學徒戰争(学徒戦争)〜学生は革命に動きます〜

萬榮亭松山(ばんえいてい しょうざん)

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第3章

選挙戦

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5月の半ばの第2回の晴人と新聞部のイベントと大成功で選挙戦は間違いなく勝てる、と言うことまで来た。同令和32年6月7日。晴人は正式に現生徒会に立候補届を出して、受理された。いよいよ選挙戦が幕を開けたわけだ。しかし、新聞部が高等部2年(5年)の生徒会長も含めて選ぶ晴人らの学年の830名中300人にアンケートを取った所、一位が晴人で102票。二位が吉彦で62票。三位が中山豊で38票。四位が東堂海揮36票と、皇国再建部が300票中238票を取ってほとんど既に当選確実で他の学年でも皇国再建部は全員当選確実にまでなった。そして教師までも今までとは逆で若干晴人に傾きつつあった。その理由は、食糧備蓄が少ない事が分かり、それをどうにかしようとしていた所、予算の都合がつかなかった。そこに晴人が安井グループ・安井会長から支援の約束を貰っていることを発表したのだ。これは、事実だった。ゴールデンウィークの訓練の後、大道寺元帥は と安井会長が電話で会談し、安井会長は他の物も含めて喜んで快諾してくれた。

「安藤です。入ります」
そう言って新聞部の扉を開けた。
「あっ、安藤君。そこ座ってて渡部先輩呼んで来るから」
そう言って斉木は奥の部屋に飛ぶようにして走っていった。そしてそれと交代に渡部が出てきた。
「あれっ、今日安倍君は一緒じゃないの?」
「ああ、あいつは今日用事があるって言ってました」
「あ、そう。まあ、いいや。うちの部活は君らのおかげで近年稀に見る盛況ぶりだよ」
「それは良かったですね」
と、2人で悪役のようなタイミングで笑った。
「ところで渡部さん、用事って言うのは?」
「ん、ああ」
と言って渡部は姿勢を正した。
「今日から、いよいよ選挙戦が始まったから選挙が終わるまでの一週間、あなた達は出入り禁止。最低限のジャーナリズム」
「ああ、なんだ。たしかにそうですね、分かりました。そうします」
「ありがとう」
「じゃ、僕はこれで」
「うん、絶対勝てよ選挙。情報発信部再興の為に」
思わず苦笑いが出た。僕等が裏山の小屋で国家の運命について議論していてもこの人は一つの部活のことについて考えていると思うと何だかおかしくなった。それで新聞部を後にした。正直言って、この学校の生徒会選挙は他の学校と比べるとすごく異質だ。5年前にはその時の生徒会長が候補者から100万に近い金を貰ったとして候補ともども退学処分になり、その3年前には脅迫紛いの行為で1人停学になった。この他にも色々と事件はあったようでその度にマスコミに流されそうになるものの、全寮制を盾にして情報を隠蔽しているとのことだ。どうやらどれも対立候補が密告した物だと言われている。だから新聞部と晴人が一緒にいる所を見られるとどんな揚げ足を取られるか分からない。だから、これはお互いにとって良い提案なのだ。そんな事を考えながら新聞部をでると、目の前の扉がいきなり開いた。
「安藤さんですね、少し、少し」
と言って背中を押されて中に連れ込まれた。入れられると、パイプ椅子を1つ薦められた。中では何人もの生徒が慌ただしく動いていて、慌ただしい靴の音がしていた。
「申し遅れました、雑誌部部長、6年、大村与平です」
と言って背の小さい眼鏡をかけた男が笑いながら言った。
「ああ、気になりますか?」
「え、ええ。雑誌、明日の発刊の分ですか?」
「ええ、そうだったんですがね、。まあ、何というか……」
もしかすると、浜内が立候補を取り止めた事を知らずに雑誌を作ったのではないか。
「もしかして、浜内のこと知らなかったんですか?」
大村は苦笑いで「ええ、まあ」と言った。
「それで急遽作り直しになりまして、各候補の公約を載せる事になったんです」
「ああ、そういうことですか、では、僕の公約も?」
「ええ、お願いします」
「分かりました。はじめに……」
「あっ、待ってください、安藤さんの公約については後でお部屋に伺ってお部屋で伺ってもよろしいでしょうか?」
「え、ええ。いいですよ、何時頃ですか?」
「そうですねー、今が4時半ですから7時頃に伺います。お部屋は……」
そんな会話が終わって雑誌部の部室を出た。よく考えてみれば、公約などは掲示された選挙ポスターに書いてあるのに……。そんな事を考えながら寮に戻った。今日は吉彦が先に帰っていた。
「今日、後で雑誌部部長の大村さんが来るらしい」
「雑誌部部長?何でそんな奴が?」
「分かんねぇ」
「吉彦、頼めるか?」
「オーケー、探ってみるよ」
「よろしく」


