私どこかで見たことあるかも知れないけど」
「あー、挨拶が遅れましたね。僕の名前はカブト、トリノオスの生徒です」
「カブト、、って確か特待生じゃ無かったっけ」
「一応そうなってるね。ニナさんもでしょ?さっきの集会には来なかったようだけど」
「え?ああー、、そうね、そうだったわね」
そういえばそういう設定にしたんだっけ。
本物のラ・スーメルの特待生が出てきたら、後でみんなに謝ろう。
「集会はどうだったの?私は別の事に取り組んでて行けなかったけど」
「へぇー!ニナさんには転移魔法が適応されなかったのか!さすがラ・スーメル。特殊な魔法をご存知なんだね。集会は、まあとてもつまらない話だったから気にしなくてはいいかな」
「へ、へぇーそうなのね」
随分と私を買ってくれてる様だ。
バレた時めんどくさそうだが、説明するのもめんどくさいのでそのままにしておこう。
「それで、何しにここへ?」
「勿論調べ事よ、カブトこそどうして?まるで図書室の案内人みたいな事してるけど」
「僕はここの機械のメンテナンスに来たのさ。本や本棚の移動は、全部魔道具が使われているからね。定期的にトリノオスの生徒がメンテナンスに来るのさ」
「なるほど、だからある程度図書室内部には詳しいってことね。じゃあちょっと調べ事手伝ってくれる?」
「OK。今ちょうどメンテナンスが終わったところなんだ。一体何について調べるんだい?」
「えーっと…」
私は少し考える。
このまま謎の暗号文を渡してもいいけど
あのお婆さんとの出来事は話しても信じてくれなさそう。
うーん、あ、そうだ。
「実はみんなが集会に呼ばれている時、私は別の人に会っていて、この暗号文を渡されたの。それのヒントを探しにね」
「なるほど、、もしかしてそれもガオケレナ杯に関係するのかな?」
「そうかもしれないわね」
それもって事は、特待生の集会もガオケレナ杯関連だったのかしら。
だとしたら情報とか聞き出せないかな。
私がそんなことを考えていると
カブトは急に不機嫌そうになる。
「それじゃあ僕は協力できないね。そんなおとぎ話に付き合ってられないよ」
「え、急にどうしたの?」
「サンやベガにチームを誘われたけど、そんな与太話に付き合っているほど僕は暇じゃないからね。そういうことだから、じゃ」
カブトが去ろうとする。
だからネコはサン達と同じチームになったのか。
いや、そんなことより、カブトは誰とも同じチームになってなさそうだ。
こんなチャンス逃したら私は一人ぼっちでガオケレナ杯に挑まなくてはならなくなってしまう。
それだけは避けないと!
私は ガシッ カブトの腕を掴んだ。
「な、なにさ!」
「最後まで話を聞いてよね。いやー、私もガオケレナ杯とか全然、全く興味ないけど、暗号文とか謎は解きたくなっちゃうのよね」
カブトは恐らく科学的な人間だ。
伝説や作り話などを嫌うのだろう。
しかし裏を返せば理論に基づいた、パズル的な話なら食いつくはず!
