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特別章
越智雄大
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こんなはずじゃなかった。橋の下から解散した後、学校に自転車を置いたままだったので取りに戻ろうとして遠回りは嫌だったので学校の裏門を入って正門まで行こうとした。裏門は閉まっていたが低いのでよじ登った。そして野球のバックネット辺りで腰を刺されたらしい。一瞬ズキンという鋭い痛みが全身を這い回った。その部分が熱を帯びて行っている。まさか石水だろうか、まさかあのボロボロの体のはずの大森はないだろう。それにしても普段より頭が数段回る、急所は外れている、本能が反撃を指示していた。そうだ、反撃しなくては、振り返る、しかし、痛さよりも前に快感に溺れた体は体力、気力ともに無に等しかった。だんだんと地面が近づいくる。ひんやりとした土の感触が伝わって来た。誰かが俺の腕に触れているようだ。1人か、いやそれ以上だ。支えながら立たされた。そして野球のバックネット裏の二段ベンチに登らされるひどい激痛だ。首に縄が通った。もう終わりだ。最後に自分をこんな目に合わせた奴の顔を見てやりたい。コートに…
「あっぁぁ」
そして意識はだんだんと闇に吸い込まれて行った。
「あっぁぁ」
そして意識はだんだんと闇に吸い込まれて行った。
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