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清く、正しく、尊い絆(4)
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ヲタク心をまだまだ理解しきれていないアイドル一年生は、満開の笑顔を振りまきながらステージを楽しんでいる。
そういう全力な姿が、ヲタク心を擽るとわかってほしいものである。
推しの頑張る姿はいつだって最高にかっこいい。だけど、そんな姿をあまり見せつけないでほしい。
これ以上ファンが増えてしまったら。これ以上遠い存在になってしまったら……。
そんな独占欲が私の中でむくむくと膨れ上がる。彼がアイドルでいる限り、私はこの独占欲と戦わなければいけない。
それでも、やっぱり彼のことを応援したい。彼がアイドルとして活躍する姿を一番近くで見ていたいと強く願う。
想いを込めてじっと成瀬さんを見つめていると、彼がまたこちらを見た。全開の笑顔で手を振ってくれる。
ああ、やっぱりこの人は“アイドル”だ。私の“推し”なんだ。
胸が熱くなる。涙が出そうになるのを堪えながら、私はペンライトを振った。
この想いが、ほんの少しでも彼の力になりますように。
ウキウキとモヤモヤが交錯するうちに、MCの時間がやってきた。成瀬さんがマイクを手に取り、客席を見渡す。
「今日は来てくれてありがとう。こうして、みんなの前で歌える日が来るなんて、正直、まだ夢みたいです」
彼の素直な言葉が、まっすぐ胸に届く。
「デビューが決まってから、ずっと走り続けてきて……正直、しんどいこともあったけど、でも、応援してくれるみんなの声が、俺たちの背中をいつも押してくれます」
会場から拍手が起こる。私も、手が痛くなるくらい強く手を叩く。
「実は……個人的な話だけど、最近、ある人に“推し活”がどういうものなのかということを教えてもらいました」
その言葉に、心臓が跳ねる。まさか、と思いながらも、私は成瀬さんの顔を凝視した。彼は、まっすぐ前を向いている。私のいる方向とは少し違う。でも、なぜかその視線は私に向いているような気がした。
「その人が言ってたんです。“誰よりも熱く、誰よりも真剣に推しを推す”。それが推し活だって」
成瀬さんは、そこで一度言葉を区切る。会場中を真剣な目で見つめた。会場がしんと静まりかえる。誰もが成瀬さんの言葉を待っている。彼は、ゆっくりと口を開いた。
「……俺、その言葉をずっと忘れないでいようと思う。それほどの真剣な想いに応えるためにも、何事にも真剣に向き合います。……ずっと推してもらえるように」
成瀬さんの真摯な所信表明に、ファンたちは大きな歓声で答える。
そういう全力な姿が、ヲタク心を擽るとわかってほしいものである。
推しの頑張る姿はいつだって最高にかっこいい。だけど、そんな姿をあまり見せつけないでほしい。
これ以上ファンが増えてしまったら。これ以上遠い存在になってしまったら……。
そんな独占欲が私の中でむくむくと膨れ上がる。彼がアイドルでいる限り、私はこの独占欲と戦わなければいけない。
それでも、やっぱり彼のことを応援したい。彼がアイドルとして活躍する姿を一番近くで見ていたいと強く願う。
想いを込めてじっと成瀬さんを見つめていると、彼がまたこちらを見た。全開の笑顔で手を振ってくれる。
ああ、やっぱりこの人は“アイドル”だ。私の“推し”なんだ。
胸が熱くなる。涙が出そうになるのを堪えながら、私はペンライトを振った。
この想いが、ほんの少しでも彼の力になりますように。
ウキウキとモヤモヤが交錯するうちに、MCの時間がやってきた。成瀬さんがマイクを手に取り、客席を見渡す。
「今日は来てくれてありがとう。こうして、みんなの前で歌える日が来るなんて、正直、まだ夢みたいです」
彼の素直な言葉が、まっすぐ胸に届く。
「デビューが決まってから、ずっと走り続けてきて……正直、しんどいこともあったけど、でも、応援してくれるみんなの声が、俺たちの背中をいつも押してくれます」
会場から拍手が起こる。私も、手が痛くなるくらい強く手を叩く。
「実は……個人的な話だけど、最近、ある人に“推し活”がどういうものなのかということを教えてもらいました」
その言葉に、心臓が跳ねる。まさか、と思いながらも、私は成瀬さんの顔を凝視した。彼は、まっすぐ前を向いている。私のいる方向とは少し違う。でも、なぜかその視線は私に向いているような気がした。
「その人が言ってたんです。“誰よりも熱く、誰よりも真剣に推しを推す”。それが推し活だって」
成瀬さんは、そこで一度言葉を区切る。会場中を真剣な目で見つめた。会場がしんと静まりかえる。誰もが成瀬さんの言葉を待っている。彼は、ゆっくりと口を開いた。
「……俺、その言葉をずっと忘れないでいようと思う。それほどの真剣な想いに応えるためにも、何事にも真剣に向き合います。……ずっと推してもらえるように」
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