31 / 107
第31話 反省点
しおりを挟む
応急処置を済ませたところで、衣服を脱いで裸になる。
高熱でへばり付いたジャージを破りながら剥がした。
火傷を負った肌が露わとなる。
皮膚が爛れて血が滲んでいる。
思ったより酷くない。
狼の炎が燃え移っていたら、もっと悲惨な状態になっていただろう。
救急箱に入っていた軟膏を塗り込んでいく。
どこまで効くか不明だが、やらないよりは良いはずだ。
軟膏を塗り終えた後、和室のタンスを漁る。
Tシャツとジーンズを引っ張り出して身に着けた。
シャツの前面には、有名なアニメキャラクターがプリントされていた。
ただ、肝心のプリントは掠れて分かりづらい。
家主が気に入っていて、こうなるまで着続けたのだろう。
別の部屋からコートを盗んだ。
ポケットがたくさんある革のコートである。
武器を仕込ませやすい構造が気に入った。
ここまで何度も戦ってきた経験上、咄嗟に使えない武器は荷物でしかないことが判明した。
モンスターに襲われる最中、リュックサックから掴み出す暇はない。
かと言って、ズボンのポケットだけでは限界があるのだ。
先ほどの戦いを振り返ると、銃も過信できない。
素早い動きを得意とする相手だと、上手く命中させられない時がある。
押し倒された後、出刃包丁がなければ危なかった。
加えて銃には弾切れや弾詰まりのリスクも付きまとう。
それにオーガのように硬い皮膚を持つモンスターには効果が薄い場合が多い。
変容で獲得した身体能力を加味すると、近接武器の方が高威力な気がした。
特に刃物だ。
組み付かれた場合でも、急所を刺せば有効である。
半ば使い潰すような扱いになるが、そこは数を揃えて解決すればいい。
民家を回ることで、いくらでも調達できる。
スーパーやホームセンターなら、一気にまとまった量を確保できるだろう。
ただ、他の生存者と遭遇する可能性も高い。
やはり地道に民家を探索するのがベストだと思う。
出発の準備を整えつつ、無人の室内で小休憩をとった。
音量を落としてテレビを視聴しつつ、冷蔵庫で見つけた刺身のパックと缶ビールを味わう。
刺身の消費期限は明日だったのでギリギリだ。
そろそろ保存の利く物しか食べられなくなるのではないか。
生鮮食品が腐ってくる頃だ。
いずれ文明的な食事はできなくなってしまうのかもしれない。
もっとも、それまで生き延びているかも分からないのだ。
今は何も考えずに食事を満喫しようと思う。
高熱でへばり付いたジャージを破りながら剥がした。
火傷を負った肌が露わとなる。
皮膚が爛れて血が滲んでいる。
思ったより酷くない。
狼の炎が燃え移っていたら、もっと悲惨な状態になっていただろう。
救急箱に入っていた軟膏を塗り込んでいく。
どこまで効くか不明だが、やらないよりは良いはずだ。
軟膏を塗り終えた後、和室のタンスを漁る。
Tシャツとジーンズを引っ張り出して身に着けた。
シャツの前面には、有名なアニメキャラクターがプリントされていた。
ただ、肝心のプリントは掠れて分かりづらい。
家主が気に入っていて、こうなるまで着続けたのだろう。
別の部屋からコートを盗んだ。
ポケットがたくさんある革のコートである。
武器を仕込ませやすい構造が気に入った。
ここまで何度も戦ってきた経験上、咄嗟に使えない武器は荷物でしかないことが判明した。
モンスターに襲われる最中、リュックサックから掴み出す暇はない。
かと言って、ズボンのポケットだけでは限界があるのだ。
先ほどの戦いを振り返ると、銃も過信できない。
素早い動きを得意とする相手だと、上手く命中させられない時がある。
押し倒された後、出刃包丁がなければ危なかった。
加えて銃には弾切れや弾詰まりのリスクも付きまとう。
それにオーガのように硬い皮膚を持つモンスターには効果が薄い場合が多い。
変容で獲得した身体能力を加味すると、近接武器の方が高威力な気がした。
特に刃物だ。
組み付かれた場合でも、急所を刺せば有効である。
半ば使い潰すような扱いになるが、そこは数を揃えて解決すればいい。
民家を回ることで、いくらでも調達できる。
スーパーやホームセンターなら、一気にまとまった量を確保できるだろう。
ただ、他の生存者と遭遇する可能性も高い。
やはり地道に民家を探索するのがベストだと思う。
出発の準備を整えつつ、無人の室内で小休憩をとった。
音量を落としてテレビを視聴しつつ、冷蔵庫で見つけた刺身のパックと缶ビールを味わう。
刺身の消費期限は明日だったのでギリギリだ。
そろそろ保存の利く物しか食べられなくなるのではないか。
生鮮食品が腐ってくる頃だ。
いずれ文明的な食事はできなくなってしまうのかもしれない。
もっとも、それまで生き延びているかも分からないのだ。
今は何も考えずに食事を満喫しようと思う。
0
あなたにおすすめの小説
【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。
この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。
ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。
少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。
更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。
そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。
少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。
どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。
少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。
冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。
すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く…
果たして、その可能性とは⁉
HOTランキングは、最高は2位でした。
皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°.
でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】
水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】
【一次選考通過作品】
---
とある剣と魔法の世界で、
ある男女の間に赤ん坊が生まれた。
名をアスフィ・シーネット。
才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。
だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。
攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。
彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。
---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
勇者パーティーを追放されたので、張り切ってスローライフをしたら魔王に世界が滅ぼされてました
まりあんぬさま
ファンタジー
かつて、世界を救う希望と称えられた“勇者パーティー”。
その中で地味に、黙々と補助・回復・結界を張り続けていたおっさん――バニッシュ=クラウゼン(38歳)は、ある日、突然追放を言い渡された。
理由は「お荷物」「地味すぎる」「若返くないから」。
……笑えない。
人付き合いに疲れ果てたバニッシュは、「もう人とは関わらん」と北西の“魔の森”に引きこもり、誰も入って来られない結界を張って一人スローライフを開始……したはずだった。
だがその結界、なぜか“迷える者”だけは入れてしまう仕様だった!?
気づけば――
記憶喪失の魔王の娘
迫害された獣人一家
古代魔法を使うエルフの美少女
天然ドジな女神
理想を追いすぎて仲間を失った情熱ドワーフ
などなど、“迷える者たち”がどんどん集まってくる異種族スローライフ村が爆誕!
ところが世界では、バニッシュの支援を失った勇者たちがボロボロに……
魔王軍の侵攻は止まらず、世界滅亡のカウントダウンが始まっていた。
「もう面倒ごとはごめんだ。でも、目の前の誰かを見捨てるのも――もっとごめんだ」
これは、追放された“地味なおっさん”が、
異種族たちとスローライフしながら、
世界を救ってしまう(予定)のお話である。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
老衰で死んだ僕は異世界に転生して仲間を探す旅に出ます。最初の武器は木の棒ですか!? 絶対にあきらめない心で剣と魔法を使いこなします!
菊池 快晴
ファンタジー
10代という若さで老衰により病気で死んでしまった主人公アイレは
「まだ、死にたくない」という願いの通り異世界転生に成功する。
同じ病気で亡くなった親友のヴェルネルとレムリもこの世界いるはずだと
アイレは二人を探す旅に出るが、すぐに魔物に襲われてしまう
最初の武器は木の棒!?
そして謎の人物によって明かされるヴェネルとレムリの転生の真実。
何度も心が折れそうになりながらも、アイレは剣と魔法を使いこなしながら
困難に立ち向かっていく。
チート、ハーレムなしの王道ファンタジー物語!
異世界転生は2話目です! キャラクタ―の魅力を味わってもらえると嬉しいです。
話の終わりのヒキを重要視しているので、そこを注目して下さい!
****** 完結まで必ず続けます *****
****** 毎日更新もします *****
他サイトへ重複投稿しています!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる