301 / 349
7.女王の奏でるラプソディー
70.戦闘開始
しおりを挟む
ドクンッ
心音のような大きな鼓動がして、男のいた場所に崩れ落ちた肉塊が、内側からボコリと泡立つように膨れ上がります。
波打つたびに内側から膨れてはじける肉塊は、得体のしれない肉汁を周囲にまき散らしながらどんどん巨大化していき、やがて白く輝く円錐形の頭部が現れる頃には、既に体長が十メートルを超えています。
当然僕たちも只見ていただけではありません。水槍、炎槍を始めとした4大精霊魔法が空を飛び、肉塊を貫き燃やします。
ユイが攻撃用に呼んだ式による聖属性・闇属性攻撃により、浄化されたり闇に飲み込まれたりと触手単位で消滅するほどの攻撃を加え、僕のガンブレードによる複数属性の連弾は、距離を物ともせず対象をその場に釘づけします。
そして、エマとジェシーが大剣と双剣を使った接近戦を挑みます。青白い輝きを帯びたエマの大剣は水属性の攻撃なのでしょうか? 接近してきたエマを叩き潰そうと、拳を握った腕状の触手がエマを頭上から襲いました。
軽やかに避けたエマは、その拳に頭上に掲げた大剣を一閃させると、振り下ろした大剣とともに凄まじい量の水が拳へと叩きつけられ、拳は切り刻まれたのちに凄まじい水圧で押し潰されたようです。
「……すごい……接近戦で、あんなに多くの触手を全部かわして攻撃してるし、あの水を纏った剣戟は斬る・押し潰すを同時に行っていますね」
何度目かのつぶやきに、なぜかイリスさんが当たり前でしょという表情をしています。
「エマやジェシーも、近距離物理攻撃だけしかできない訳じゃありませんわよ。エリック様が嬉々として作った試作武器に、アレクシア様との演習だってこなしたんですもの」
イリスさんがそう言うと、ユイが苦笑いしていいました。
「アレクシア様が仰ってましたもんね。『クロエちゃん以外の子が、上位魔法の実験た……いえいえ、標て……回避訓練に志願してくれるなんて、とてもうれしいわ』って……」
イリスさんやユイだけでなく、エマやジェシーまで…… リリーさんといい、アレクシアさんといい、エマやジェシーに試作武器を作っちゃうエリックさんといい、なぜうちの大人は大人げないというか、敢えて火種を投下するんでしょうか?
そんな大人たちに鍛えられた成果がでていますね。ジェシーの双剣は普通の剣に比べれば短めですが、切り結んでいた鉤爪に、左の剣を突き刺しました。
左の剣を包んでいた赤い光が剣先に集中し、一瞬の間と輝きを煌めかせて赤い光が破裂。鉤爪ごと触手が光を中心に爆散し、エマは軽々と距離をとります。
「クロエ、一粒弾を私に撃って下さい!」
突然エマがそんな事を言い、僕は面食らいました。一粒弾は僕のガンブレードに通常六発装填されている魔石を、極大の一発だけ装填したもので、シリンダーの改良により威力は十倍以上ある代物です。僕がためらっていると、イリスさんから怒られてしまいます。
「クロエ、エマもジェシーも依然より戦闘力は上がっているのよ! 信頼して撃ちなさい!
