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灯り火
燈台
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三希と別れ、俺と空はひと足早く一年B組の教室に向かう。教室に入ると宗司が机に頭を乗せて眠っていた。
「萌々さん、これ以上は食えないです」
「おーい宗司」
「おう?」
寝言を言っている宗司に声をかけると、宗司が目を覚まして俺達を見る。
「武、蒼井おはよう」
「おはよう宗司」
「菊一君おはよう、眠そうだけど何かあったの?」
「昨日、大食い大会に参加したんだ」
「そうなんだ」
「結局、ギャルに負けて俺は食い過ぎで寝込んでた」
「お疲れ宗司」
「かたじけない」
「尊い」
宗司の背中を摩っていると三希が教室に入ってくる。
「武、正徳が飴玉をくれた」
「良かったね三希」
「うん」
「はーい、朝のホームルーム始めるよ」
七水菜先生が教室に入ってきて俺達は席に着き、朝のホームルームが始まった。そして、いつものように授業を受けて放課後を迎える。左隣の席の空がかばんを持って立ち上がり、俺に声をかける。
「武君、僕は水泳部の部活に行ってくるよ」
「そっか、頑張れ空」
「うん、ありがとう武君。また明日ね」
「ああ、また明日」
「菊一君もまたね」
「応、またな」
空が俺と宗司に挨拶をして教室を出ていく。空が教室を出たあと、宗司が俺に話しかけてくる。
「武、帰ろうぜ」
「そうだね」
そうして俺と宗司が帰り支度をしていると一年B組の教室に茶髪でセミロングの髪のつぶらな瞳の女性が入ってきて、目にもとまらぬ速さで宗司の制服の襟首を掴む。
「萌々さん!?」
「行くぞ宗司」
宗司に萌々さんと呼ばれた女性は宗司の制服の襟首を掴んだまま引っ張っていく。
「待って萌々さん俺は今、武と帰ろうとしていて」
宗司がそう言うと女性が立ち止まり、俺の方へ振り向く。
「借家武」
「あ、はい」
「このバカは貰っていく」
「はい」
「すまない武、先に帰っててくれー」
宗司がそう言い残して女性に引きずられ、教室から出ていった。
「武、何かあったのか?」
「なんでもないよ」
後ろから三希に話しかけられ、振り返ると浮かない顔の三希がいた。
「どうしたの三希」
「何がだ?」
「なんだか悲しそうだったから」
「実は今日、千鶴と一緒に両親のお墓参りに行くんだ」
「そうだったんだ」
「うん、だから今日は私と千鶴は家に帰らないと思う」
「わかった、気を付けてな」
「武も戸締まりしときなよ」
「ああ」
そして三希が教室から出ていき、しばらくして正門前から黒塗りの車が発進した。俺は一人で廊下を歩いていく、正徳も見当たらず俺は下駄箱で靴を履き替えて帰路につく。
「こんばんは借家武君、私は天ノ川燈台と言います」
帰り道、黒い服の壮年の男性に出会った。
「萌々さん、これ以上は食えないです」
「おーい宗司」
「おう?」
寝言を言っている宗司に声をかけると、宗司が目を覚まして俺達を見る。
「武、蒼井おはよう」
「おはよう宗司」
「菊一君おはよう、眠そうだけど何かあったの?」
「昨日、大食い大会に参加したんだ」
「そうなんだ」
「結局、ギャルに負けて俺は食い過ぎで寝込んでた」
「お疲れ宗司」
「かたじけない」
「尊い」
宗司の背中を摩っていると三希が教室に入ってくる。
「武、正徳が飴玉をくれた」
「良かったね三希」
「うん」
「はーい、朝のホームルーム始めるよ」
七水菜先生が教室に入ってきて俺達は席に着き、朝のホームルームが始まった。そして、いつものように授業を受けて放課後を迎える。左隣の席の空がかばんを持って立ち上がり、俺に声をかける。
「武君、僕は水泳部の部活に行ってくるよ」
「そっか、頑張れ空」
「うん、ありがとう武君。また明日ね」
「ああ、また明日」
「菊一君もまたね」
「応、またな」
空が俺と宗司に挨拶をして教室を出ていく。空が教室を出たあと、宗司が俺に話しかけてくる。
「武、帰ろうぜ」
「そうだね」
そうして俺と宗司が帰り支度をしていると一年B組の教室に茶髪でセミロングの髪のつぶらな瞳の女性が入ってきて、目にもとまらぬ速さで宗司の制服の襟首を掴む。
「萌々さん!?」
「行くぞ宗司」
宗司に萌々さんと呼ばれた女性は宗司の制服の襟首を掴んだまま引っ張っていく。
「待って萌々さん俺は今、武と帰ろうとしていて」
宗司がそう言うと女性が立ち止まり、俺の方へ振り向く。
「借家武」
「あ、はい」
「このバカは貰っていく」
「はい」
「すまない武、先に帰っててくれー」
宗司がそう言い残して女性に引きずられ、教室から出ていった。
「武、何かあったのか?」
「なんでもないよ」
後ろから三希に話しかけられ、振り返ると浮かない顔の三希がいた。
「どうしたの三希」
「何がだ?」
「なんだか悲しそうだったから」
「実は今日、千鶴と一緒に両親のお墓参りに行くんだ」
「そうだったんだ」
「うん、だから今日は私と千鶴は家に帰らないと思う」
「わかった、気を付けてな」
「武も戸締まりしときなよ」
「ああ」
そして三希が教室から出ていき、しばらくして正門前から黒塗りの車が発進した。俺は一人で廊下を歩いていく、正徳も見当たらず俺は下駄箱で靴を履き替えて帰路につく。
「こんばんは借家武君、私は天ノ川燈台と言います」
帰り道、黒い服の壮年の男性に出会った。
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