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唐突に、残酷に、
しおりを挟む私には昔から仲のいい親友が居た。
お互いの秘密も話せて、恋のお話だってしたし、二人で田舎の祖父母の家に小旅行にも出掛けた。
時にはお互いを嫌になって喧嘩したこともあったけど、それでも、必ず〝約束の場所〟に足が向く。
長い長い年月が過ぎ、何度も世界が滅びたけれど、必ず私たちは〝約束の場所〟へ訪れた。
私たちは、独りじゃなかった。
いつだって、『ふたり』だった。
いつ来るか解らない次の出逢いも、その先に貴女が居ると分かっていたから、私はいつだって信じて次を待てた。次を信じて居られた。
けれど、終わりはいつでも唐突に、残酷に訪れる。
「...あなた、だれ?」
今までの記憶が負担になっていた。
私に縛られた貴女。貴女だけを探し求めた私。
負担は重なり、遂に負担を壊して真っ白になった。
私は、もうとっくの昔に壊れていた。
貴女は、抗い、壊した。
私は、受け入れ.........貴女の負担になった。
貴女は私の唯一の親友。私の大切な人。
私と貴女の過去の思い出も、記憶も、何もかも無くしてしまったのなら。
私は貴女が赦す限り傍に居て、新たな楽しい思い出を作りたい。
貴女の負担にならないように、一度一度、必ず記憶は消してしまおう。
「わたし、きっと来世でも貴女の親友になってるわ!」
それが貴女の、私の愛しい君の願いなら。私は必ず貴女に会いに行く。
そして、次も私は貴女の親友になろう。
例え世界が幾つ滅びようとも。貴女に記憶がなくとも。貴女が次も私を望んでくれるのなら、私はいつだって貴女の傍に居る。きっと、貴女の親友になる。
だから、お願い...
「私を忘れて」
貴女の未来を確立させるために。
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