Free house

みれ

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「じゃあ全部脱いで」





部屋に入るなり想像もしていなかった言葉を投げかけられて固まった。


個人の所有物とは思えない広い部屋に高い天井、なんだか高価そうな装飾品。そして、目の前に広がる湖や森、自然が一望できる大きな窓。


そんな場所でも見劣りしない和樹に見惚れていたところだったのに。





「聞こえなかった?全部脱いでって言ってるんだけど」





部屋の真ん中にある見るからにフカフカなソファに腰掛けた和樹がにっこりと微笑む。俺の大好きな笑顔。でも…





「カーテン開いてるし、まだ明るいし…そんな急に…」





いくら俺らが恋人で、何度も裸を見せ合ってそういう事をしてるといったって、流石にこの状況じゃ恥ずかしい。





「さっき言ったじゃん、ここは全部うちの所有だからカーテン開いてるかどうかは関係ないよ。人なんて絶対来ないんだから」

「いや、そういう問題じゃなくて…」

「なに、脱がして欲しいの?…しょうがないなぁ夏樹は」





渋る俺に、和樹が呆れた風で近づいてくる。





「窓の方向いて」





くるりと体を回されてバックハグのような体勢になりながら、和樹の綺麗な指でひとつずつシャツのボタンが外されていく。


ピカピカに磨かれた窓ガラスに、広い部屋の中でぴったりとくっつく俺らが写っていて、その先には開放感のある自然が広がっている。


それだけで俺の体は徐々に熱くなっていく。





「興奮してきた?」





俺の体に指を這わせながら耳元に低音を流し込まれて、びく、と体が反応してしまう。





「し、してな、、」





体は素直でも理性を保った頭は虚勢を張る。





「嘘つき」

「ぅあ…、はぁ」





それでも耳を甘噛みされれば、簡単に喘ぎが漏れてしまって。


いつのまにか上の服は剥ぎ取られ、和樹の手はズボンに掛かっていた。





「ぁ…だめ、」

「もうこんなに感じてるくせに、何がダメなの?」





既に緩く立ち上がった自身を刺激するように、ゆっくりとジッパーを下ろされて、俺は仰け反りながら喘ぐことしかできない。





「力入んなくなっちゃってるね。ほら、ズボン脱ぐんだから足上げて」





自分の力だけでは立てなくて、和樹に体重を預けながらなんとか足を上げるとズボンを抜き取られ、下着だけになる。





「見て、夏樹の顔こんなとろとろになっちゃって…可愛いね」





顔を掴まれて前を向かされると、窓ガラスに写った溶けた自分の顔が見えて一気に顔に熱が集まる。





「今日からここでたくさん可愛がってあげるね」





外の景色が見える開放的な場所で服も着ずに感じている恥辱と何をされるかわからない不安に、確かに興奮している自分がいた。
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