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第2章 二つ目の事件( 未来 中学生)
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目の前の揺らぐ水の中に映っていたのは、三十代半ばくらいの男だった。これが、佐川奈々子の恩師である宮内幸雄であることは直ぐにわかった。もっとも約1か月ほど前に彼が弟と会った頃の事を見るように紙に書いたのだから、幸雄以外の姿が映っていたらおかしいのだが。
「勇次、お前に頼みがある」
水の中で揺らぐ男の口から出た言葉に、目の前に座る男の体が小さく揺れる。その顔は、もう一枚の絵の男の顔だった。彼の名前は勇次というのか。
「頼み?」
「ああ、彼女をそそのかして、レシピを手に入れてもらいたい」
スッと幸雄が勇次の前に一枚の紙を差し出す。集合写真だろうか?そこに映る男女数人の中の一人に赤い丸が付いている。
「彼女は?」
「俺の生徒で、名前は、佐川奈々子。創作料理専門のコックを夢見ている。……俺が彼女をお前に合わせるようにセッティングするから、お前は彼女に支援すると見せかけて、彼女のレシピを手に入れてもらいたい。方法は任せる。……ああ、それからできればそのレシピを使って創作料理コンテストに出席するように働きかけてもらえるか?」
幸雄の問いに勇次の顔が小さく揺れる。
「……方法は俺に任せてくれるんだな?」
「ああ、ただし、彼女にはお前の事は投資家と言っておく。だから、お前はそれに合わせた役作りをしてもらいたい。……名前は、久遠寺蓮を名乗ってくれ。私との関係は、知り合いの知り合いであり直接は知らないことにする」
「わかった」
弥生はもう1枚の紙に、「勇次」という名を書き込み、同時に偽名:久遠寺蓮と書き入れた。そして、先ほど入れた写真を取り出し、勇次の写真をたらいに入れる。
再び画面が揺れ、そこに二人2人の人間が現れた。
「はじめまして、久遠寺蓮です」
勇次が目の前の女性に名乗る。彼女が佐川奈々子なのだろう。どことなく未来に似ているが、未来に見える暗い影が彼女には見えない。恐らく能力の違いによるものなのだろうが。
「は、はじめまして、佐川奈々子です」
緊張のためか、奈々子の声が小さく震えている。
「何か、飲みましょうか」
緊張をほぐすためか、やわらかな表情で勇次がメニューを勧める。恐らくこんなお店に入ったことがないのだろう、奈々子の表情には戸惑いが見て取れた。
「あの……」
「もし、指支えなければ任せてもらえるかな?」
勇次の提案に奈々子が慌てて頷く。
「嫌いなものは?」
「いえ、特には……」
「了解、じゃあ、何でもいいね」
勇次はてきぱきとメニューを決め店員さんに注文をした。初めて聞く料理が多く、弥生にも彼が何を注文したのかさっぱりわからない。
「じゃあ、さっそくお店の話、しようか?」
料理が来る前に切り出された言葉に、奈々子の表情が緊張したモノに戻った。
「あの、お店は実家を改築して、誰でも入れるような家庭的なお店にしたいと思っています」
緊張する面持ちで1枚の紙を勇次に差し出す。弥生が軽く目を眇めると、その紙の内容が目の前に浮き上がってきた。
紙には見取り図が書いてある。恐らく奈々子が作ろうと考えているお店の見取り図なのだろう。
「なるほど、ね。メニューは決まっている?」
「はい」
奈々子が鞄から1冊のノートを取り出した。
「これが、メニューです」
ぱらぱらと眺める勇次の顔に純粋な驚きが浮かんでいた。メニューは恐らくかなりの数に上るのだろう。
「……このレシピは、全部君が?」
問われた問いに、奈々子が小さく頷く。
「はい。まだ、ありますけど、お店の初期メニューはこれにしようかと思っています」
このノートだけでも結構な量があるのに、まだまだあるという。どのくらいの量のレシピが存在しているのか、純粋に興味がある。さすがはレシピ系能力者と言ったところか。料理のレシピを考えるのは、息をするよりも簡単なのだろう。これは、教える方としてはたまったものじゃない。
「……わかった、出資は前向きに検討しよう。だが、君が料理も担当するのだろう?レシピはあるが、作れないでは話にならない。……出場予定の料理系コンテストはあるか?」
