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3.帝政エリクシア偵察録
20.旅の途中④
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その後、ボッチな貴族令嬢エリーゼさん(違うといって殴られた)に聞いた処、エリーゼさんとヘルガさんが色々と答えてくれました。
エリーゼさんは、クラウディウス公爵家の一人娘だそうで、お父さんのクラウディウス公爵は、とても美しく優しい奥様を非常にが付くほど溺愛していたそうです。その為、婦人がエリーゼさんの出産と共に他界してしまった後も、再婚はせずに独身を貫いているそうですね。
ここまでは、奥様への熱愛過ぎる貴族様のお話ですが、奥様の他界と同時に娘であるエリーゼさんへの溺愛に代わってしまったようです。そういえば大貴族の令嬢が王都に居ないで自分の領の邸宅に居ても良いのかなとは少しは思っていたんですよね。
エリーゼさんは14歳でまだ成人してないでしょうから、本格的な社交界デビューとかはまだなのでしょうけど、貴族は成人と共に婚約がすぐ決まるのが普通だったはず。いや、成人前に婚約が決まっていてもおかしくはありませんよね? 僕がそこを聞いてみると、これまたヘルガさんが答えます。
「実は公爵様が、ずっとお嬢様は身体が弱く領地を離れられないと言い続けていた様で……」
はぁ、それではお家の為にはまずいんじゃないんでしょうかね? 跡継ぎの嫡男も居らず、ご自身は再婚のつもりもない。まあ、最悪身内の貴族家から養子を迎える手もあるのでしょうけど。
「それが漸くお嬢様も普通じゃないと理解していただいたようでして。漸く先日婚約が正式に決まったのですよ。」
へぇ、それは良い事ですね。うんうん、僕には完全に他人事なので安心して聞いていられます。
「それはおめでとうございます。お相手は良いお方なのでしょう?」
僕の問いに答えたのは、やはりヘルガさんです。エリーゼさんは顔を赤くしてそっぽを向いていますね。いいなぁ、美人は何しても似合って。そして僕は出された紅茶のカップを口に運びます。そしてヘルガさんが三度答えました。
「はい、身分的には申し分ない方ですよ。第2王子のオリバー様ですから……」
その声と同時に、カップの紅茶がゴポリと大量に口に入ります。まずい、このままだと2人に紅茶のシャワーを浴びせてしまいます。なんとか顔の向きを変える事には成功しましたが、直後にブフォ~っとすさまじい音と共に、僕は口に含んだ紅茶を噴出してしまいます。
「ぎゃぁぁ~、汚い、何するんですの!!」
「ギニャァ~」
エリーゼさんの悲鳴とアレキの鳴き声と共に、客間のドアが開き抜剣したメイドさん達が雪崩れ込んできました。その後はもうてんやわんやでした。
*****
僕は紅茶でずぶ濡れになったアレキを、取り出したリネンのタオルで丁寧に拭いてあげています。アレキの被毛はダブルコートで水気は殆ど通さないので、本体にダメージは無いはずですけどね。綺麗にしてあげた後、魔法でリネンのタオル共々綺麗にします。えっ、最初から魔法で綺麗にすれば二度手間じゃないだろうって? それは何か違う気がしてしまうんですよね。
客間の長椅子のシートには多大な被害を出してしまいましたが、こちらも魔法で染み抜きと洗浄、乾燥をかけることでほぼ元通りとなっています。メイドの皆様方には、ヘルガさんが説明して下さったので、なんとか無事生還できましたよ。
あぁ、やばかった。精神的にまだどきどきが治まっていませんよ。ここまで動揺したのは、アイオライトにきて初めての事かもしてません。むぅ、オリバー恐るべしですね。
「すいません、知人の名前と似ていたので、ちょっと紅茶がへんな所に入ってしまいました。申し訳ありません」
僕はお2人に、立って謝罪しました。土下座のほうが良いのかどうかは悩む所ですが、こちらで土下座している人は見たことがありませんしね。
幸い、お2人は快く許していただきました。条件付で……。はい、想定できたでしょうけど、お嬢様方は板チョコがご所望です。実際手持ちは未だありますが、あのときもう手元にはないと言ってしまった手前、素材から調達となってしまいます。これって、絶対レシピとるつもりですね? とはいえ、素材も集まるかどうか微妙ですしと伝えますが、公爵家の全力を尽くして集めさせるって、いいのか、お嬢様方。
正直いって魔道具でも作らないと、僕以外では製造は不可能なんですよね。魔道具を作るにしても、温度調整とかは時間や温度の確定するのに時間がかかりますし。ここは仕方ありません。大体、厨房設備で出来るわけがないのですから、板チョコ作る為だけに拘束されるのも困ります。
製法は知らないが持っているものが少なかったので、あの場では無いという事にしたということで、手持ちのチョコレートを提供して誤魔化しましょう。
「すいません。製法は知らないので、これで勘弁して下さい」