」
むぅ、知り合いに銃口を向けるのって、精神的にプレッシャーが大きいんですよ? 僕はどこかの錬成師ではないので、多少なりとためらいがあります。
とはいえ、エマを信頼していないと思われるのも困りますので、撃ちますよ! 右のガンブレードのシリンダーロックを外し、シリンダーごとパーツを一粒弾専用の物に交換します。
再度シリンダーを振って銃に収納後、シリンダーをロック。左ガンブレードをお手玉のように空中に放り投げると、両手でガンブレードを支持してエマを狙って発射しました。
この間、シリンダー交換も含めてほぼ二秒というところです。
両手保持して打った一粒弾は、銃口から加速と精密照準の魔法陣を通過し、さらに威力強化の魔法陣を通過。単純計算でも、通常の二十倍近い威力の巨大な火球が形成され、まっすぐエマに向かいます。以前は両肩を脱臼してしまいましたからね。今は衝撃吸収機構の採用により、以前ほどの反動には襲われることはありません。
「……ハァッ!!」
エマが大きな声で真っ直ぐに大剣を火球に向けて突き出すと、風を巻く凄まじい音と、熱風が一瞬僕たちを襲います。
そして、エマの大剣を炎が纏い………… 大剣を化け物に向かって横薙ぎに大きく振りぬきました。
エマが振りぬいた大剣は、一条の紅蓮の尾を引き、うにうにぐねぐね、ぬちょぬちょぐちゃぐちゃと擬音いっぱいにうねる化け物の下部にあたり、凄まじい爆発音と共にその半数を跡形なく焼き尽くします。
余りの威力と爆風に、空中に投げた左ガンブレードの落下位置がずれて、キャッチしそこなったのは内緒です。
ジェシーも同様に僕を見つめていますので、加熱した右ガンブレードの冷却機構を作動させると、左のガンブレードでも同様に一粒弾に弾倉を交換から射撃へと流れるように行い、ジェシーも同じように双剣に炎を纏わせ振り切った双刃の軌跡は。残ったうねうねうごめくものを十字に斬り付け焼き尽くします。
「すごい……みんな強くなってたんですね」
僕の言葉に、四人は嬉しそうに微笑むのでした。
心音のような大きな鼓動がして、男のいた場所に崩れ落ちた肉塊が、内側からボコリと泡立つように膨れ上がります。
波打つたびに内側から膨れてはじける肉塊は、得体のしれない肉汁を周囲にまき散らしながらどんどん巨大化していき、やがて白く輝く円錐形の頭部が現れる頃には、既に体長が十メートルを超えています。
当然僕たちも只見ていただけではありません。水槍、炎槍を始めとした4大精霊魔法が空を飛び、肉塊を貫き燃やします。
ユイが攻撃用に呼んだ式による聖属性・闇属性攻撃により、浄化されたり闇に飲み込まれたりと触手単位で消滅するほどの攻撃を加え、僕のガンブレードによる複数属性の連弾は、距離を物ともせず対象をその場に釘づけします。
そして、エマとジェシーが大剣と双剣を使った接近戦を挑みます。青白い輝きを帯びたエマの大剣は水属性の攻撃なのでしょうか? 接近してきたエマを叩き潰そうと、拳を握った腕状の触手がエマを頭上から襲いました。
軽やかに避けたエマは、その拳に頭上に掲げた大剣を一閃させると、振り下ろした大剣とともに凄まじい量の水が拳へと叩きつけられ、拳は切り刻まれたのちに凄まじい水圧で押し潰されたようです。
「……すごい……接近戦で、あんなに多くの触手を全部かわして攻撃してるし、あの水を纏った剣戟は斬る・押し潰すを同時に行っていますね」
何度目かのつぶやきに、なぜかイリスさんが当たり前でしょという表情をしています。
「エマやジェシーも、近距離物理攻撃だけしかできない訳じゃありませんわよ。エリック様が嬉々として作った試作武器に、アレクシア様との演習だってこなしたんですもの」
イリスさんがそう言うと、ユイが苦笑いしていいました。
「アレクシア様が仰ってましたもんね。『クロエちゃん以外の子が、上位魔法の実験た……いえいえ、標て……回避訓練に志願してくれるなんて、とてもうれしいわ』って……」
イリスさんやユイだけでなく、エマやジェシーまで…… リリーさんといい、アレクシアさんといい、エマやジェシーに試作武器を作っちゃうエリックさんといい、なぜうちの大人は大人げないというか、敢えて火種を投下するんでしょうか?
そんな大人たちに鍛えられた成果がでていますね。ジェシーの双剣は普通の剣に比べれば短めですが、切り結んでいた鉤爪に、左の剣を突き刺しました。
左の剣を包んでいた赤い光が剣先に集中し、一瞬の間と輝きを煌めかせて赤い光が破裂。鉤爪ごと触手が光を中心に爆散し、エマは軽々と距離をとります。
「クロエ、一粒弾を私に撃って下さい!」
突然エマがそんな事を言い、僕は面食らいました。一粒弾は僕のガンブレードに通常六発装填されている魔石を、極大の一発だけ装填したもので、シリンダーの改良により威力は十倍以上ある代物です。僕がためらっていると、イリスさんから怒られてしまいます。
「クロエ、エマもジェシーも依然より戦闘力は上がっているのよ! 信頼して撃ちなさい!
