新人魔女は、のんびり森で暮らしたい!

田古みゆう

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新人魔女に重く圧し掛かるもの(2)

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 そしてそれは国王マリアンヌも承知の上だったのだろう。そうでなければ、あのようにすんなりと話が進むはずないのだから。新たな政策を他国に対してアピールする。それにより国政の代替わりを国内外に印象づける。それが国王マリアンヌとリゼが目論んだ今回の出来事の全てなのだろう。

「はぁ~……」

 思わずため息が漏れる。それを耳ざとく聞きつけたかのように、突然背後から声を掛けられた。

「盛大なため息だな。ジュヴェントゥス様よぉ。一体どうした?」

 リッカが振り返ると、そこに居たのはジャックスだった。相変わらず就労斡旋の事務仕事よりも冒険者業の方が向いていそうないでたちだ。

「あ、ジャックスさん。こんにちは。もう、やめて下さいよ。その肩書で呼ぶのは」

 リッカが眉間に皺を寄せながら挨拶を返すと、ジャックスは「悪い悪い」と軽く謝る。

「しかし、本当に驚いたぜ。まさかこんなに早く称号持ちになるとはな。立派な魔女になりたいとは言っていたが、いや~、大したもんだ」

 そう言ってジャックスはリッカの頭をわしゃわしゃと撫でる。

「やめてくださいよっ! もうっ」

 リッカは不服そうな顔をジャックスに向けた。珍しく仏頂面を浮かべるリッカに、ジャックスは豪快な笑顔を引っ込める。

「機嫌が悪そうだな。またリゼの奴に無理難題でも押し付けられたか? 話なら聞くぞ? それが俺の仕事だからな」

 ドンっと自身の胸を拳で叩き、ジャックスがニカッと笑う。その笑顔はどこまでも暑苦しく、しかし頼りがいがある。ジャックスはリッカの愚痴に付き合う気満々で、ミーナの店へと足を向けた。リッカはジャックスに引きずられるようにして、彼の後ろをついていく。

 店に入るとミーナが笑顔で出迎えてくれた。

「あら、リッカちゃん。いらっしゃい。ジュヴェントゥス就任おめでとう」
「ミーナさんまで……」

 リッカはガックリと肩を落とす。その様子を見て、ジャックスは景気づけようと豪快に笑う。

「がはははっ! 名誉なことじゃねぇか。嬢ちゃんは何がそんなに気にいらねぇんだ? 誰かに何か言われたのか?」

 ジャックスはリッカに席を勧め、自分もその隣の椅子へ腰を下ろす。そして、「で?」と先を促した。

「別に陰口とかを言われたわけじゃないんですけど……。ただ、やっぱりわたしなんかが『次世代を担う賢者ジュヴェントゥス』なんて大層な肩書で呼ばれるのはおかしいと思うんです」

 そんなリッカの言葉にジャックスは「なんだそんなことか」と笑い飛ばした。
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