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3.帝政エリクシア偵察録
28.毛を逆立てて威嚇する
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12月も半ばを過ぎると、下層街からも目視できる範囲に、エリクシアの兵が陣地を構築しだしました。これには、特にアレキサンドリア側からは文句は言えません。
河川の両岸の土地は、精確にここが国境という風に線が引かれたり壁がある訳ではありません。地図にしても、肉眼で見える線であれば縮尺によりますが数百メートル以上の幅になりますからね。
そして、東岸のアルベニア王国にしても、西岸の帝政エリクシアにしても、アレキサンドリア共和国との国境線を明確にはしていません。国境線を明確にするという事は、ある意味その線を越えたら自国が侵略したとみなされる訳ですから、不可侵条約でも結ばない限り、当事国としては意味がない事になります。
「またテントが増えていますわね。この時期にテントで野営するなんて、ご苦労な事ですわね」
イリスさんの呟きに、私は頷きます。今日は学院の生徒も、クラス単位で上層街の展望公園から、エリクシア側の陣の構築の研究名目で観察する野外実習がなされているのです。
「エリクシア側も、上から見られることは承知しているでしょうけど、まさか表情まで見えてるとは思ってないでしょうしね」
私はクロエさん謹製の双眼鏡を覗き込みながら答えます。他の生徒は、学院から借りた望遠鏡や双眼鏡を交代で覗いていますが、イリスさんに私、ユーリアちゃんの3人は自前で持っていますし、エリック様が私達のスマホ型カメラ(クロエさん曰く、電話機能がないから、タブレット型なんだけど言いやすいからと、判らない事で命名されていますが……)に取り付けるアタッチメントを開発していただきましたので、動画や写真で記録する事も出来ます。
軍やギルド、学院は更に高性能な物を開発して使用しているのでしょうけど、私達の双眼鏡には、クロエさん曰くズーム機能が付いていますので、軍の物とそん色ない出来のはずです。
「今の処、仮宿舎というイメージですね。あんなテントだけでは、下とは言えかなり寒いんじゃないでしょうか?」
「……貴女、下の気候わからないでしょ? まあ、私も気候がわかるほど下に詳しくないんですけれど」
ユーリアちゃんの言葉に、イリスさんが突っ込みを入れますが、確かにこの3人の中で、下層街で暮らした経験者は私しか居ませんものね。
「日中は未だ良いですが、やはり夜は冷え込みますよ。海風が結構強い日もありますから、場合によってはテントなんか飛んでしまうかも……」
そういった矢先、双眼鏡の中で増設中のテントが飛ばされる姿が見えて、思わず笑ってしまいます。
エリクシア側が陣を構築している中、アレキサンドリア側も何もしていないわけではありません。下層街の西岸は、街道から直接町へと出入りできるようになっていましたが、今では土魔法により防御陣地と野戦病院の作成が進められています。
そして、東岸を双眼鏡でみると、アルベニア王国側にも小規模の軍勢が、やはり陣地を構築しているようです。
「共闘してくると思います?」
同じように東岸の様子を見ているイリスさんに私が質問しましたが、イリスさんは首を横に振ります。
「今の処、それはなさそうね。物見の櫓みたいな建築物も見えるから、偵察でしょうね。いずれにしても、エリクシアやアレキサンドリア側の実力を知るのは、彼らにとって損はありませんもの」
私はそれに同意しつつ、別な当事者の2人の事を少し考えてしまいます。
「オリバーとアレクシスの2人は、この状況をどう思っているのでしょうね。オリバーに着けた『闇在鬼』からは、特に戦略等の報告はありませんが」
私の言葉に、イリスさんもあぁそうだったわねと呟きます。
「結構普段どおりらしいわよ? 2人ともここから自国の軍の様子も見たみたいですし」
少し驚きましたね。アレキサンドリア側が様子を観察している事は知っていても、どのレベルまで知られているか、教えるようなものですのに。
「……そうですか、敢えて知らせる事によって自国の軍の行為を止めさせる事にもつながる可能性もありますしね」
イリスさんが私の呟きにそうよと答えて呟きます。
「見て。下層街から年内最後の外来船が出港していくわ。」
その言葉に港を見ると、一隻の大型帆船が下層街の桟橋を離れて、川を下っていきます。その後ろを黒い小型の帆船が随伴していますね。
やがて大型帆船が河口をでて岸から遠ざかり始めると、小型船の甲板に誰か出てきたようです。私は再び双眼鏡で小型船を見てみます。