そして、7時2分前に大村が部屋に来た。前の浜内と同じ席に座らせる。
「では、さっそく公約について話しましょうか?」
「あっ、いえいえ、公約についてはポスターや新聞で十分分かっています」
と、大村が悪い笑みを浮かべる。
「では、何を?」 
隣に座った吉彦が問う。
「とりあえず、これを」
と言いながら茶封筒を渡してきた。
「これは?」
惚けるように聞いてみた。
「まあ、私の口からなんとも」
と、ニヤけている。見なくてもわかる。賄賂だ。何となく予想はしていたが、こんな見下げた奴がまだこの学校に本当に居るとは……。「一応、OBからも募ったので、そこそこ……」
と、再び大村がニヤける。
「大村さん、申し訳無いがこんな物は受け取れない」
と言った瞬間一瞬、大村の顔が曇ったが、すぐに笑顔に戻った。
「ああ、そうか。安藤君はまだウチの部活と仲良くするとどんな得があるか知らないんだ。まあ、そんな事はいずれ分かるとして……。これだけでも受け取って下さい」
と言ってもう一度こちらに笑いかける。
「残念だが、そうはいきません」
大村は意外に短気なようで、もう不服そうにこちらを見ている。
「なぜですか?」
「はぁ、本当に見下げた人だ……。吉彦、もういい、あれを出してくれ」
「ああ、分かった」
待っていましたとばかりに灰色のファイルを五つ持ってくる。背表紙には令和27年度から令和31年度までの生徒会記録になっている。
「大村さん、これが何だか分かりますね?」
「そんなもん知るかよ。」
と、先程までとは打って変わった態度でこちらを見てくる。
「これらには生徒会の様々な記録が載っていて部費に関する記録もあります」
そこに吉彦が令和27年度の物を差し出してくる。
「これは令和27年度の分です。ここの記録には令和27年度7月に情報発信部から雑誌課が独立した事も書かれてあります。そして、同年度同月に決められた1年間の部費割り当てでは情報発信部(現新聞部)には前年度の約4割しか部費が出てないのに対し、設立初期の雑誌部には前年度の情報発信部の部費と同額が出されています」
明らかに大村の顔色が悪くなってきた。
「そして、他の3つの年度で、雑誌部の部費は更に増えています」
吉彦が更に他のファイルもこちらに滑らせる。
「ただ発行部数が増えただけだろ」
大村が本気の怒りと怯えを含んだ目をこちらに向けてくる。
「ところが、令和28年度にこそ年間五万部を出していた校内の無料雑誌ですが、令和31年度には三万部にまで落ち込んでいるんですよ」
「……紙代が上がったんだよっ」
「そうですか、ではもう一つ。」
と言って五年間全ての雑誌部の部費決算書が開けられた。この決算で余った金額は学校に返され、それを指標に次年度の部費が決まる。
「これのどこか間違ってるか?」
大村は完全に怒りを向けている。
「いえ、数字は間違っていません。数字は……」
そう言うと大村の顔が今度は怯えで強張ったように見えた。 
「令和27年度から令和31年度の間毎年、新機械導入費が入ってるんですよ。例えばどんな物を入れたんですか?」
「…パソコンとか、大型の印刷機とかだよ」
こちらも頷く。
「でも、それは変なんですよ。例えば、新聞部は令和28年度に新しいパソコンを入れた、と、別に記録と領収書があるのに対し、こちらには何もそんな記録が無いんですよ」
もう、大村の顔は蒼白だった。
「ここらかは推測の域を出ませんが、雑誌部は部費の一部を生徒会長と生徒会の会計長に流していたんじゃないですか?」
「………」
「よってこの疑惑から、僕のもう一つの公約は新聞部と雑誌部を再統合して健全な部活運営を行う事です。以上っ」
そう言うと大村は蒼白な顔のまま賄賂の入った封筒を持って部屋を転ぶように急いで出て行った。

