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離れていても、ずっと君を愛し続ける。(5)
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ぼくらはレストランを出た。ぼくと離れる決断をした彼女が、またぼくの隣に居てくれる。そのことにぼくは浮き足だった。
浮かれたぼくよりも少し先を行く彼女はタクシーを拾うと、運転手に声をかける。その後彼女に促され車に乗り込むと、タクシーはゆっくりと走り始めた。
「そう言えば、レストランの方は良かったの?」
今更ながら、支配人としての彼女の仕事を邪魔してしまったことを悔やんでいるぼくは、不安げな顔で尋ねた。
「大丈夫よ。今夜はもう客が来ないだろうから」
彼女はいたずらっぽく笑った。
「でも……」
「気にしないで」
「本当に?」
「ええ」
彼女は笑顔のまま、きっぱりとそう言い切った。彼女はそのまま黙ってしまうと、窓の外へ視線を流した。ぼくはそんな横顔をじっと見つめていた。
やがて、彼女は静かに口を開いた。
「ねえ、わたしたち、これからどうなるのかしら」
「わからないよ」
「そうよね」
「でも、君さえいればぼくは幸せだ」
「わたしもよ」
彼女は再び外を見やった。その横顔はどこか強張っているように見えた。もしかしたら、彼女はこれから先のことが不安なのかもしれない。今はぼくがどんなに言葉を重ねても、きっと彼女の不安を拭い去ることはできないだろう。でも、これから二人で日々を重ねて行けば、きっと……。
ぼくはそう思い口をつぐんだ。窓の外を流れる街の灯りをただ黙って見つめる。そのうちに、ぼくは眠ってしまったようだった。
肩を揺さぶられ目を覚ました。窓の外を見ると、自宅前だった。呆然と窓の外を見つめていると、初老の男性の心配そうな声が車内に響いた。
「ぼっちゃま……」
我が家の執事を務める男の声だった。
「どうして……?」
ぼくの掠れた呟きが聞こえたらしく、彼は答えた。
「あの方が、連絡してきたのです」
「そうだ。彼女は?」
「既にお帰りに」
その答えを聞いて、慌てて車を降りた。路地に彼女の姿を探したけれど、どこにも見当たらない。辺りはすでに真っ暗で、月明かりだけが頼りだった。ぼくは必死に探した。だが、彼女は見つからない。
ぼくの目に涙が滲んできた時、背後に人の気配を感じた。振り返ると、そこには父の姿があった。
「父さん!」
「おまえは、こんなところで何をしているんだ? それに、こんな時間までどこへ行っていた?」
「それは、その……」
「まさかとは思うが、あの女と一緒にいたわけではあるまいな」
父は射るような眼差しを向けてきた。ぼくは思わず目をそらし俯く。
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