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第59話 装飾品を買い込んでみた
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市場に向かった俺達は、魔術関連の装飾品を見て回る。
迷宮に潜る前に、新たな装備を買っておこうと思ったのだ。
いくつかの店を巡りながら、俺の要望に合いそうな品を探す。
優先事項としては、やはり安価なものがいい。
特定の属性用に作られた商品は高めなので、今回の候補からは外しておく。
そういった装備は効果が大きく、需要もあるのだ。
俺には既に全属性用の指輪があるため、属性を意識した商品はあまり欲しくない。
だから俺が狙うのは、属性が関係ない魔道具である。
分類としては防壁の指輪と同系統だ。
魔力を充填する構造があれば十分であった。
むしろ、その機能がなければいらない。
あまり深く考えず、俺は魔力充填と価格だけに注目して品を選ぶ。
そうして手に入ったのは、二種類の装備だった。
一つ目は光源の指輪だ。
魔力で発光し、周囲を照らしてくれるらしい。
暗所で行動するための道具だそうだ。
手を塞がずに灯りを確保できるのは便利である。
しかも松明やランタンと違って、水中でも問題なく使えるのが良い。
微弱ながら魔術の闇を払う効果もあるらしく、あって困らない一品といったところか。
二つ目は怪力の腕輪である。
充填した魔力を消費することで、着用者の膂力を瞬間的に向上させる効果を持つ。
これは単純に強い。
剣士の俺が恩恵を感じる場面は多いだろう。
安物なので劇的な変化は期待できないものの、心強い装備には違いない。
力が物を言う戦いは決して少なくないのだ。
市場での買い物を済ませた俺達は、続いてギルドへと向かう。
指輪と腕輪を見たビビが不思議そうに訊く。
「それが強くなる手段なの?」
「ああ、そうだ。使い方次第だけどな」
どちらも迷宮探索で役に立ちそうだが、本命は別の使い道である。
これらに充填した魔力を術の行使に割くのだ。
そのため光源や怪力といった効果よりも、魔力を内包する機能を重視している。
俺はトロール戦で属性付与を発動させた。
あれはかなり強力だったが、中級魔術なので素の魔力量では使うことができない。
そこで指輪に充填した魔力を利用する。
回数制限付きながらも、本来なら発動できない術を行使できるのだ。
俺は魔力操作がそこそこ上手い。
鍛練時に判明したが、要領の良いビビよりもさらに上なのだ。
ここれでも器用貧乏が発揮されているらしい。
魔術方面に関しては、その数少ない特性を活かすことにした。
基本は全属性の初級魔術を扱って、決定打として中級魔術に頼る。
俺が高威力の攻撃を放てるだけで戦略の幅が大きく広がる。
過信は禁物だが悪くない案だろう。
迷宮に潜る前に、新たな装備を買っておこうと思ったのだ。
いくつかの店を巡りながら、俺の要望に合いそうな品を探す。
優先事項としては、やはり安価なものがいい。
特定の属性用に作られた商品は高めなので、今回の候補からは外しておく。
そういった装備は効果が大きく、需要もあるのだ。
俺には既に全属性用の指輪があるため、属性を意識した商品はあまり欲しくない。
だから俺が狙うのは、属性が関係ない魔道具である。
分類としては防壁の指輪と同系統だ。
魔力を充填する構造があれば十分であった。
むしろ、その機能がなければいらない。
あまり深く考えず、俺は魔力充填と価格だけに注目して品を選ぶ。
そうして手に入ったのは、二種類の装備だった。
一つ目は光源の指輪だ。
魔力で発光し、周囲を照らしてくれるらしい。
暗所で行動するための道具だそうだ。
手を塞がずに灯りを確保できるのは便利である。
しかも松明やランタンと違って、水中でも問題なく使えるのが良い。
微弱ながら魔術の闇を払う効果もあるらしく、あって困らない一品といったところか。
二つ目は怪力の腕輪である。
充填した魔力を消費することで、着用者の膂力を瞬間的に向上させる効果を持つ。
これは単純に強い。
剣士の俺が恩恵を感じる場面は多いだろう。
安物なので劇的な変化は期待できないものの、心強い装備には違いない。
力が物を言う戦いは決して少なくないのだ。
市場での買い物を済ませた俺達は、続いてギルドへと向かう。
指輪と腕輪を見たビビが不思議そうに訊く。
「それが強くなる手段なの?」
「ああ、そうだ。使い方次第だけどな」
どちらも迷宮探索で役に立ちそうだが、本命は別の使い道である。
これらに充填した魔力を術の行使に割くのだ。
そのため光源や怪力といった効果よりも、魔力を内包する機能を重視している。
俺はトロール戦で属性付与を発動させた。
あれはかなり強力だったが、中級魔術なので素の魔力量では使うことができない。
そこで指輪に充填した魔力を利用する。
回数制限付きながらも、本来なら発動できない術を行使できるのだ。
俺は魔力操作がそこそこ上手い。
鍛練時に判明したが、要領の良いビビよりもさらに上なのだ。
ここれでも器用貧乏が発揮されているらしい。
魔術方面に関しては、その数少ない特性を活かすことにした。
基本は全属性の初級魔術を扱って、決定打として中級魔術に頼る。
俺が高威力の攻撃を放てるだけで戦略の幅が大きく広がる。
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