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第12話 夜道を歩いてみた
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酒場を出た俺とビビは夜の街を散歩する。
別に宿に直帰してもよかったのだが、なんとなく歩きながら話したい気分だったのだ。
酔い覚ましにもちょうどいいだろう。
すっかり暗くなった通りを二人で進む。
俺は前を向きながら話を切り出した。
「派手にやってしまったな。すまない、選ぶ店を間違えた」
「私こそごめんね。我慢できなかった」
「仕方ないさ。あれは俺だって無視できない」
あの冒険者の言動は酷かった。
無視し続けるのは不可能だ。
どのみち向こうから暴力を振るってきたに違いない。
だからビビの対応は正解である。
殴られるくらいならば、こちらから先手を打つべきだ。
それで怪我をせずに済むのだから。
ビビが俺の腕にしがみ付く。
酒とは違う甘い香りが広がってきた。
彼女は上目遣いに俺を褒める。
「ご主人、かっこよかったよ」
「毒をぶちまけただけだ。卑怯すぎるだろ」
「卑怯じゃない。穏便に解決した」
ビビは強めの口調で主張する。
果たしてあれが穏便だったのか。
些か疑問が残るものの、ビビはそう解釈したようだ。
まあ、死人が出なかったのは良かった。
いくら乱暴者の冒険者でも、殺してしまうのは不味い。
正当防衛の域を逸脱しているだろう。
日頃から無力化用の毒を持ち歩いていて良かった。
仕事柄、咄嗟に使える道具は揃えてあるのだ。
突出した実力がないからこそ、俺は備えを欠かさないのである。
ビビが何かを思い出したように手を打った。
それから不安そうな表情になる。
「お金、大丈夫? 私、たくさん飲んじゃった」
「ちょっと散財したな。また稼がないといけない」
俺は財布の中を覗く。
飲食代に加えて、迷惑料を払ったのも大きい。
またギルドで依頼をこなさないと生活が危うかった。
もっとも、俺はそこまで焦っていない。
ビビと一緒なら大金を得るのもそこまで難しくないからだ。
今までは避けてきた魔物の討伐もできるし、迷宮の深い階層まで探索できる。
その分だけ稼ぎが増えるのだ。
生活費くらいは簡単に貯まるだろう。
別に宿に直帰してもよかったのだが、なんとなく歩きながら話したい気分だったのだ。
酔い覚ましにもちょうどいいだろう。
すっかり暗くなった通りを二人で進む。
俺は前を向きながら話を切り出した。
「派手にやってしまったな。すまない、選ぶ店を間違えた」
「私こそごめんね。我慢できなかった」
「仕方ないさ。あれは俺だって無視できない」
あの冒険者の言動は酷かった。
無視し続けるのは不可能だ。
どのみち向こうから暴力を振るってきたに違いない。
だからビビの対応は正解である。
殴られるくらいならば、こちらから先手を打つべきだ。
それで怪我をせずに済むのだから。
ビビが俺の腕にしがみ付く。
酒とは違う甘い香りが広がってきた。
彼女は上目遣いに俺を褒める。
「ご主人、かっこよかったよ」
「毒をぶちまけただけだ。卑怯すぎるだろ」
「卑怯じゃない。穏便に解決した」
ビビは強めの口調で主張する。
果たしてあれが穏便だったのか。
些か疑問が残るものの、ビビはそう解釈したようだ。
まあ、死人が出なかったのは良かった。
いくら乱暴者の冒険者でも、殺してしまうのは不味い。
正当防衛の域を逸脱しているだろう。
日頃から無力化用の毒を持ち歩いていて良かった。
仕事柄、咄嗟に使える道具は揃えてあるのだ。
突出した実力がないからこそ、俺は備えを欠かさないのである。
ビビが何かを思い出したように手を打った。
それから不安そうな表情になる。
「お金、大丈夫? 私、たくさん飲んじゃった」
「ちょっと散財したな。また稼がないといけない」
俺は財布の中を覗く。
飲食代に加えて、迷惑料を払ったのも大きい。
またギルドで依頼をこなさないと生活が危うかった。
もっとも、俺はそこまで焦っていない。
ビビと一緒なら大金を得るのもそこまで難しくないからだ。
今までは避けてきた魔物の討伐もできるし、迷宮の深い階層まで探索できる。
その分だけ稼ぎが増えるのだ。
生活費くらいは簡単に貯まるだろう。
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