悪い魔女

第7章 秋雨の神酒を君にー

緋黒、引かれ合う石達ー②

～中央第22の塔～

「うわ～。広ーーーー」

見渡す限りの広大な大地がそこにはあった。

しかしそれらは分断されており
草木が繁る草原や
火山で揺らぐ地帯
水一つ無い砂漠地帯など
不思議な風景が広がっていた。

「ここに魔法地理学の先生、オリクト先生がいるのね」

「そうみたいだね。僕たちもいつかここで授業するのかな」

私達は周辺を探してみるが
先生は一向に見つからなかった。

「うーん、これだけ広すぎると探すのが大変ね」

「色々な地帯があるからどこにいるのかも分からないしね」

とりあえず探し続けることにし
私達は砂漠地帯を歩いていると
地面に大きな矢印が書かれているのを見つけた。

「何かしらこれ？」

「さあ？でも矢印の方向に先生がいるんじゃないかな？」

私達は砂に書かれた矢印の方へ進んでいく。

するといきなり

ｽﾞｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｯｯ!!!!!

「うわああああ！！！なんだなんだ！！？」

「蟻地獄だ！飲み込まれる！！」

落とし穴の様に砂がどんどんと私達を飲み混んでいく。

そして遂に完全に飲み込まれ
私達は地下へ

落ちていった。

ｽﾞｻｻｻｯ　ｽﾄﾝ!　ｲﾀｯ!

「痛たた、ここはどこ？」

砂漠の地下へ来たはずなのだが
大人のバーみたいな空間がそこにはあった。

???「あら～いらっしゃ～い」

魅惑的なドレスを着た女性がカウンター席に座っている。

「も、もしかしてオリクト先生ですか？」

恐る恐る私は聞いてみる。

「そうよ。そしてようこそ、地下にある酒場、略して【チバー】に」

何だか巨大な遊園地がありそうな名前だな、と何となく思う私であった。