問われた問いに奈々子が慌てて頷く。
「は、はい。今度NHK主催の創作料理コンテストに学校代表で出場します」
「そこで作る料理は決まっているのか?」
「まだ、はっきりとは……」
「では、今回持ってきたこのレシピの中から1つ出してくれ。それで入賞以上の成績を収めたら出資をしよう。その場合出したメニューが看板メニューとして宣伝もできるしな」
「は、はい。お願いします」
勢いで頭を下げる奈々子を見る勇次の口元が弧を描く。その笑みがいびつなものに見えた。
再び、ぐにゃり、と水面がゆがみ、場面が変わった。場所は先ほどと同じ料亭なのだろうが、状況が少し変わっている。
勇次の目の前で奈々子が机に突っ伏して眠っていた。そのわきにはカクテルグラスが置いてあるので、おそらくカクテルを飲まされ眠ってしまったのだろう。ものすごく嫌な予感しかしないが。
「勇次」
背後からかかった声に勇次が振り向く。
「紫苑さん、奥の部屋、使えます?」
「ああ、用意はしてある……が、又毛色の変わったの連れてきたな」
「ちょっと諸事情で」
「わかった、ところで新作は?」
紫苑の問いかけに勇次が二枚の写真を取り出した。
「彼女が新作予定。ところで、売れました?」
首をかしげる勇次に紫苑が小さく頷いて、1枚の写真と1冊のアルバムを取り出した。その口元ににやにやといやらしい笑みが浮かんでいる。
「これが売れた。セットで買っていったぞ」
そこに映っている内容に弥生が小さく息を呑む。
1枚の写真に写っているのは絵だ。どこか意志の強そうな瞳をした若い女性が映っている。まっすぐとこちらを見ているその瞳が印象的だった。そして、彼女は何も着ていない。完全なヌードだ。でも、嫌な感じはしない。白黒だからか、芸術作品として売り出されてもおかしくはないだろう。
アルバムの方はシンプルな表紙で中にどんな写真が写っているのか、さっぱり解らないし、紫苑もそれを開くようなことはしなかった。
「そうですか。わかりました」
勇次も写真集の方には興味がないのか、淡々と答える。
「お前、何でこれ見たがらないんだ?撮影中でもさほど興味示さないだろう」
「彼女たちは被写体ですから。他の意味なんてありません。……奥、使いますよ」
勇次が、眠る奈々子を抱き上げ、奥の扉に向かう。その後を紫苑がついていく。そのにやにやとした笑いに嫌な気分になった。
「勇次、お前に頼みがある」
水の中で揺らぐ男の口から出た言葉に、目の前に座る男の体が小さく揺れる。その顔は、もう一枚の絵の男の顔だった。彼の名前は勇次というのか。
「頼み?」
「ああ、彼女をそそのかして、レシピを手に入れてもらいたい」
スッと幸雄が勇次の前に一枚の紙を差し出す。集合写真だろうか?そこに映る男女数人の中の一人に赤い丸が付いている。
「彼女は?」
「俺の生徒で、名前は、佐川奈々子。創作料理専門のコックを夢見ている。……俺が彼女をお前に合わせるようにセッティングするから、お前は彼女に支援すると見せかけて、彼女のレシピを手に入れてもらいたい。方法は任せる。……ああ、それからできればそのレシピを使って創作料理コンテストに出席するように働きかけてもらえるか?」
幸雄の問いに勇次の顔が小さく揺れる。
「……方法は俺に任せてくれるんだな?」
「ああ、ただし、彼女にはお前の事は投資家と言っておく。だから、お前はそれに合わせた役作りをしてもらいたい。……名前は、久遠寺蓮を名乗ってくれ。私との関係は、知り合いの知り合いであり直接は知らないことにする」
「わかった」
弥生はもう1枚の紙に、「勇次」という名を書き込み、同時に偽名:久遠寺蓮と書き入れた。そして、先ほど入れた写真を取り出し、勇次の写真をたらいに入れる。
再び画面が揺れ、そこに二人2人の人間が現れた。
「はじめまして、久遠寺蓮です」
勇次が目の前の女性に名乗る。彼女が佐川奈々子なのだろう。どことなく未来に似ているが、未来に見える暗い影が彼女には見えない。恐らく能力の違いによるものなのだろうが。
「は、はじめまして、佐川奈々子です」
緊張のためか、奈々子の声が小さく震えている。
「何か、飲みましょうか」
緊張をほぐすためか、やわらかな表情で勇次がメニューを勧める。恐らくこんなお店に入ったことがないのだろう、奈々子の表情には戸惑いが見て取れた。