僕はそう言い、2枚の板チョコ(ミルクとビターチョコ各1枚)を差し出します。じ~っと見つめるエリーゼさんの視線に何とか耐えます。
「……まだ有りますわね?」
「……高貴なお方が、一平民の所持する物を狙うのはいかがな物なんでしょうね?」
僕の言葉に、エリーゼさんはグヌヌと唸りますが、諦めて下さった様ですね。とりあえず、婚約者の話から話題の変更には成功しましたから、僕的にはまずまずの戦果です。被害も相応にありましたけれど、ここでオリバーに対するのろけ話を聞かされたら、絶対笑ってしまいますよ。それは避けなければいけません。
「それで、何故ボッチだったんですか? 公爵家であれば、近親の貴族家などからも、御学友とか希望者が沢山いたと思いますが。」
僕の言葉に、エリーゼさんがこれまた顔を少し赤らめて答えてくれました。
「お友達と遊ぶ時間が多くなると、お父様が寂しがるんじゃないかと思ったのですわ」
……溺愛パパさんに、ファザコンですか。オリバー、君の冥福を心から祈っているからね。僕の所に化けて出たら、迷わず浄化させてもらいます。
力ない僕の笑いに、ヘルガさんもさもありなんと微笑みます。
「公爵様はエリーゼ様が、奥方様の様に虚弱にならないようにと、剣技を習得させたり、様々な知識を学ばせたりでして。
お陰様で、領内の治世はかなり平穏にすんでいますわ。まあ、全く問題が無いわけではありませんが……。あぁ、すいません。クロエさんには全く関係も無いお話で退屈でしたでしょう。
お嬢様もそろそろお仕事にもどりませんと、明日以後が大変になりますよ」
そういうヘルガさんの発言をうけ、僕はそろそろお暇しようと立ち上がります。
「本日は、一平民の分際で公爵令嬢様のお時間を取らせてしまい申し訳ありませんでした。では、これにて暇を「あら、それはいけませんわ」……」
僕の言葉をさえぎったエリーゼさんの言葉に、僕は目をぱちくりさせて固まります。そんな僕をみて、更に言葉を紡ぎました。
「あら、お忘れになったんですの? 私にあれほど恥ずかしい思いをさせて下さったお礼はまだしておりませんわよ?」
え~、あれはあれでとりあえず納得したんじゃ。そう思った僕ですが、いつの間にか壁際に控えるメイドさんを見て口を閉じます。
メイドさんの口の端が、ヒクヒクしているのは今のエリーゼさんの発言を聞いたからですよね。真実を知られたら、今度こそフルボッコにされそうです。
「では、クロエさんを客室にご案内して下さい。館内はお嬢様の私室以外は自由に見て回られても構いませんが、外にでることはお止め下さいね。馬車の乗り入れが合った事で、既に注目が集まっておりますので」
馬車の出入りだけで注目が集まるってごんな事態なんでしょうね。僕には想像できません。といっても僕には選択の余地はありませんので、素直に客室に案内されました。
エリーゼさんは、クラウディウス公爵家の一人娘だそうで、お父さんのクラウディウス公爵は、とても美しく優しい奥様を非常にが付くほど溺愛していたそうです。その為、婦人がエリーゼさんの出産と共に他界してしまった後も、再婚はせずに独身を貫いているそうですね。
ここまでは、奥様への熱愛過ぎる貴族様のお話ですが、奥様の他界と同時に娘であるエリーゼさんへの溺愛に代わってしまったようです。そういえば大貴族の令嬢が王都に居ないで自分の領の邸宅に居ても良いのかなとは少しは思っていたんですよね。
エリーゼさんは14歳でまだ成人してないでしょうから、本格的な社交界デビューとかはまだなのでしょうけど、貴族は成人と共に婚約がすぐ決まるのが普通だったはず。いや、成人前に婚約が決まっていてもおかしくはありませんよね? 僕がそこを聞いてみると、これまたヘルガさんが答えます。
「実は公爵様が、ずっとお嬢様は身体が弱く領地を離れられないと言い続けていた様で……」
はぁ、それではお家の為にはまずいんじゃないんでしょうかね? 跡継ぎの嫡男も居らず、ご自身は再婚のつもりもない。まあ、最悪身内の貴族家から養子を迎える手もあるのでしょうけど。
「それが漸くお嬢様も普通じゃないと理解していただいたようでして。漸く先日婚約が正式に決まったのですよ。」
へぇ、それは良い事ですね。うんうん、僕には完全に他人事なので安心して聞いていられます。
「それはおめでとうございます。お相手は良いお方なのでしょう?」
僕の問いに答えたのは、やはりヘルガさんです。エリーゼさんは顔を赤くしてそっぽを向いていますね。いいなぁ、美人は何しても似合って。そして僕は出された紅茶のカップを口に運びます。そしてヘルガさんが三度答えました。
「はい、身分的には申し分ない方ですよ。第2王子のオリバー様ですから……」
その声と同時に、カップの紅茶がゴポリと大量に口に入ります。まずい、このままだと2人に紅茶のシャワーを浴びせてしまいます。なんとか顔の向きを変える事には成功しましたが、直後にブフォ~っとすさまじい音と共に、僕は口に含んだ紅茶を噴出してしまいます。
「ぎゃぁぁ~、汚い、何するんですの!!」
「ギニャァ~」
