駄女神に拉致られて異世界転生!!どうしてこうなった……

猫缶@睦月

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5.南海の秘宝

1.新学期?!

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 教室の窓側最前列。長らく其処は一人の少女が暖めていた席であった。そして7年間見続けてきた明るい金髪の少女は、その席にはもう居ない。

 むぅ、7年も見慣れていた風景が変わると、こんなに心元無いものなんですね。指定された椅子に座った僕の最初の感想はそれでした。

 帝政エリクシア西部辺境領セロ・グランデでの出来事から2年が経ち、僕もこの世界での肉体年齢は14歳を迎えました。幸いにして、身長も無事伸びて145cmになりました。
 僕が14歳ということで、1歳年上だったイリスさんは15歳。今年から学院での待機室は年長組みの教室になってしまい、前年まで次席だった僕がその席を預かる事になりました。
 例年通り、自己紹介後はカリキュラムの検討を自分達で決めるため、ユーリアちゃんと一緒にサロンへと向いますが、11歳のユーリアちゃんは既に身長が153cmを超えています。いいんですよ、彼女はエルフ族。僕よりスマートになる種族なのですから、気にしません。例え彼女の胸部装甲が、エルフとしては多少強力な装甲に育ちつつあったとしてもです……すいません、自爆しました、ゴメンナサイ。
 サロンにはいると真っ直ぐいつもの大部屋を目指します。既に僕達専用の個室認定されていますので、予約が要らなくなったのは幸いですね。

「今年はイリスさんは上級クラスでの初年度だから、時間かかると思うし、まずは自分達でカリキュラム考えてみようか」

「そうですねぇ。私は変わらず解錠術やトラップ探知術の上級と、弓術が主となりますね。探知・探索系も上級をうけますけど、他に何かお勧めはありますかぁ」

 むぅ、ユーリアちゃんに不足しているという技能は、正直あまり無いんですよね。『アレキサンドライト』の中では、斥候・罠解除などは既にユーリアちゃんの分担になっていますし、魔法意外での物理的現象からの考察(床の磨り減り具合など)も問題はありません。

「あとは、精神修行くらいだしね。物に動じないっていうか、僕もその辺はまだまだだしなぁ。僕はそうしようかなぁ、もう受ける授業が殆ど無いんだよね」

 既に必要な講義は上級術を全て履修済みなんですよね。かといって、全く興味も無い事を学んでも身になりませんし。

「誰ですか、そんな贅沢な事をいっているのは」

 ドアが開き、そう言いながら入ってきたのはユイですね。16歳になったユイは、身長も僅かにのびて、156cm近くですが、昨年から身長自体は伸び悩んでいるようですね。ユーリアちゃんが既に並びかけていますが、今年中には抜かれてしまいそうです。花開くような笑顔は相変わらずですが、既に大人の雰囲気一杯です。もちろん、胸部装甲も細身の身体に釣り合っています。

「僕にはユイやイリスさんの様に、講師の仕事はないもの。時間的には余っちゃうんだよね。それに僕は教えるの得意じゃないですし」

 教えられない物も多いんですよね。なんとなく出来てしまうものは、こんな感じとかしかいえないし、僕の身体能力を前提としているものも多いですからね。

「教える事によって、再確認する事も多いんですよ。でも、クロエさんはそうかもしれませんね」

 小さな溜め息をついたユイは僕の対面に座ります。

「それで、講師のほうはどうなの? 週1だっけ? 基礎符術の講義って」

「ユイさんが教えるんですよねぇ、余裕があれば受けて見たいところなんですけど、私は時間がなさそうです」

「是非と言いたい処なんですけどね。私自身もまだまだ余裕が無いので、戦術・戦略論の一枠ですし。ただ今期は2枠あるのですよね。ですが、増えた1枠の講義場の記載がないんですよ」

「へ? 決まってないって、来週から講義始まるのに?」

 僕の問いに、ユイも疑問に思っていたようですね。小首を傾げてうんうん肯きます。

「後で学生課ででも確認して「その必要はありませんわ」……」

 僕の言葉を上書きしたのは、ドアを開けて入ってきたイリスさんですね。何か知っているようですね。
 サロンに入ってきたイリスさんは、僕の対面に座るユイに一瞬視線を送りますが、特に言葉も無くユイの隣に座ります。ユイも平然としてますね。

「イリスさん、初年度なのに早いね。でも、さっきの件に関して、なにか知っているの?」

 3人の視線を受けても平然としたイリスさんが話します。

「皆さんも、開放都市『チッタ・アペルタ』は知っていますでしょ? 先月まで、都市機構の整備がかかっていましたけど、今月から本格運用に入るんですわ。
 そして、目玉となる施設のうちの一つが、魔術技術学院Scuola di tecnologiaですの。ユイの2枠目の講義場所はそこになるのですわ」

 下層街の東、東岸防壁の向こう側は、アルベニア王国と不可侵条約を結んだ際に国境線が確定しました。そして、下層街から水路を国境線上に引き、水源とすることでアレキサンドリアとアルベニア王国側で都市開発がされていた事は知っています。

魔術技術学院スクオラ・ディ・テクノロジア(Scuola di tecnologia)ですか。国境線上にある環状に水路の配された島状の地区にできた学院ですよね。そんな処で講義するんですね」

「ユイだけじゃありませんわ。私も魔法医療を2枠、ユーリアちゃんのお母様カタリナさんもエルフ流の森林学を1枠受け持っていますし、リアンやワイアットも鍛冶や航海術を受け持っているはずですわよ」

 はぁ、皆さん凄いですね。僕は感心して話を聞いていましたが、イリスさんが僕の意表を突きます。

「なにぼぉっとしてるのよ。貴女にも関係が有るんですのよ? 貴方は皆さんの護衛として同行する事が決まっているんですわよ?」

「えっ、僕そんな事聞いてないですよ」

「アレクシア様を含めた上で決めたようよ? どうせ受講する講義もなくて、暇してるのは解ってるんですわよ。それに、下層街からも一部店舗が『チッタ・アペルタ』に支点を出しますし。『四季』や『思い出』、ワイアットのお付メイドだった彼女のお店『うさぎ亭』もね」

 むぅ、勝手に決められたとは言え、国際色豊かな街になりそうですね。そこに行ける正式な許可と考えればよい事ですよね。

「そうそう、母から皆さんに伝言がありましたわ。私を含めてですが、『みなさん恋愛禁止でお願いします』ですって」

 どこのアイドルグループですか! でも、解らないでもないですね。
 ユイはしっとり和服が似合うようなスタイル良し・気立て良しの美人さんで、お年頃です。
 イリスさんも、身長はほぼ160cmで、この2年で育った胸部装甲は、ユイを既に凌駕したわがままボディーといって良いですしね。まあ、極端な巨乳ではありませんが、かなりのボリュームがありますね。
 ユーリアちゃんも、11歳には見えない大人びた雰囲気満載ですしから、賑わう町では目立ちそうです。
 えっ? 僕はどうせお子様体型のままですよ。煩いですね、ほっておいてください(泣き)
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