「あの……」
「もし、指支えなければ任せてもらえるかな?」
勇次の提案に奈々子が慌てて頷く。
「嫌いなものは?」
「いえ、特には……」
「了解、じゃあ、何でもいいね」
勇次はてきぱきとメニューを決め店員さんに注文をした。初めて聞く料理が多く、弥生にも彼が何を注文したのかさっぱりわからない。
「じゃあ、さっそくお店の話、しようか?」
料理が来る前に切り出された言葉に、奈々子の表情が緊張したモノに戻った。
「あの、お店は実家を改築して、誰でも入れるような家庭的なお店にしたいと思っています」
緊張する面持ちで1枚の紙を勇次に差し出す。弥生が軽く目を眇めると、その紙の内容が目の前に浮き上がってきた。
紙には見取り図が書いてある。恐らく奈々子が作ろうと考えているお店の見取り図なのだろう。
「なるほど、ね。メニューは決まっている?」
「はい」
奈々子が鞄から1冊のノートを取り出した。
「これが、メニューです」
ぱらぱらと眺める勇次の顔に純粋な驚きが浮かんでいた。メニューは恐らくかなりの数に上るのだろう。
「……このレシピは、全部君が?」
問われた問いに、奈々子が小さく頷く。
「はい。まだ、ありますけど、お店の初期メニューはこれにしようかと思っています」
このノートだけでも結構な量があるのに、まだまだあるという。どのくらいの量のレシピが存在しているのか、純粋に興味がある。さすがはレシピ系能力者と言ったところか。料理のレシピを考えるのは、息をするよりも簡単なのだろう。これは、教える方としてはたまったものじゃない。
「……わかった、出資は前向きに検討しよう。だが、君が料理も担当するのだろう?レシピはあるが、作れないでは話にならない。……出場予定の料理系コンテストはあるか?」
問われた問いに奈々子が慌てて頷く。
「は、はい。今度NHK主催の創作料理コンテストに学校代表で出場します」
「そこで作る料理は決まっているのか?」
「まだ、はっきりとは……」
「では、今回持ってきたこのレシピの中から1つ出してくれ。それで入賞以上の成績を収めたら出資をしよう。その場合出したメニューが看板メニューとして宣伝もできるしな」
「は、はい。お願いします」
勢いで頭を下げる奈々子を見る勇次の口元が弧を描く。その笑みがいびつなものに見えた。
再び、ぐにゃり、と水面がゆがみ、場面が変わった。場所は先ほどと同じ料亭なのだろうが、状況が少し変わっている。
勇次の目の前で奈々子が机に突っ伏して眠っていた。そのわきにはカクテルグラスが置いてあるので、おそらくカクテルを飲まされ眠ってしまったのだろう。ものすごく嫌な予感しかしないが。
「勇次」
背後からかかった声に勇次が振り向く。
「紫苑さん、奥の部屋、使えます?」
「ああ、用意はしてある……が、又毛色の変わったの連れてきたな」
「ちょっと諸事情で」
「わかった、ところで新作は?」
紫苑の問いかけに勇次が二枚の写真を取り出した。
「彼女が新作予定。ところで、売れました?」
首をかしげる勇次に紫苑が小さく頷いて、1枚の写真と1冊のアルバムを取り出した。その口元ににやにやといやらしい笑みが浮かんでいる。
「これが売れた。セットで買っていったぞ」
そこに映っている内容に弥生が小さく息を呑む。
1枚の写真に写っているのは絵だ。どこか意志の強そうな瞳をした若い女性が映っている。まっすぐとこちらを見ているその瞳が印象的だった。そして、彼女は何も着ていない。完全なヌードだ。でも、嫌な感じはしない。白黒だからか、芸術作品として売り出されてもおかしくはないだろう。
アルバムの方はシンプルな表紙で中にどんな写真が写っているのか、さっぱり解らないし、紫苑もそれを開くようなことはしなかった。
「そうですか。わかりました」
勇次も写真集の方には興味がないのか、淡々と答える。
「お前、何でこれ見たがらないんだ?撮影中でもさほど興味示さないだろう」
「彼女たちは被写体ですから。他の意味なんてありません。……奥、使いますよ」
勇次が、眠る奈々子を抱き上げ、奥の扉に向かう。その後を紫苑がついていく。そのにやにやとした笑いに嫌な気分になった。
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