「吉彦、音は?」
「ちゃんと入ってるよ、ビデオもね」
こんなことになるだろうと思ってボイスレコーダーとビデオを回しておいたのだ。後はこれを後日、新聞部の渡部に渡して雑誌部はどちらにしろ新聞部と統合するという状況を飲まないと生き残れないだろう。
本当だったらこんなことはしたくなかった。大村が賄賂を出さなかったら本当はやめようと思っていたのに……。電話を終えた渡部がこちらを向いて言った。
「渡部さん、張り切って今から取りに来るってよ。帽子にサングラス、マスクで降りて来いって」
「ふっ、逆に目立たないか?」
「だよな」
と、2人で声を出して笑った。四の五の言っても仕方ないのでニット帽にマスクを着け、サングラスを着け、ジーンズにTシャツと上着という格好で紙袋にビデオカメラのSDカードとボイスレコーダーと証拠の資料を入れて寮の一階に1人で降りた。何だが悪役になった気分だった。15分程してズボンの私服で渡部がやって来た。辺りには誰もいない。渡部が無言で手を出して来たので、こちらも無言で紙袋を差し出す。渡部は不敵な笑みを浮かべた。すると、何も言わずに回れ右をして帰って行った。あまりにスパイ映画のようで、1人でクスクス笑ってしまった。

次の日、6年の大村は学校を休んだらしかった。

更に次の日の朝、新聞部が号外として雑誌部の賄賂のことを発表した。その日の昼には生徒会と雑誌部に不正な金の流れがあったとして新しい号外が出た。これを受けて5時間目は自習になって職員会議が開かれた。どうやら、そこで決まった事は生徒会長の自宅謹慎(停学)と生徒会会計長の自宅謹慎(停学)だけだった。しかし、次の日、残りの任期を4日残して前代未聞な事に辞職した。

そして金曜日、各学年各候補が各場所で演説をし、その中でこれまでの経緯もあったので、晴人の新たな公約として新聞部と雑誌部を統合して情報発信部を再興するという公約を打ち出すと、予想以上に効果があり、投票日の1日前、6月13日の各学年300人アンケートでは晴人が高等部2年(5年)の830名のうちの300人中153票という記録を出し、前回のアンケートよりも更に40票以上得票数を伸ばし、過半数を取り他の皇国再建部も20から10票、表を伸ばした。

そしていよいよ決戦日の14日。投票日
投票は午前中が丸々使われ、一大イベントの様な感じになる。1、2時間目に投票が行われ、3時間目で開票され、4時間目に生徒会長が生徒会堂から校内テレビで挨拶する。2時間目までの投票が終わると全候補者は第一ホールに集められた。全校の候補者合わせて500人近くが集められた。一学年の定員が16人。全部で80人だ。当選倍率は6倍に近くになる。まず1年生から順順に当選者16人が発表され、当選者は生徒会堂に次々移動していく。生徒会堂はこの中世西洋のような校舎と部活棟を抜けたところに石造りで立派に立っていて、その奥には体育館が並ぶ。生徒会堂はまるで西洋の銀行を小さくしたような形をしている。
『続いて5年生の当選者、及び、生徒会長を発表します……』
すると、続々と安倍吉彦、中山豊、東堂海揮と、これで晴人以外の他学年も含め全員の立候補した皇国再建部部員が当選した。晴人の周りには、晴人の名が今か今かと他の学年の皇国再建部員も集まっている。
「最後に、生徒会長は……安藤晴人君」
と、最後の最後に発表された。周りの奴らは自分のことのように肩を叩き合って喜んでいる。何だか、胸が熱くなって来た。
「さあ、いくぞっ、これからだ」
と、15人で生徒会堂を目指した。
生徒会堂の立派で重厚な扉を入ると盛大な拍手で迎えられた。中に入った事は無かったので、初めて見る物ばかりだ。中は、奥の方に舞台があり、その真ん中に生徒会長の席があり、両端が生徒副会長の席で、一段下に他の幹部の席がある。この学校では生徒会長が他の幹部を指名できるが、まだなので他の皇国再建部員は指定席に行き、晴人だけが真ん中を通り、舞台に上がる。すると、待っていた前の生徒副会長の一方が生徒会長のバッヂを付けてくれた。
「本当は生徒会長の役目なんだけどね」
と、晴人にしか聞こえない小声で言いながら。それに続いて前生徒副会長の校内テレビ演説になった。
「前生徒副会長の末春です。まず、本来であればこの場は前生徒会長の場所でした。しかし、一連の不祥事で生徒会の品位と信頼を落としてしまった事を前生徒会長に代わり謝罪いたします。申し訳ありませんでした」
と言って末春は10秒近くも頭を下げていた。それが終わるといよいよ次は晴人の挨拶の番だった。
「皆さん、新生徒会長になりました。安藤晴人です。まず、先程前生徒副会長よりもあったように、我が生徒会、特に幹部は健全な運営が出来ているとは到底言い難い物でした。先に周知の通り、この元凶は雑誌部でした。これからその事も議論しながら僕の公約の柱である第二皇国再建部を作り、この学校からも大きな意思表示が出来る様にしたいと思います」
そう締めくくると、一斉に拍手が起きた。そしてそこで4時間目終了のチャイムが流れた。