」
むぅ、知り合いに銃口を向けるのって、精神的にプレッシャーが大きいんですよ? 僕はどこかの錬成師ではないので、多少なりとためらいがあります。
とはいえ、エマを信頼していないと思われるのも困りますので、撃ちますよ! 右のガンブレードのシリンダーロックを外し、シリンダーごとパーツを一粒弾専用の物に交換します。
再度シリンダーを振って銃に収納後、シリンダーをロック。左ガンブレードをお手玉のように空中に放り投げると、両手でガンブレードを支持してエマを狙って発射しました。
この間、シリンダー交換も含めてほぼ二秒というところです。
両手保持して打った一粒弾は、銃口から加速と精密照準の魔法陣を通過し、さらに威力強化の魔法陣を通過。単純計算でも、通常の二十倍近い威力の巨大な火球が形成され、まっすぐエマに向かいます。以前は両肩を脱臼してしまいましたからね。今は衝撃吸収機構の採用により、以前ほどの反動には襲われることはありません。
「……ハァッ!!」
エマが大きな声で真っ直ぐに大剣を火球に向けて突き出すと、風を巻く凄まじい音と、熱風が一瞬僕たちを襲います。
そして、エマの大剣を炎が纏い………… 大剣を化け物に向かって横薙ぎに大きく振りぬきました。
エマが振りぬいた大剣は、一条の紅蓮の尾を引き、うにうにぐねぐね、ぬちょぬちょぐちゃぐちゃと擬音いっぱいにうねる化け物の下部にあたり、凄まじい爆発音と共にその半数を跡形なく焼き尽くします。
余りの威力と爆風に、空中に投げた左ガンブレードの落下位置がずれて、キャッチしそこなったのは内緒です。
ジェシーも同様に僕を見つめていますので、加熱した右ガンブレードの冷却機構を作動させると、左のガンブレードでも同様に一粒弾に弾倉を交換から射撃へと流れるように行い、ジェシーも同じように双剣に炎を纏わせ振り切った双刃の軌跡は。残ったうねうねうごめくものを十字に斬り付け焼き尽くします。
「すごい……みんな強くなってたんですね」
僕の言葉に、四人は嬉しそうに微笑むのでした。
0
あなたにおすすめの小説
転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて
ゆうた
ファンタジー
森の国編 ヴェルトゥール王国戦記
大学2年生の誠一は、大学生活をまったりと過ごしていた。
それが何の因果か、異世界に突然、転生してしまった。
生まれも育ちも恵まれた環境の伯爵家の嫡男に転生したから、
まったりのんびりライフを楽しもうとしていた。
しかし、なぜか脳に直接、神様ぽいのから、四六時中、依頼がくる。
無視すると、身体中がキリキリと痛むし、うるさいしで、依頼をこなす。
これって異世界ブラック企業?神様の社畜的な感じ?
依頼をこなしてると、いつの間か英雄扱いで、
いろんな所から依頼がひっきりなし舞い込む。
誰かこの悪循環、何とかして!
まったりどころか、ヘロヘロな毎日!誰か助けて
99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
ハーフのクロエ
ファンタジー
夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
まったく知らない世界に転生したようです
吉川 箱
ファンタジー
おっとりヲタク男子二十五歳成人。チート能力なし?
まったく知らない世界に転生したようです。
何のヒントもないこの世界で、破滅フラグや地雷を踏まずに生き残れるか?!
頼れるのは己のみ、みたいです……?
※BLですがBがLな話は出て来ません。全年齢です。
私自身は全年齢の主人公ハーレムものBLだと思って書いてるけど、全く健全なファンタジー小説だとも言い張れるように書いております。つまり健全なお嬢さんの癖を歪めて火のないところへ煙を感じてほしい。
111話までは毎日更新。
それ以降は毎週金曜日20時に更新します。
カクヨムの方が文字数が多く、更新も先です。
魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します
burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。
その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。
異世界は流されるままに
椎井瑛弥
ファンタジー
貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。
日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。
しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。
これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる