金貨三枚で買った性奴隷が俺を溺愛している ~平凡冒険者の迷宮スローライフ~

結城絡繰

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第93話 決闘を始めてみた

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 間もなくギルドに到着した。
 冒険者達がこちらを見てしきりに何事かを囁いている。
 不在中にどういった噂が広まっているのか定かではないが、聞いて楽しい内容ではないのだろう。
 俺達は無視して訓練場に移動する。

 結界で囲われたその場所には、あまり整備が行き届いていない。
 半壊した的や、防具を装着した丸太が放置されている。
 剥き出しの地面に点々とできた水たまりは、誰かが魔術で作ったのだろう。
 大きな窪みや穴もあり、あまり良い環境とは言えないものの、実戦的であると考えれば悪くないかもしれない。

 大勢の冒険者が見物する中、中央に聖騎士が佇んでいた。
 上等な造りの鎧に剣を装備している。
 杖や所持していないが、指輪と腕輪を着けている。
 剣術だけではない。
 中距離や遠距離でも魔術が飛んでくると考えた方がよさそうだ。

 俺の姿に気付いた聖騎士は、殺気を漂わせながら口を開く。

「来たか。姿を見せないから逃げたと思った」

「鍛錬に夢中だっただけだ」

「面白いことを言うな。凡人が英雄に勝てるはずないだろう。その努力をここで打ち砕いてやる」

 聖騎士は魔力を漲らせている。
 俺とは比べ物にならない質と量だ。
 それどころかビビでも届かない。
 剣士でありながらも、魔術師を大きく超える魔力の持ち主であった。

 ビビ達が離れて見物人の列に入る。
 俺は前に進み出て聖騎士と対峙した。
 聖騎士はよく通る声で発言する。

「決闘は一方が死ぬか降参するまでとしよう。他の者が手出しするのは厳禁だ。それでいいな?」

「……分かった」

「よし、では始めよう」

 聖騎士が何気ない動作で俺を指差す。
 そこから放たれた白い光線が、俺の胸部へと炸裂した。
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