「あっ、あれはアレクシアさんじゃないですか?」
私の声に、周囲の人々は河口付近の黒い小船を見つめます。双眼鏡の中のアレクシアさんは、宙にその右手で魔法陣を描いていましたが、それが完了したのか一瞬魔法陣が光り輝き、光が消えた後そこには波間に見える岩が複数現われました。幾つかの岩は、海面より数メートルは出ています。知らずに入港しようとして、座礁する船は無い様にとの配慮ですね。そしてあれでは港内に出入りする事が出来る船は小型の船だけになってしまいます。あぁ、逆に港内にエリクシアの船が入れないようにする対策なのですね。
アレクシアさんの乗る船が湾内に戻る中、西岸の堤防の外にも動きがありました。下層街側から、徐々に石造りの防御壁がそそり上がってきます。最終的には、建造中の防御陣地と接続された、高さ10m程の石造りの隔壁となり、最上部には凸凹したのこぎり型の狭間が見えますが、隔壁の幅は10m程あり、狭間の高さも人では届かない高さです。狭間は川側にもあり、こちらは普通の高さですね。
「過去に、港内に侵入されて痛い目に有っていますからね。対策は採らせて頂きますわよ。堤防に対する破壊工作も有り得ますから。15年間、アレキサンドリアが何も考えてなかったわけじゃない事を見せ付けて差し上げますわ」
そういって人の悪い笑顔を見せるイリスさんをみて、私は溜め息をつきます。これでは、おとなしく愛らしいと思っていた猫が、突然毛を逆立てて威嚇してきたみたいではないですか。私の溜め息が、イリスさんの気に障ったようですね。言葉が続きます。
「なによ? 天使の様な笑顔を見せながら、悪辣な手を使うあの娘より、数倍マシだと思いますわよ」
その呟きに、私は確かにと同意したのです。
でも、これって十分悪辣ですよね? 非武装の町だと思っていたのに、突然目の前で堅固な隔壁を持つ城砦都市に変わられたのですから、攻城兵器なども用意していなければ、攻略の難易度は一気に跳ね上がりましたよ?
実際、双眼鏡でエリクシア、アルベニア両陣営を見てみると、大騒ぎになっているようです。
私が知る限り遼寧を含めた東国にも、これだけ重装の都市など見たことが有りません。そして、私はまだこの状態は毛を逆立てているだけで、その爪も牙も出してはいないことを、知っているのですから。
「うん! アレキサンドリア自体が、クロエさんの様なものですね」
「そうですね。まだ精霊樹様も守りの力を施していませんし」
「「えっ?!」」
私の声に同意したユーリアちゃんの発言に、私とイリスさんの驚きの声が重なったのでした……
河川の両岸の土地は、精確にここが国境という風に線が引かれたり壁がある訳ではありません。地図にしても、肉眼で見える線であれば縮尺によりますが数百メートル以上の幅になりますからね。
そして、東岸のアルベニア王国にしても、西岸の帝政エリクシアにしても、アレキサンドリア共和国との国境線を明確にはしていません。国境線を明確にするという事は、ある意味その線を越えたら自国が侵略したとみなされる訳ですから、不可侵条約でも結ばない限り、当事国としては意味がない事になります。
「またテントが増えていますわね。この時期にテントで野営するなんて、ご苦労な事ですわね」
イリスさんの呟きに、私は頷きます。今日は学院の生徒も、クラス単位で上層街の展望公園から、エリクシア側の陣の構築の研究名目で観察する野外実習がなされているのです。
「エリクシア側も、上から見られることは承知しているでしょうけど、まさか表情まで見えてるとは思ってないでしょうしね」
私はクロエさん謹製の双眼鏡を覗き込みながら答えます。他の生徒は、学院から借りた望遠鏡や双眼鏡を交代で覗いていますが、イリスさんに私、ユーリアちゃんの3人は自前で持っていますし、エリック様が私達のスマホ型カメラ(クロエさん曰く、電話機能がないから、タブレット型なんだけど言いやすいからと、判らない事で命名されていますが……)に取り付けるアタッチメントを開発していただきましたので、動画や写真で記録する事も出来ます。
軍やギルド、学院は更に高性能な物を開発して使用しているのでしょうけど、私達の双眼鏡には、クロエさん曰くズーム機能が付いていますので、軍の物とそん色ない出来のはずです。
「今の処、仮宿舎というイメージですね。あんなテントだけでは、下とは言えかなり寒いんじゃないでしょうか?」
「……貴女、下の気候わからないでしょ? まあ、私も気候がわかるほど下に詳しくないんですけれど」
ユーリアちゃんの言葉に、イリスさんが突っ込みを入れますが、確かにこの3人の中で、下層街で暮らした経験者は私しか居ませんものね。