次の日の放課後
再び生徒会の役員80人を全員呼び集めて幹部任命式が行われた。晴人は生徒副会長に吉彦と東堂を、会計長に中山を、広報長に4年の向井少佐を、風紀長に同じく4年の木屋少佐を、そして新たに監査長をもうけ、それに3年の大泉大尉を置いた。つまり、幹部の役職は全て皇国再建部員が独占したことになる。しかし、全学年を通して圧倒的な得票率を得た晴人等にもう逆らう奴はいなかった。続いて、雑誌部の一連の不正における処分の話し合いに入った。案がある者は舞台の生徒会長席の真下の意見台まで来て発表する。何人かが案や意見を言ってその案と晴人の情報発信部再興案の3つに絞られた。他の2つは、雑誌部廃部案と雑誌部再生案だった。2つ目は、雑誌部の部長大村を解任し、生徒会から新たな部長を送り、再生するという物だった。因みに部費はどれにしろ8割カットと厳しい物だった。正直、晴人等皇国再建部員からすればこんな事はどうでもいい。ただ、渡部との約束があるからやっているだけだ。どうやら、80人の生徒会役員達の意見は雑誌部再生案に傾きつつあるようだ。正直、それでいい。思わずため息が出そうだった。しかし、そうもいかない。今は、まだ……。そう思って手を挙げる。司会の吉彦が晴人を指名する。生徒会長は自席のマイクでの発言が許される。
「私の案について1人、お呼びしたい人がいます。……どうぞお入りください」
そう言うと舞台袖から渡部が出てきた。いつもと違ってブレザーをしっかり着てちゃんとした格好をしている。そのまま発言台に進む。
「新聞部部長の渡部さんです」
「渡部です。私は新聞部部長として……。旧情報発信部部員として生徒会長の案を支持します。そもそも、新聞部再生案には無理があります。まず、新聞部や雑誌部には機械操作が多く、また、独自のスタイルを維持するにはスキルが必要です。しかし、生徒会からの部長派遣ではそれが出来ず、部長とは有名無実の物となってしまうからです。また、廃部案は長年続いた学校誌をやめるのは大変残念です。その為、私は生徒会長の統合案を支持します」
と言って礼をして締め括った。堂内からは一斉の拍手が起きる。
「渡部さん」
渡部が振り返る。
「何ですか?」
「どうだろう、部費は?」
「7割カットで」
「8割は?」
「もうお任せします」
そう言って渡部は横の出口から生徒会堂を後にした。
「どうだろう、諸君。彼女を信じてみないか?」
そう言って微笑んで晴人は話し始めた。

結局、8割以上の賛成で晴人の情報発信部再興案になり、その日の会議は終了した。堂を出ると、渡部が待っていた。
「渡部さん。よかったんですか本当に?雑誌部との統合は大変ですよ」
「大丈夫、どうせ私もあとちょっとだし、後は斉木君だよ」
と言って笑った。
「あっ、コピー機の方はどうなってるの?」
そうだったそれを忘れていた。コピー機を新しくする約束もあった。
「僕以外の名義で寄贈するようにしますよ」
「あっそ、ありがとう」
その言葉はいつもの渡部の素っ気無い物だった。いつの間にか隣には吉彦が来ていた。
「吉彦、本番はこれからだ……」
と言うと吉彦も黙って深く頷いた。
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