エリーゼさんの悲鳴とアレキの鳴き声と共に、客間のドアが開き抜剣したメイドさん達が雪崩れ込んできました。その後はもうてんやわんやでした。
*****
僕は紅茶でずぶ濡れになったアレキを、取り出したリネンのタオルで丁寧に拭いてあげています。アレキの被毛はダブルコートで水気は殆ど通さないので、本体にダメージは無いはずですけどね。綺麗にしてあげた後、魔法でリネンのタオル共々綺麗にします。えっ、最初から魔法で綺麗にすれば二度手間じゃないだろうって? それは何か違う気がしてしまうんですよね。
客間の長椅子のシートには多大な被害を出してしまいましたが、こちらも魔法で染み抜きと洗浄、乾燥をかけることでほぼ元通りとなっています。メイドの皆様方には、ヘルガさんが説明して下さったので、なんとか無事生還できましたよ。
あぁ、やばかった。精神的にまだどきどきが治まっていませんよ。ここまで動揺したのは、アイオライトにきて初めての事かもしてません。むぅ、オリバー恐るべしですね。
「すいません、知人の名前と似ていたので、ちょっと紅茶がへんな所に入ってしまいました。申し訳ありません」
僕はお2人に、立って謝罪しました。土下座のほうが良いのかどうかは悩む所ですが、こちらで土下座している人は見たことがありませんしね。
幸い、お2人は快く許していただきました。条件付で……。はい、想定できたでしょうけど、お嬢様方は板チョコがご所望です。実際手持ちは未だありますが、あのときもう手元にはないと言ってしまった手前、素材から調達となってしまいます。これって、絶対レシピとるつもりですね? とはいえ、素材も集まるかどうか微妙ですしと伝えますが、公爵家の全力を尽くして集めさせるって、いいのか、お嬢様方。
正直いって魔道具でも作らないと、僕以外では製造は不可能なんですよね。魔道具を作るにしても、温度調整とかは時間や温度の確定するのに時間がかかりますし。ここは仕方ありません。大体、厨房設備で出来るわけがないのですから、板チョコ作る為だけに拘束されるのも困ります。
製法は知らないが持っているものが少なかったので、あの場では無いという事にしたということで、手持ちのチョコレートを提供して誤魔化しましょう。
「すいません。製法は知らないので、これで勘弁して下さい」
僕はそう言い、2枚の板チョコ(ミルクとビターチョコ各1枚)を差し出します。じ~っと見つめるエリーゼさんの視線に何とか耐えます。
「……まだ有りますわね?」
「……高貴なお方が、一平民の所持する物を狙うのはいかがな物なんでしょうね?」
僕の言葉に、エリーゼさんはグヌヌと唸りますが、諦めて下さった様ですね。とりあえず、婚約者の話から話題の変更には成功しましたから、僕的にはまずまずの戦果です。被害も相応にありましたけれど、ここでオリバーに対するのろけ話を聞かされたら、絶対笑ってしまいますよ。それは避けなければいけません。
「それで、何故ボッチだったんですか? 公爵家であれば、近親の貴族家などからも、御学友とか希望者が沢山いたと思いますが。」
僕の言葉に、エリーゼさんがこれまた顔を少し赤らめて答えてくれました。
「お友達と遊ぶ時間が多くなると、お父様が寂しがるんじゃないかと思ったのですわ」
……溺愛パパさんに、ファザコンですか。オリバー、君の冥福を心から祈っているからね。僕の所に化けて出たら、迷わず浄化させてもらいます。
力ない僕の笑いに、ヘルガさんもさもありなんと微笑みます。
「公爵様はエリーゼ様が、奥方様の様に虚弱にならないようにと、剣技を習得させたり、様々な知識を学ばせたりでして。
お陰様で、領内の治世はかなり平穏にすんでいますわ。まあ、全く問題が無いわけではありませんが……。あぁ、すいません。クロエさんには全く関係も無いお話で退屈でしたでしょう。
お嬢様もそろそろお仕事にもどりませんと、明日以後が大変になりますよ」
そういうヘルガさんの発言をうけ、僕はそろそろお暇しようと立ち上がります。
「本日は、一平民の分際で公爵令嬢様のお時間を取らせてしまい申し訳ありませんでした。では、これにて暇を「あら、それはいけませんわ」……」
僕の言葉をさえぎったエリーゼさんの言葉に、僕は目をぱちくりさせて固まります。そんな僕をみて、更に言葉を紡ぎました。
「あら、お忘れになったんですの? 私にあれほど恥ずかしい思いをさせて下さったお礼はまだしておりませんわよ?」
え~、あれはあれでとりあえず納得したんじゃ。そう思った僕ですが、いつの間にか壁際に控えるメイドさんを見て口を閉じます。
メイドさんの口の端が、ヒクヒクしているのは今のエリーゼさんの発言を聞いたからですよね。真実を知られたら、今度こそフルボッコにされそうです。
「では、クロエさんを客室にご案内して下さい。館内はお嬢様の私室以外は自由に見て回られても構いませんが、外にでることはお止め下さいね。馬車の乗り入れが合った事で、既に注目が集まっておりますので」
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