菜の花散華

了本 羊

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番外編

道化師《ピエロ》は菜の花の花束を抱えて歩く 28

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一階に一部屋しか存在しないその高級マンションの部屋は、普通の家で暮らす面積よりも嫌味ではなく、本当に広い。




 玄関に入った瞬間、心結は実に肩に担ぎ上げられ、抵抗の言葉も口に出来ないまま、寝室のベッドに放り投げられた。
そのまま覆い被さってこようとする実に、心結は慌てる。


 「ま、待って! せめてシャワーを・・・! んぅっ・・・!」


 反論は難なく唇で塞がれ、頭をシッカリと固定されては逃げられない。
 息継ぎもままならないほどの深いキスに頭が酸欠に陥いりそうになる。
 身体の力が抜けていくと同時に衣服を強引に剥ぎ取られてしまう。
 徹底的に実に覚え込まされた快感のせいで、心結の身体はすぐに実を受け入れるように従順になっていく。


 「んんっ」


 既に硬くなりはじめていた乳首を捏ねられ、堪らずに漏れる声を必死で押し殺そうと両手で口を塞ぐが、実の容赦のない責め苦に涙が止まらない。



 身体中に赤い痕がつけられていく。不意に両足を持ち上げられ、あらぬ所に息を感じ、心結は逃げようとするが、大の男の力に適うはずもない。
 秘裂を指でひらかれて、ぬめった生温かい舌が心結の雌芯や陰核、膣内にまでのびて、舐めまわされる。


 「ひゃああああああぁぁぁっ」


 何度イカされても蹂躙は止まず、卑猥な音をたてて秘部を吸われ、まともに考えることも難しくなっていく。
 口の端からは涎が伝い落ち、息を吸うことに必死になる。
それでも、もっと、と思ってしまう。



 明確な熱が欲しい。とても硬い熱で貫いて欲しい。



そんな欲求が強く湧き上がるが、そんなことは到底口に出して言えるものではない。







その後も続く淫蕩な時間は心結の思考を酩酊させ、遂には涙腺が崩壊したように涙が止まらなくなっていた。
しゃくりあげる心結を眺めていた実はため息を吐き、心結を抱え上げると、胡坐をかいた膝の上に落とした。


 「やああああああぁぁぁっ!!!!」


いきなり屹立した雄で貫かれた衝撃に、心結は達してしまい、膣内が収縮して、肉棒を締め付ける。
 眉間に皺を寄せた実だったが、すぐに律動をはじめる。


 「んんっ!! ふあっ!!」


すぎる快楽に本能的な恐怖から実に強くしがみ付く。
 子宮口を亀頭が突くたびに白い世界が目の奥で点滅し、声すらも変に上擦る。
 一際強く突かれた瞬間、大きな絶頂を迎えた。


 「ふあああああぁぁぁっ!!!」
 「くっ・・・!」


 胎内で熱いものが流れ込んでくる感覚を感じながら、心結の意識は遠のいていった。









 目覚めると、実に抱き込まれている形で心結は眠り込んでいたらしい。
 暫くの間、ボンヤリと間近にある実の寝顔を眺めていたが、シャワーでも浴びてこようと思い、身体を反転させてベッドから降りようと、起き上がりかけた。
が、強い力で腰を引かれ、再度ベッドに倒れ込んでしまう。



 心結が驚いて見上げると、眠っていた実が心結をジッ、と見つめていた。


 「起きてたの・・・?」
 「さっき起きた」


 簡潔な答えで返すと、実は心結の身体を抱き込んで、仰向けにし、耳元で囁かれる。


 「・・・・・・なんで黙ってた?」


 実の声は歪な関係にあったあの頃の、暴走していた折によく聞いた無機質なものだった。
それだけで、実が本気で怒っているのが心結にもわかる。
 心結の身体が自然と強張る。


 「か、香恋のことは別に「妹だから」っていう理由で黙っていたわけでも、優しさからでもないよっ。ただ・・・、あの時は全部どうでもいいと思ってたから・・・」


 言葉にしてみると、あの当時自分は絶望していたのだな、ということが今更ながらに心結は理解出来る。
 自分の世界から色が失われた瞬間に、誰かを憎むにはそれなりの気力と根性が必要なのだ。



 大分経ってから、実はため息を吐いて心結を抱き締めた。重いけれど、実の怒りがなくなったのがわかり、ホッ、と安堵する。しかし・・・・・・。


 「・・・・・・あの、実? なんで手が身体を撫で回してるのかな・・・?」


しかもなにか硬いものが当たってるし!


 「仕切り直し」
 「無理! もう無理ッ!」
 「人間簡単に壊れるように出来てないから大丈夫だ」


そんな屁理屈があるかッ! 



そう叫びたかったが、言葉は唇で塞がれて何も発することは出来なかった。






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