「日中は未だ良いですが、やはり夜は冷え込みますよ。海風が結構強い日もありますから、場合によってはテントなんか飛んでしまうかも……」
そういった矢先、双眼鏡の中で増設中のテントが飛ばされる姿が見えて、思わず笑ってしまいます。
エリクシア側が陣を構築している中、アレキサンドリア側も何もしていないわけではありません。下層街の西岸は、街道から直接町へと出入りできるようになっていましたが、今では土魔法により防御陣地と野戦病院の作成が進められています。
そして、東岸を双眼鏡でみると、アルベニア王国側にも小規模の軍勢が、やはり陣地を構築しているようです。
「共闘してくると思います?」
同じように東岸の様子を見ているイリスさんに私が質問しましたが、イリスさんは首を横に振ります。
「今の処、それはなさそうね。物見の櫓みたいな建築物も見えるから、偵察でしょうね。いずれにしても、エリクシアやアレキサンドリア側の実力を知るのは、彼らにとって損はありませんもの」
私はそれに同意しつつ、別な当事者の2人の事を少し考えてしまいます。
「オリバーとアレクシスの2人は、この状況をどう思っているのでしょうね。オリバーに着けた『闇在鬼』からは、特に戦略等の報告はありませんが」
私の言葉に、イリスさんもあぁそうだったわねと呟きます。
「結構普段どおりらしいわよ? 2人ともここから自国の軍の様子も見たみたいですし」
少し驚きましたね。アレキサンドリア側が様子を観察している事は知っていても、どのレベルまで知られているか、教えるようなものですのに。
「……そうですか、敢えて知らせる事によって自国の軍の行為を止めさせる事にもつながる可能性もありますしね」
イリスさんが私の呟きにそうよと答えて呟きます。
「見て。下層街から年内最後の外来船が出港していくわ。」
その言葉に港を見ると、一隻の大型帆船が下層街の桟橋を離れて、川を下っていきます。その後ろを黒い小型の帆船が随伴していますね。
やがて大型帆船が河口をでて岸から遠ざかり始めると、小型船の甲板に誰か出てきたようです。私は再び双眼鏡で小型船を見てみます。
「あっ、あれはアレクシアさんじゃないですか?」
私の声に、周囲の人々は河口付近の黒い小船を見つめます。双眼鏡の中のアレクシアさんは、宙にその右手で魔法陣を描いていましたが、それが完了したのか一瞬魔法陣が光り輝き、光が消えた後そこには波間に見える岩が複数現われました。幾つかの岩は、海面より数メートルは出ています。知らずに入港しようとして、座礁する船は無い様にとの配慮ですね。そしてあれでは港内に出入りする事が出来る船は小型の船だけになってしまいます。あぁ、逆に港内にエリクシアの船が入れないようにする対策なのですね。
アレクシアさんの乗る船が湾内に戻る中、西岸の堤防の外にも動きがありました。下層街側から、徐々に石造りの防御壁がそそり上がってきます。最終的には、建造中の防御陣地と接続された、高さ10m程の石造りの隔壁となり、最上部には凸凹したのこぎり型の狭間が見えますが、隔壁の幅は10m程あり、狭間の高さも人では届かない高さです。狭間は川側にもあり、こちらは普通の高さですね。
「過去に、港内に侵入されて痛い目に有っていますからね。対策は採らせて頂きますわよ。堤防に対する破壊工作も有り得ますから。15年間、アレキサンドリアが何も考えてなかったわけじゃない事を見せ付けて差し上げますわ」
そういって人の悪い笑顔を見せるイリスさんをみて、私は溜め息をつきます。これでは、おとなしく愛らしいと思っていた猫が、突然毛を逆立てて威嚇してきたみたいではないですか。私の溜め息が、イリスさんの気に障ったようですね。言葉が続きます。
「なによ? 天使の様な笑顔を見せながら、悪辣な手を使うあの娘より、数倍マシだと思いますわよ」
その呟きに、私は確かにと同意したのです。
でも、これって十分悪辣ですよね? 非武装の町だと思っていたのに、突然目の前で堅固な隔壁を持つ城砦都市に変わられたのですから、攻城兵器なども用意していなければ、攻略の難易度は一気に跳ね上がりましたよ?
実際、双眼鏡でエリクシア、アルベニア両陣営を見てみると、大騒ぎになっているようです。
私が知る限り遼寧を含めた東国にも、これだけ重装の都市など見たことが有りません。そして、私はまだこの状態は毛を逆立てているだけで、その爪も牙も出してはいないことを、知っているのですから。
「うん! アレキサンドリア自体が、クロエさんの様なものですね」
「そうですね。まだ精霊樹様も守りの力を施していませんし」
「「えっ?!」」
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