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第6話 削除シーン
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ナベが後部座席のアサバに目配せする。
頷いたアサバは、カメラに映る位置にカトウを引っ張り出した。
「ちなみに今回はゲストがいます! 人喰いビルの専門家、カトウさんでーす」
「うあ……ああ……」
「カトウさん。よろしくお願いします!」
「う、くっ……」
カトウは会話に応じず、ただ静かに啜り泣く。
その途端、ナベは真顔で録画を止めた。
彼はハンドルを叩いて悪態をつく。
「こいつに喋らせるのは無理だな。くそ、面倒臭えな」
「どうする。捨てるか?」
「いや、連れて行く。鬱陶しいけどムードは作れそうだ。会話できねえのは編集でどうにかする。後付けでなんとかなるだろ」
ナベは何度か舌打ちした後、アサバに指示を出した。
「それじゃ、次はビルに到着するところで撮影再開な。それまでオッサンは黙らせとけ」
「おう、任せてくれよ」
アサバはガムテープでカトウの口を塞ぐ。
カトウがくぐもった唸り声を発するも、スマートフォンから流れる音楽がそれを掻き消した。
数分後、四人を乗せた車は、獣道を抜けて少し開けた場所に出た。
鉄板に覆われた朽津間ビルが中央にそびえ立っている。
ナベはカメラをアサバに渡して命じた。
「おい、早く回せ」
アサバはカメラを車外に向けて録画を始める。
咳払いをしたナベは元気よく発言した。
「皆さん、いよいよ見えてきましたよ。あれが人喰いビルです!」
「な、なんだか……すごく不気味……」
「寒気がするな」
イリエとアサバがそれぞれコメントを述べる。
二人の反応に満足したナベは、予め考えていたセリフを言おうとする。
その時、突如としてカトウが口のゴムテープを剥がし、手足を振り回して暴れ出した。
彼は凄まじい金切り声を上げる。
「うああああああああっ! ひっ、ひいいいいいああああああああっ!?」
後ろから座席を蹴られたナベは急ブレーキを踏んだ。
振り返った彼は、カトウの顔面に拳を叩き込んで怒鳴る。
「うるせえッ!」
殴られたカトウはひっくり返った。
鼻血が溢れてブルーシートに垂れ落ちる。
カトウは髪を掻き毟り、掠れた声で唸り続けた。
その様子にアサバは顔を引き攣らせる。
「お、おい……ナベ……さすがにやりすぎじゃ……」
「いいんだよ。俺をイラつかせた罰だ」
ナベは平然と前に向き直ってアクセルを踏む。
その際に「ここのシーンはカットな」と呟いた。
頷いたアサバは、カメラに映る位置にカトウを引っ張り出した。
「ちなみに今回はゲストがいます! 人喰いビルの専門家、カトウさんでーす」
「うあ……ああ……」
「カトウさん。よろしくお願いします!」
「う、くっ……」
カトウは会話に応じず、ただ静かに啜り泣く。
その途端、ナベは真顔で録画を止めた。
彼はハンドルを叩いて悪態をつく。
「こいつに喋らせるのは無理だな。くそ、面倒臭えな」
「どうする。捨てるか?」
「いや、連れて行く。鬱陶しいけどムードは作れそうだ。会話できねえのは編集でどうにかする。後付けでなんとかなるだろ」
ナベは何度か舌打ちした後、アサバに指示を出した。
「それじゃ、次はビルに到着するところで撮影再開な。それまでオッサンは黙らせとけ」
「おう、任せてくれよ」
アサバはガムテープでカトウの口を塞ぐ。
カトウがくぐもった唸り声を発するも、スマートフォンから流れる音楽がそれを掻き消した。
数分後、四人を乗せた車は、獣道を抜けて少し開けた場所に出た。
鉄板に覆われた朽津間ビルが中央にそびえ立っている。
ナベはカメラをアサバに渡して命じた。
「おい、早く回せ」
アサバはカメラを車外に向けて録画を始める。
咳払いをしたナベは元気よく発言した。
「皆さん、いよいよ見えてきましたよ。あれが人喰いビルです!」
「な、なんだか……すごく不気味……」
「寒気がするな」
イリエとアサバがそれぞれコメントを述べる。
二人の反応に満足したナベは、予め考えていたセリフを言おうとする。
その時、突如としてカトウが口のゴムテープを剥がし、手足を振り回して暴れ出した。
彼は凄まじい金切り声を上げる。
「うああああああああっ! ひっ、ひいいいいいああああああああっ!?」
後ろから座席を蹴られたナベは急ブレーキを踏んだ。
振り返った彼は、カトウの顔面に拳を叩き込んで怒鳴る。
「うるせえッ!」
殴られたカトウはひっくり返った。
鼻血が溢れてブルーシートに垂れ落ちる。
カトウは髪を掻き毟り、掠れた声で唸り続けた。
その様子にアサバは顔を引き攣らせる。
「お、おい……ナベ……さすがにやりすぎじゃ……」
「いいんだよ。俺をイラつかせた罰だ」
ナベは平然と前に向き直ってアクセルを踏む。
その際に「ここのシーンはカットな」と呟いた。
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