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番外編
道化師《ピエロ》は菜の花の花束を抱えて歩く 24
しおりを挟む何だか身体中が温かいものに包まれているような感覚がして、重い瞼をトロトロと開けると、波紋を浮かべる水面が視界に映り、心結はまだ夢の中にいるのだろう、と再び瞼を閉じかけた。
「・・・起きたか?」
すぐ傍から聞こえてきた声に、心結は緩慢な動きで首を巡らせると、髪の濡れている実の顔がすぐ間近にあり、束の間、やはり夢を見ているのだな、と心結はボンヤリと思考を巡らせてボーッ、としていた。
実の顔が迫り、容易く唇を食まれ、舌を挿し込まれる。口腔内を存分に舐められ吸われ、濃厚なキスを繰り返される。
霞がかっていた思考がどんどん冴えていき、心結は現在の状況を理解すると、数拍の後、反射的に飛び上がろうとした。
だが、腰の鈍痛と身体の異常な怠さのせいで、力が入らずに実に寄りかかってしまう。
心結は実に抱えられるような形で広々としたお風呂に浸かっている。
今の状況がまったくわからず、混乱する頭で心結は昨夜のことを思い出す。
瞬間、あまりの羞恥と惑乱に実から離れようとするが、腰回りにガッチリと腕を回されていて逃げ出せない。
「ひあっ!」
突然後ろから耳を咥えられ、ネットリと舐め上げられる感触に、背中が粟立つ。
「やっ・・・! やめ・・・っ」
抵抗しようにも身体はまったく力が入らず、声も昨日のせいか、とても掠れてしまっている。
実の手が乳房を柔らかく揉み、指が乳首を撫でるようにかすめる度に腰が変に動いてしまう。
腰を掴んでいた手が秘部に触れ、指が雌芯を巧みに翻弄し、最早声を上げることさえ難しい。
昨日の情事の名残りが確実に心結の身体に蓄積されていたらしい。
「~~~~~っ!!!」
呆気なく絶頂に達してしまった心結を抱えて実は風呂から上がると、脱衣所で心結と自分の身体を風邪をひかない程度にバスタオルで拭き、そのまま寝室に戻り、逆上せてしまった心結をベッドに寝かし、部屋を出て行った。
数分としない内に戻ってきた実の手には冷蔵庫で冷やしていたらしい水のペットボトルがあり、実はキャップを外して一口飲み、もう一口飲むと、心結の口をそのまま塞いだ。
冷たく美味しいと感じる水が喉を嚥下していく感覚に、心結は無意識に、もっとと強請るように舌を出してしまう。
実は心結が満足するまで水を口移しで与えると、そのまま心結に覆い被さり、精力を取り戻していた自身の雄をそのまま心結の膣に挿し込んだ。
「ふぇっ、やあああぁぁぁぁッ!」
昨晩の情事の名残りと、先程与えられた快楽によって、実の硬い雄はすんなりと心結の膣内におさまってしまう。
息を整えようとする心結は、かえって自身の中に埋め込まれている実の猛りの熱さや形、浮き上がった筋ですら明確に感じ取れ、お腹の奥が疼いて、実の雄を締めつけてしまう。
それに眉間を寄せ、動こうとする実を心結は必死に押し止める。
「やあッ! まっ、まって! まってッ!」
「っ、・・・なんだ?」
「な、なんっ、で、こ、んな・・・」
「理由がいるのか?」
「え・・・?」
「オレがこうしている理由がいるのか? わからないわけじゃないだろ」
それは、心結が見て見ぬ振りをしたかった理由。
昨日の情事の時から・・・・・・、いや、もっと以前から感じていたことへの拒絶と否定。
幼少期は毎日のように傍にあった存在。
それが失われ、関係がどんどん歪になっていっても、心結はどこかで気付いていた。
実が心結に執心する理由。
実の瞳の奥にあった恋情が、形を変貌してなお、そこに留まり続けていることに。
しかし、それを認めることが心結にはどうしても出来なかった。
何故なら、認めてしまえば、とても恐ろしいことを手繰り寄せてしまう。
そんな予感があったから。
しかし、その歪な何かを無理矢理心結は断ち切った。
そうするより他に方法はなかった。
それが今のこの現状を招いたのだとしたら、とても笑えない。
返答など、最初から聞く気もなかったのだろう。
実は心結の両足を抱え上げて己の分身を容赦なく心結の最奥に突き入れる。
「ひいいぃぃっ!」
襞を擦る熱に頭の中が真っ白になってしまいそうで、必死に心結は実にしがみ付くが、激し過ぎる律動は止まらない。
心結の膣内を蹂躙しながら、実は心結の首筋に勢いよく噛み付く。
その刺激さえ背をのけ反らせて快感にすり替わってしまう。
「やっ、ああっ、はぁっ!」
胸元に無数の赤が散り、口を塞がれて口腔内を喰らい尽くすかのように貪られる。
生理的な涙が幾度も零れ落ちてシーツに消えていく。
唇が解かれた瞬間を見計らうかのように、奥の奥まで突き入れられ、心結の身体が大きく痙攣する。
「あああああああぁぁぁぁっ!!!」
同時に放たれた熱い飛沫の感覚を最後に、心結は理性を手放した。
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