私はもっと攻める。
「私知識はあるけど、こういうパズル的な頭を使うことは苦手なのよねー。それだけならまだしも、直接、物を作らないといけなさそうだし」
ピクッ
カブトが少し反応した。
よしよし、この調子だ。
「あーあ、誰かパズル得意で手先が器用な人いないかなー。いっぱい謎解かないといけないのに」
「そ、そういうことなら僕が手伝ってあげない事もないけd…」
「ホント!?じゃあ一緒のチームになってくれるわよね!ガオケレナ杯なんかそっちのけで謎を解きまくりましょー!」
「お、おー」
よしよし、これでボッチは回避できた。
本当は私はパズルも好きだし手先もまあまあ器用な方だ(だと思う)。
でももっと得意なのは
相手を騙すこと、だ。
何に役立つかはわからないけど…
こうして私とカブトはチームとなった。
しかし謎解きはまだ何も進んでいない。
カブトが有能な事を
失礼ながら祈る私であった。
「ここは学園で魔法書量が多い場所、通称"LB"と呼ばれている場所だよ。と言ってもラ・スーメルの生徒なら普通に知っているか」
「ん?どうして私がラ・スーメルの生徒だと知ってるんですか?」
「ここはラ・スーメルの寮内だからね、それに君は有名人じゃないか、ニナさん」
「えへへ、それはどうも」
有名人と言われて悪い気はしない。
だてに中間と期末学年1位だったわけじゃないわね。
「入学式であんな目立った行動したら、誰だって記憶に残るよ」
「うっ」
そっちだったか、、
なるべく消し去りたい過去なんだけど…
「そういうあなたは?私どこかで見たことあるかも知れないけど」
「あー、挨拶が遅れましたね。僕の名前はカブト、トリノオスの生徒です」
「カブト、、って確か特待生じゃ無かったっけ」
「一応そうなってるね。ニナさんもでしょ?さっきの集会には来なかったようだけど」
「え?ああー、、そうね、そうだったわね」
そういえばそういう設定にしたんだっけ。
本物のラ・スーメルの特待生が出てきたら、後でみんなに謝ろう。
「集会はどうだったの?私は別の事に取り組んでて行けなかったけど」
「へぇー!ニナさんには転移魔法が適応されなかったのか!さすがラ・スーメル。特殊な魔法をご存知なんだね。集会は、まあとてもつまらない話だったから気にしなくてはいいかな」
「へ、へぇーそうなのね」
随分と私を買ってくれてる様だ。
バレた時めんどくさそうだが、説明するのもめんどくさいのでそのままにしておこう。
「それで、何しにここへ?」
「勿論調べ事よ、カブトこそどうして?まるで図書室の案内人みたいな事してるけど」
「僕はここの機械のメンテナンスに来たのさ。本や本棚の移動は、全部魔道具が使われているからね。定期的にトリノオスの生徒がメンテナンスに来るのさ」
「なるほど、だからある程度図書室内部には詳しいってことね。じゃあちょっと調べ事手伝ってくれる?」
「OK。今ちょうどメンテナンスが終わったところなんだ。一体何について調べるんだい?」
「えーっと…」
私は少し考える。
このまま謎の暗号文を渡してもいいけど
あのお婆さんとの出来事は話しても信じてくれなさそう。
うーん、あ、そうだ。
「実はみんなが集会に呼ばれている時、私は別の人に会っていて、この暗号文を渡されたの。それのヒントを探しにね」
「なるほど、、もしかしてそれもガオケレナ杯に関係するのかな?」
「そうかもしれないわね」
それもって事は、特待生の集会もガオケレナ杯関連だったのかしら。
だとしたら情報とか聞き出せないかな。
私がそんなことを考えていると
カブトは急に不機嫌そうになる。
「それじゃあ僕は協力できないね。そんなおとぎ話に付き合ってられないよ」
「え、急にどうしたの?」
「サンやベガにチームを誘われたけど、そんな与太話に付き合っているほど僕は暇じゃないからね。そういうことだから、じゃ」
カブトが去ろうとする。
だからネコはサン達と同じチームになったのか。
いや、そんなことより、カブトは誰とも同じチームになってなさそうだ。
こんなチャンス逃したら私は一人ぼっちでガオケレナ杯に挑まなくてはならなくなってしまう。
それだけは避けないと!
私は ガシッ カブトの腕を掴んだ。
「な、なにさ!」
「最後まで話を聞いてよね。いやー、私もガオケレナ杯とか全然、全く興味ないけど、暗号文とか謎は解きたくなっちゃうのよね」
カブトは恐らく科学的な人間だ。
伝説や作り話などを嫌うのだろう。
しかし裏を返せば理論に基づいた、パズル的な話なら食いつくはず!
私はもっと攻める。
「私知識はあるけど、こういうパズル的な頭を使うことは苦手なのよねー。それだけならまだしも、直接、物を作らないといけなさそうだし」
ピクッ
カブトが少し反応した。
よしよし、この調子だ。
「あーあ、誰かパズル得意で手先が器用な人いないかなー。いっぱい謎解かないといけないのに」
「そ、そういうことなら僕が手伝ってあげない事もないけd…」
「ホント!?じゃあ一緒のチームになってくれるわよね!ガオケレナ杯なんかそっちのけで謎を解きまくりましょー!」
「お、おー」
よしよし、これでボッチは回避できた。
本当は私はパズルも好きだし手先もまあまあ器用な方だ(だと思う)。
でももっと得意なのは
相手を騙すこと、だ。
何に役立つかはわからないけど…
こうして私とカブトはチームとなった。
しかし謎解きはまだ何も進んでいない。
カブトが有能な事を
失礼ながら祈る私であった。
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