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第33話 魔道具の説明を受けてみた
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職員は水晶を前に考え込む。
彼女は俺達を見ると、腰に手を当てて質問してきた。
「風属性と全属性っすか……面白い結果になりましたね。魔術書は買ったんすか?」
「基礎の部分は揃えてある。古書店で選んでもらった」
「ああ、あのお爺さんの店っすね。それなら信頼できます。気に入った人には最適な書物を用意してくれるんすよ、あそこ」
古書店を知っていたらしい。
この街で暮らす魔術師の中では有名なのかもしれない。
普段の職員はその才能を隠しているが、書物の選定について知っていることから、たまに利用しているようだ。
深く語ろうとしないものの、彼女はかなりの実力を持っている。
休日なんかは魔術の鍛練を行っているのだろうか。
(真面目に修行している姿が想像できないな……)
どうしてもいつもの勤務態度の印象が強い。
この職員は有能だが、色々と残念な部分が多いのだ。
空気を読めないというより、あえて読んでいない節がある。
だから余計に厄介なのだった。
そんな職員が部屋の扉を開いて俺達に尋ねる。
「検査はこれで終わりっすけど、どうします?」
「ギルドの武具屋で属性に合った触媒を買う。まずは初級の魔術を使えるようになりたい」
「いいっすね。最初は安物の触媒で大丈夫っすよ。慣れてきたら相応の物に買い替えるでしょうし。お二人とも戦士職なんで、指輪とか腕輪とかがネックレス型の触媒が無難っすね。最終的には武器とか防具の触媒が最適っす」
職員は流暢に語って説明してくれた。
魔術のことになって喋りたくなったのだろうか。
実に的確で役に立つ助言である。
彼女は制服の裏から折り畳み式のナイフを取り出して見せる。
刃の先端が緩く湾曲し、柄に黄色い玉が埋め込まれていた。
俺はその造形を観察して指摘する。
「雷属性のナイフか」
「そうっす。普通に武器として使えますし、魔術の補助具にもなります。雷撃を纏わせた斬撃なんかも繰り出せますし、結構便利っすね」
「買うにしても高価だろう」
「まあ、性能的に適正価格っすよ。お二人なら迷宮の稼ぎで簡単に買えるでしょう。全属性の触媒は稀少なので、見つけるのはちょっと難しいかもしれないっすけど」
確かに剣が補助具の役割を果たしてくれるのは良い。
荷物が増えず、いちいち持ち替える手間もなく魔術を発動できる。
まあ、価格的にも技量的にも手を出すのは先の話だろう。
彼女の言う通り、最終的な目標に据え置くのが一番だと思う。
彼女は俺達を見ると、腰に手を当てて質問してきた。
「風属性と全属性っすか……面白い結果になりましたね。魔術書は買ったんすか?」
「基礎の部分は揃えてある。古書店で選んでもらった」
「ああ、あのお爺さんの店っすね。それなら信頼できます。気に入った人には最適な書物を用意してくれるんすよ、あそこ」
古書店を知っていたらしい。
この街で暮らす魔術師の中では有名なのかもしれない。
普段の職員はその才能を隠しているが、書物の選定について知っていることから、たまに利用しているようだ。
深く語ろうとしないものの、彼女はかなりの実力を持っている。
休日なんかは魔術の鍛練を行っているのだろうか。
(真面目に修行している姿が想像できないな……)
どうしてもいつもの勤務態度の印象が強い。
この職員は有能だが、色々と残念な部分が多いのだ。
空気を読めないというより、あえて読んでいない節がある。
だから余計に厄介なのだった。
そんな職員が部屋の扉を開いて俺達に尋ねる。
「検査はこれで終わりっすけど、どうします?」
「ギルドの武具屋で属性に合った触媒を買う。まずは初級の魔術を使えるようになりたい」
「いいっすね。最初は安物の触媒で大丈夫っすよ。慣れてきたら相応の物に買い替えるでしょうし。お二人とも戦士職なんで、指輪とか腕輪とかがネックレス型の触媒が無難っすね。最終的には武器とか防具の触媒が最適っす」
職員は流暢に語って説明してくれた。
魔術のことになって喋りたくなったのだろうか。
実に的確で役に立つ助言である。
彼女は制服の裏から折り畳み式のナイフを取り出して見せる。
刃の先端が緩く湾曲し、柄に黄色い玉が埋め込まれていた。
俺はその造形を観察して指摘する。
「雷属性のナイフか」
「そうっす。普通に武器として使えますし、魔術の補助具にもなります。雷撃を纏わせた斬撃なんかも繰り出せますし、結構便利っすね」
「買うにしても高価だろう」
「まあ、性能的に適正価格っすよ。お二人なら迷宮の稼ぎで簡単に買えるでしょう。全属性の触媒は稀少なので、見つけるのはちょっと難しいかもしれないっすけど」
確かに剣が補助具の役割を果たしてくれるのは良い。
荷物が増えず、いちいち持ち替える手間もなく魔術を発動できる。
まあ、価格的にも技量的にも手を出すのは先の話だろう。
彼女の言う通り、最終的な目標に据え置くのが一番だと思う。
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