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第73話 夕食は鍋
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結局、道化王子も紙袋姫と同じパターンだった。
戦いに負けたことでストレングスに惚れたのである。
悔しさや恨みは一切なく、圧倒的な暴力による死の苦痛に愛情を覚えたのだった。
とても共感できないが、そういうこともあるのだろう。
かなり情熱的なアプローチに対し、ストレングスはよく分からない様子だった。
特に嫌がる風もなく、なんとなしに頭を撫でている。
撫でられた道化王子はますます盛り上がり、愛の言葉を囁き続けていた。
二人の関係は意外と悪くない。
共に相手を不快にさせる要素がないのだろう。
ちなみに道化王子は、粘液のモンスターであるスライムの変容を経験していた。
これによって肉体を粘液に近付けることで回復できるそうだ。
実際、彼は十分ほどでストレングスから受けた傷を再生させていた。
大きすぎるダメージはその分だけ修復に時間がかかるらしいが、水分補給さえできればほぼ無限に回復が可能だという。
かなり便利な能力だ。
やはり殺人鬼は不死性に長けているらしい。
殺し合いは避けられなかったが、結果的に和解できたのは幸運だった。
言うまでもなく、ストレングスの負傷も完治している。
彼女の場合は鬼系統のすぐれた身体機能による再生である。
刺された傷も潰された顔面もたちまち癒えてしまうどころか、再生前より強靭になった気さえした。
本人によると大型トラックに追突されても平気だったというのだから、ヒュージセンチピードの攻撃にも耐えられると思う。
やはり仲間にしたのは正解だと思う。
本当はこのまま帰宅するつもりだったが、休息を兼ねてボーリング場で一泊することになった。
下手に移動するより、まずは親睦を深めるべきだと思ったのだ。
相手は殺人鬼なので人となりを知り、不意に戦うような事態を避けたい。
現在の関係性がいつまで維持できるか分からないのだ。
慎重な行動を心掛けるべきだろう。
夕食は道化王子と紙袋姫が集めた物資で作る。
調理担当はストレングスだ。
彼女の腕前はファミレスを利用したので知っている。
手持ち器具で進める様はかなり手際が良く、特に手伝うこともなく完成してしまった。
そうして出来上がったのは、野菜と鶏肉の鍋だ。
カセットコンロの上で湯気を立てる鍋は、味噌の良い香りを漂わせている。
どこから取ってきたのか、何種類かの酒も用意されていた。
四人で鍋を囲んで食事を開始する。
鍋はやはり絶品だった。
疲れた身体に染み渡るような感じがする。
久々に誰かと食事をするのは、案外悪いものではなかった。
戦いに負けたことでストレングスに惚れたのである。
悔しさや恨みは一切なく、圧倒的な暴力による死の苦痛に愛情を覚えたのだった。
とても共感できないが、そういうこともあるのだろう。
かなり情熱的なアプローチに対し、ストレングスはよく分からない様子だった。
特に嫌がる風もなく、なんとなしに頭を撫でている。
撫でられた道化王子はますます盛り上がり、愛の言葉を囁き続けていた。
二人の関係は意外と悪くない。
共に相手を不快にさせる要素がないのだろう。
ちなみに道化王子は、粘液のモンスターであるスライムの変容を経験していた。
これによって肉体を粘液に近付けることで回復できるそうだ。
実際、彼は十分ほどでストレングスから受けた傷を再生させていた。
大きすぎるダメージはその分だけ修復に時間がかかるらしいが、水分補給さえできればほぼ無限に回復が可能だという。
かなり便利な能力だ。
やはり殺人鬼は不死性に長けているらしい。
殺し合いは避けられなかったが、結果的に和解できたのは幸運だった。
言うまでもなく、ストレングスの負傷も完治している。
彼女の場合は鬼系統のすぐれた身体機能による再生である。
刺された傷も潰された顔面もたちまち癒えてしまうどころか、再生前より強靭になった気さえした。
本人によると大型トラックに追突されても平気だったというのだから、ヒュージセンチピードの攻撃にも耐えられると思う。
やはり仲間にしたのは正解だと思う。
本当はこのまま帰宅するつもりだったが、休息を兼ねてボーリング場で一泊することになった。
下手に移動するより、まずは親睦を深めるべきだと思ったのだ。
相手は殺人鬼なので人となりを知り、不意に戦うような事態を避けたい。
現在の関係性がいつまで維持できるか分からないのだ。
慎重な行動を心掛けるべきだろう。
夕食は道化王子と紙袋姫が集めた物資で作る。
調理担当はストレングスだ。
彼女の腕前はファミレスを利用したので知っている。
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どこから取ってきたのか、何種類かの酒も用意されていた。
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鍋はやはり絶品だった。
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久々に誰かと食事をするのは、案外悪いものではなかった。
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